矢研谷に懸かる日本の滝百選の矢研滝は落差73m、落差75mの白滝は欅谷にあり、
林道からは甘茶谷の甘茶滝がみられます。
林道からは甘茶谷の甘茶滝がみられます。
滝の流れは合わさり名貫川となり太平洋へと注ぐのですが、
図らずも帰途…この名貫川流域を太平洋まで歩いたのでした。
図らずも帰途…この名貫川流域を太平洋まで歩いたのでした。
尾鈴山はアプローチが不便で最寄り駅からタクシーに乗りました。
女性一人の山歩きを心配した運転手さんが、登山口でたまたま出会った登山者に、
一緒に登ってくださいと、頼んでくれました。快く同行いただいたのは長崎にお住まいのご夫婦で、きょうは宮崎遠征の5日目だそうです。
定年後に本格的に再開した山は300座を越えてますます意欲的な活動をされている由。
私は何よりご夫婦で楽しまれることに羨ましさを覚えながら尾鈴山山頂までご一緒いただきました。
山頂から先はお二人とは別に矢筈岳・白滝ルートに入りました。
長崎尾(標高1373.6m)を過ぎてシャクナゲ千本林で林道登山口への分岐を分けると、登山道はいくらか荒れてきました。
深い樹林を下ると「矢筈岳」の古い標識が地面に置かれて、「登山禁止」と書き加えてありました。
初めての山なので事情が分からないので無理はできないと注意に従い矢筈岳をスルーしました。
薄暗い檜の林をトラバースしながら白滝へ下って行くと、
檜の切出しのためのケーブルが新たに設置された場所に出ました。廉価な外材に押されて衰退気味の日本の林業がここでは生業として続けられているのでしょうか。
登山道の途中から開削中の林道?の完成部分を行くと貯木場らしい所に出ました。
そこからまた檜の林に入り、岩がゴロゴロ転がって歩きにくい沢地形を下ると
「九州自然歩道」の標識の立つトラバース道から欅谷右岸尾根に乗りました。尾根がいよいよ痩せてくると欅谷に下リる踏み跡がありました。
滝壷へは右岸を左岸へ渉って5~6分さかのぼると滝見展望台がありました。
そこからもっと下まで降りられるようで、滝壺の近くには三脚に一眼レフを構え、撮影に没頭する人の姿がありました。
展望台からは白滝の全景を写真に収めきれません。75mの落差がどんなものかを気づかされます。
瀑布探勝路で訪れる人も多いようで白滝からは道がはっきりしていき、途中から幅広の路になりました。
ただ幅広の路は落石や陥没で路面が荒れていたのが気になりました。
30の滝に手彫りの隧道もあって楽しめる探勝路ですから、
整備して歩き易くなればもっと多くの人に歩かれるのではないでしょうか。
登山口に12:30に戻ることができました。
14:30予約のタクシーには間があるので携帯が通じるところまで林道を出ることにしました。タクシーの中からは気づかなかったのですが、歩いてみると垂崖に囲まれた山深い道だと気付きました。
30分ほど歩いた頃、クラクションを鳴らし車が止まりました。
車に乗っていたのは尾鈴山山頂をご一緒したご夫妻でした。
宮崎に出る途中とのことで(タクシーを呼ぶつもりでしたから)電話が通じる所まで乗せて貰いました。
目があった集落のご婦人に「駅までどれくらいかかりますか」と尋ねたところ「車で7分だけど、道はずっと下りだから行って見ますか」と聞かれました。
魔がさしたのか、尊い導きか、車で7分だったら2時間あれば歩けると思えて歩くことにしました。しかしもう2時間歩いている・・・結局3時間歩いて着いたのは朝電車を降りた都農の駅ではなく
一駅先の川南駅でした。
駅舎の椅子に座ると太平洋の潮騒が聞こえました。
川南は春、家畜の法定伝染病、口蹄疫被害に襲われた食肉生産の町でした。
牛や豚が1頭すらいない真白に石灰が撒かれた養育舎が軒並み続く光景を目にして歩きました。
川南でこんなに盛んに肉牛の育成がおこなわれていた事を知りませんでした。
これまでは山を下りると何事もなく家に帰ることがほとんどでした。
今回の尾鈴山は、山を下りて、教えられた道に迷い、垣間見た現実、悔しさに胸が震えました。
「ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ
秋もかすみの
たなびきてをり」 若山牧水
6:48都農駅=7:30尾鈴山登山口7:40…9:28尾鈴山展望台…9:33尾鈴山山頂
…10:17長崎尾…11:09九州自然歩道標…白滝展望所…11:33白滝…11:56素掘りトンネル…12:30登山口駐車場…15:30川南駅
二百名山 尾鈴山100/42座
2010-11-03 登山
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