2013年2月10日日曜日

裏銀座から新穂高へ{烏帽子岳・三ツ岳・野口五郎岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳・樅沢岳・弓折岳}

2007/06/11 
見事なブナの大木、文字どおりブナ立尾根を上ります。
三角点(標高2208)を過ぎると残雪が多くなります。
烏帽子小屋に14:45到着、身軽に烏帽子岳を往復します。
夏道は雪ノ下でトレースがなく幾度も踏み抜いて難儀です。
烏帽子岳東面はたっぷりと雪を積んで鎖が埋まっていたのでスッテプを切って貰って上りました。
岩峰の山頂は狭く、大岩の間から顔を覗かせて眺める西面は切れ落ちていました。

6/12 
烏帽子の冬期小屋を6:00に出発して直ぐ、シラビソの木に登った熊を見ます。
きのう烏帽子岳に行くとき見た足跡の主でしょう、私達より先に私たちの姿を見つけてくれたらしくあっという間に飛び降りて逃げていきました。

三ツ岳の稜線に上がると雪はなく夏道が出ています。
烏帽子岳の尖塔の奥に立山・剣の雪嶺、西に水晶岳や赤牛岳、槍ヶ岳など大きく展望が開けます。
三ツ岳は黒部側山腹のトラバース道を離れて山頂を踏んでいきます。
槍ヶ岳が穂先を天に突き立てます。
この辺りは2重山稜になっていて、そのまま残雪を利用して長野と富山の県境が走る稜線を行きます。

巨岩がが折り重なる岩の高みで雷鳥のオスが見張っていました。
羽の六割が黒褐色に変わって、目の上の赤い肉冠が発達した伊達者です。
ペアリングシーズンのオスは勢力拡大に躍起、威嚇してくる猛者もいました。
冬期休業中の野口五郎小屋の軒先を借りて休憩の後、鷲羽岳と並ぶ裏銀座の最高峰、
野口五郎岳に登ります。
巨礫の岩海に覆われていながら茫洋とした山容で山頂もまた広く、広場の石積みに山頂標がありました。
カールの五郎池は雪に眠っていました。

10:40真砂岳の鞍部で竹村新道を分け痩尾根を辿ります。
ここまで思いのほか時間がかかったので、12:00までに水晶小屋に着かかなければ水晶岳は諦めることにします。
稜線漫歩、右水晶岳・左槍ヶ岳、眼下に東沢谷が真っ直に森を割って流れます。
易しい沢だそう、いつか遡行できたらいいなぁとこの辺りは呑気でした。
東沢乗越から西は見るからに厄介そうな赤茶けた岩交じりの稜線が水晶小屋まで延びています。


痩尾根から吹き落された雪が北面の斜面に積んでは東沢谷へと雪崩れた身震いするような光景が目の前に広がります。
トレースはなくHさんが夏道沿いに刻んだスッテプを忠実に追いかけます。
しかし尾根が落とす垂直な岩場に剥がれかかって危うく残るシュルンドのトラバースは、尻込みするばかりどうしても一歩がでません。
助けを乞おうと視線を送ると、淡々とスッテプを切っていくHさんの後姿。
「技術があれば」と登山技術の習得を示唆され、学んできているつもりです。
…トレースはしっかりあるのだから心配ない、絶対越えると…自分に言い聞かせます。
落ち着いて確実に一歩を拾って次へ、を繰り返す。

水晶小屋直下まで恐怖のトラバ-スを1時間、13:20解放されました。

そういえばヘリコプター?私たちは東沢乗越手前の展望地でヘリコプターと取り囲む人垣を見ました。
その夜、水晶小屋で墜落したヘリコプターの回収作業が行われたことをラジオニュースで聞きました。

ガスが湧いて展望のない鷲羽岳ですが上ってみます。
楽しみにしていた鷲羽池はガスのなか、はたまた雪の下やらまったく所在が分かりません、持越しです。
三俣蓮華小屋の下りはハイマツの中です。雪解けの時にハイマツにとり残された土砂が濛々と舞って散々でした。

三俣蓮華冬期小屋を利用しました。屋根と壁と床の2畳ほどの独立した建物です。
入口に積もった雪を掘り中に入ります。服を全て着て床の隙間に新聞紙を丸めて詰めました。
ご飯と高野豆腐・干エビ・わかめ・椎茸の煮物に玉葱とハムのスープで温まるとペットボトルの湯たんぽを抱いておやすみなさい。

6/13今日も天気は保っています。
ハイマツ帯から三俣蓮華岳へ、きのう鷲羽岳から見て雪が多いと感じたとおり驚く多さです。
私がリードでルーファインに手間取ったこともあり、
三俣蓮華岳まで夏道の2倍かかりました。
つい目と鼻の先と思っていた双六岳が遠い。

丸山の稜線東面に雪庇が張り出して亀裂が走っています。
双六小屋の中道ルートを左に分け稜線を辿ると広大な双六岳の頂稜から、槍ヶ岳と穂高岳連峰の両雄惜しげなく並び立つ絶景を心ゆくまで楽しみます。

双六小屋はちょうど10時休憩、小屋番さん達が外でお茶をされていました。
小屋開けからまだ誰も西鎌尾根に入っていないそうです。
今夜から大雨の予報が出ており、槍ヶ岳に向かうか、新穂高に下山するか、選択に迷います。

ルート上で最も困難視していた樅沢岳の下降点の状況を確認してから進退を決めることになり、Hさんが偵察に出てくれます。
樅沢岳山頂で待つことにしました。
偵察を終えたHさんの結論は下山でした。

危険を回避しての下山でしたが、
雪庇には亀裂が入り、大ノマ乗越から雪渓に降りる下降点はめまいがするほど急峻で厳しかったし、
落石の不安を抱えた長い長い雪渓の下りも辛かった。
不安定な残雪にまだ橋がかけられない雪渓末端、
秩父沢の流れを探ってのルート取りの難しさ、
最後は日没との戦いで長い林道を駆けるように下山しました。


6/11七倉9:40=10:10高瀬ダム濁沢登山口10:15…11:05権太落とし…12:05(P)
   …12:50(標2380)…14:45烏帽子小屋…烏帽子岳往復…16:30烏帽子小屋

6/12烏帽子小屋6:00…7:00三ツ岳稜線…8:15 P2792...9:35野口五郎小屋
   …10:40竹村新道分岐…11:40 P2833…13:20水晶小屋14:10
   …14:50岩ゴケ乗越…15:00ワリモ岳15:15…鷲羽岳山頂…三俣蓮山荘冬期小屋

6/13三俣山荘6:00…6:55三俣蓮華岳下部…7:20山頂7:45…9:10双六岳山頂
   …10:15双六小屋…11:10樅沢岳山頂…双六小屋…12:30休憩12:50
   …14:00弓折岳…大ノマ乗越から雪渓下降…17:00わさび平小屋…17:50新穂高温泉ゲート

2007-06-11~13 登山

標高順位 28位野口五郎岳2924m/29位鷲羽岳2924m/44位双六岳2860m

       47位三ツ岳2845m/48位三俣蓮華岳2841m/79位樅沢岳2755m

百名山   鷲羽岳100/31座

二百名山  烏帽子岳100/13座  

三百名山  三俣蓮華岳100/1座  ,  野口五郎岳100/7座







      

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