2013年2月10日日曜日

残雪の稜線 南岳西尾根から槍ヶ岳

15日前夜より降り出した雪がなかなか止まない。
午前6時小降りになったので出発するとすぐまた勢いよく降り出す。
南岳西尾根の取り付きは9時をリミットと決めて天候の回復をジリジリしながら待つが
雷まで鳴る始末。
西尾根を諦めて飛騨沢ルートで槍に登る手もあるが、
明日の予報が確実に良いと判っていたので停滞を決断する。



翌16日は待ち望んだ晴天。5:40槍平小屋を出発。
6:20 西尾根取り付き。いきなりの急登に転げ落ちまいと必死。
デルタ状岩壁は岩壁というほど大げさではないが乗り越すのは到底無理。
岩壁基部の小さなルンゼを左にトラバース。
(14日の偵察のおかげでルート選択が的確に運ぶ)
デルタ状岩壁左にある沢のトラバースを終えると漸く尾根らしくなって生きた心地。
デルタ状岩壁付近は尾根が三つに分かれていて左の尾根を選んで上り7:30 稜線に出る。
朝日を浴びて一服。





8:10に2,631mPに乗る。右手正面に穂高連峰と滝谷が望まれる。
ドームが滝谷の頂稜に威容を誇っている。
初めてカメラを向ける余裕が生まれた。
8:35標高2,720mまで登る。雪庇の手前から穂高岳を背景に記念写真を撮る。
次第に尾根が狭まって両端が切れ落ちてきた。マッチ箱が近い。
マッチ箱手前で尾根を左にトラバース、南沢カールになだれ込む急斜面を慎重に進んで2,790mの鞍部に着地。
漸く人心地ついて大休止。(9:45~10:05)
10:25 右に大キレット、左に中岳の肩から槍ヶ岳の穂先がみえ始めて10分で南岳に到着。



小屋の屋根しか出ていない。冬期小屋入口も半ば埋まっている。
昼食の準備をしながらこのあとを相談していると…誰もいないはずなのに
人の気配…「驚かしてごめん」と小屋の主、坂本さんだった。
もうこの時期から小屋開けの準備を始めたのだとか。
「この時間にここまで来たのだから槍ヶ岳に登らなければ槍平に戻れるよ」と助言を貰う。
明日はまた天気が崩れる予報。11:20南岳を後にする。

12:00 天狗原分岐を通過して12:25中岳の鞍部で休憩。
夏道は1割しか出ていない。10mを超す雪庇が続く雪原の
所々に亀裂が走って気持ちの良いものではない。




大喰岳は槍の穂先の絶好の展望台。
しかしここから見る槍ヶ岳は傾いでいる。
14:45 槍ヶ岳山荘到着。15:30槍ヶ岳山頂。16:15再び槍ヶ岳山荘。
飛騨乗越で仕事を終えて槍ヶ岳山荘に戻る坂本さんとバッタリ出会ってしまった。
「槍に行ったでしょう?気を付けて!」「ありがとうございます」。
18:10槍平到着。
長い一日だった。
槍平冬季小屋にまたお世話になる。

17日雨の中新穂高温泉に下山。
佳留萱山荘の湯にゆっくり浸かる。

5月14日    晴れ

神岡6:30=新穂高温泉7:35…9:00穂高平…9:50白だし沢出会い
 …12:00滝谷避難小屋…13:30槍平冬季小屋…偵察14:30…17:00槍平冬季小屋

5月15日    雪.雷
 停滞

5月16日    晴れ

小屋 5:40…6:20取り付き…デルタ上岸壁基部7:25…8:35、2,720m
   …9:45、2,790m鞍部…10:35南岳小屋…13:00中岳…15:30槍ヶ岳
  …16:15槍ヶ岳山荘…18:10槍平冬季小屋

5月17日    雨

小屋6:00…白出し沢出会い・・・穂高平…10:00新穂高温泉    
…佳留萱山荘(温泉)…神岡()


2007-05-14~17 登山

標高順位 5位槍ヶ岳3180m/10位大喰岳3101m/12位中岳3084m/18位南岳3033m
百名山  槍ヶ岳100/30座



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