2016年9月19日月曜日

塔ノ岳 政次郎尾根から大倉尾根

すっきりしない天気が続きます。
もうあの花は散ってしまったかしら…?
先日名前を知らない可愛い花に出逢いました。
写真を撮って帰りましたが、2枚ともピンボケでした。
名前を知らない可愛いこの花は、タニタデでした。



2016年09月17日(土) ☁ ガス時折日差し

【山名】塔ノ岳1490.9m木ノ又大日1396m新大日1340m行者岳 1180m


山域】丹沢山地

【コースタイム】 行程 ;-バス等 ・・・歩行

                大倉バス停8:05…竜神の泉8:29…9:07烏尾山登山口…作治小屋9:23             

                …政次郎(林道)尾根9:33…11:00表尾根稜線…12:33新大日
                …13:17塔ノ岳13:37…15:50大倉16:10(バス) 


タニタデにもう一度逢いたくて、戸沢出合から政次郎尾根で表尾根へ 、
その後塔ノ岳を周って大倉尾根を下山します。
戸川林道は、台風9号の被害で滝沢園キャンプ場から先は車両通行止めでした。
いたるところで水が湧き出し、ダート道に幾つも大きな水溜りができていました。

そんな中、竜神の泉で水を汲む人の姿がありました。
戸沢出合では、重機による流れ出た土砂の除去作業が始まっていました。





政次郎尾根は、稜線に短時間で出られる一方、急斜面の植林地で展望がなく、
高い段差があるなど登山道は幾分荒れ気味です。
下山には、大倉迄の長い林道歩きと合わせて考えると好んで使いたくはありません。
ただエスケープルートとしては、車が入ってこられる登山口へは稜線から最短で、
登山口に山小屋もありますし、夏には「秦野警察署丹沢臨時警備派出所」が置かれる丹沢登山(遭難)の重要拠点ですので、最良です。

登山口に政次郎林道と表示された小さなプレートがあるのに今日初めて気が付きました。この名称が正式なのでしょうか?

 



ムラサキホウキタケでしょうか。
あまり見かけない色目の美しいきのこ、こわごわ写真に撮ってきました。
ムラサキホウキタケならば食用きのこだそう。





蒸し暑い日です。流れ出る汗に干る間がありません。
稜線に出ると海からの湿った空気の影響か、ガス出て山々の展望を隠します。
行者岳が一瞬で霧に包まれ、霧の中から登山者が現れました。





お目当てのタニタデの花は一輪だけ咲いていました。
でもよく見ると2枚あるはずの花弁が1枚だけです。
片方の1枚は散ってしまっています。
実を結んだ株が数本、辺りを見回しても他には見つかりません。
また来年!


アカバナ科ミズタマ属の多年草
名前の由来はタデに似ているから。
花弁の長さは0.8~1.7ミリ/幅は0.7~1ミリと極小。
果実(堅果)は卵形で長さが1.7~3.2ミリ/幅が1.2~2.1ミリ、
表面に先が鉤状に曲がった毛が密生して生え、
水玉のように見える。





登山道の花を眺めながら塔ノ岳へゆっくり足を運びます。
可愛いノコンギクが咲いていました。
土曜日の表尾根は、天気が悪くても臨時バスが出るほどですから、
花観察は登山者の邪魔にならないように…です。



一見フクオウソウと思ったのですが、よく見ると茎にも総苞にも毛がありません。
 このような無毛タイプは、フクオウニガナと呼ぶそうです。




木ノ又大日の北側はアザミの原です。
一緒になったご婦人から見ているアザミが、1種類ではないことを教えて貰います。
また、1本のアザミにも幾通りもの型があって、トネアザミ/ホソエノアザミ/アズマヤマアザミ/フジアザミの4種が複雑に交雑した結果とのこと。
ただでさえ同定が難しいアザミさん、困ります。

この辺り、登山道の両脇に咲く白い小さな花は、コフーロ。
花がそくっりなゲンノショウコとは、3全裂する葉で見分けます。
コフーロは、ゲンノショウコに比べるとぐっと数が少ないので、出逢いのチャンスです。
 
トネアザミ/オオチャバネセセリ 



塔ノ岳山頂で富士山が見えないとやっぱりさびしい。
早々と尊仏山荘へ、コーヒーでまったり。
ミー君はお客さんの膝ですやすや。
「越冬野良猫と仲が悪くて…喧嘩をしても負けてばかり」と小屋番さん。



トゲの脅威、いつの間に。

 

時折薄日が差すことも。


お泊りですか。


“おつかれさま”


ごきげんよう!

2016年9月11日日曜日

山の花 2016年秋

明神岳から望む富士山と金時山


この頃はのんびり登山になりました。          
その所為か以前は見過ごしにしていた
平凡な花や地味で目立たない花にも
目が留まるようになりました。



         ミヤマモジズリ ラン科 多年草
                  
                  どこかで見たことのあるようなないような。
                  それもそのはず、普段見慣れたネジバナの高山型でした。
                  この個体の草丈は5cm程、20㎝までになるようです。
                  根元に対生する2枚の葉の形や様子から
                  ラン科と聞いて納得です。
                                    



              キツリフネ ツリフネソウ科 1年草 
                  
                  普通に見られるので写真を撮らずにいたけれど、
                  花姿・すっきりした色味・花の質感など
                  改めて見るとけっこう素敵です。
                 



        エゾカワラナデシコ  ナデシコ科 多年草
               
               華奢でありながらきりっとした印象を受けるナデシコの花。
               いつの世にも愛される可愛い花です。
              
               反面、個人的には気後れがする花ではあります。
              



         ノコギリソウ キク科 多年草
                 
                 子供のころから花壇で見ていたので、
                 ずっと園芸種だと思っていました。
                 このノコギリソウは小ぶりで一輪だけ
                 ひそと咲いていました。
                 野草らしいノコギリソウに出会いました。
                  



     アキノキリンソウ キク科 多年草
            
            「キリンソウって見たことある?」と聞かれて、そういえば?
            キリンソウ(麒麟草)は、春、美しい黄色の花を咲かせる
            ベンケイソウ科の多年草。
            アキノキリンソウとは別種でした。
            
            秋の野草の代表ともいえるアキノキリンソウ。
            この花の美しさをキリンソウ(麒麟草)に例えて
            アキノキリンソウと命名したのだとか。
            納得できるような納得しがたいような。
                              


         シデシャジン キキョウ科 多年草

                  名前は、花がしめ縄や玉串についた白い紙(四手)
                  のように細く裂けていることに由来します。
                  青紫の花弁が艶やかでくるくると躍動的、
                  そうそう新体操のリボンを思い起こさせます。
                  長く突き出た雌しべと縮れた雄しべも独特です。
                  花は1~1.5cm、草丈は50㎝~1mになるそうです



         ハクサンフーロ フーロ科 多年草
                   
                   お花畑の常連、フーロさん。
                   花色には濃淡に個体差であります。
                   花言葉は「信頼」
                   あと一歩もう一歩、坂道を上る足元に、
                   無邪気なフーロさんがほほ笑むと、
                   つい私もにっこり。
 

     
       アサマフーロ フーロ科 多年草

                ハクサンフーロの仲間ですが、
                より色が鮮やかで、派手な感じがします。
                葉の切れ込みも深い感じです。
      

 

        ナギナタコウジュ シソ科 一年草
                 
                 茎の先端につけた太い花穂の片側だけに
                 薄紫色の唇形花をつける様子が、
                 薙刀のように見えることから命名されたそうです。
                 野道で普通に見られ、触ると強い芳香がします。
                    
                 名前が面白いし、名が体を表す良いネーミング
                 だと思って眺めていると、大きな蚊のような虫が、
                 とまっていました。
                 この虫は、何という虫で、何のためにとまっているのか、
                 気になって調べ虫です。




        トチバニンジン ウコギ科 多年草

                名前の由来は、葉が栃の木の葉に似ている
                ところから付きましたが、根は人参のように
                縦に延びるのではなく横に延びて、節があるようです。
                日本原産の薬用植物でこの根を生薬にします。
                写真の赤い実をつけますが、
                種類に2通りあり、こちらは、
                標高1000m以下に育つトチバニンジンの実です。
                



                こちらは標高1000m以上に育つ
                ソウシシヨウトチバニンジンの実です。
                2種を簡単に見分ける方法は、この実の違いだけです。


     

     ミヤマウイキョウ セリ科シラネニンジン属 多年草
            
            せり科は同定が難しくて関わらないことにしていましたが、
            白い小花の集まりは何とも魅力的でついつい引き寄せられます。
            葉が最も細く背も最も低くて、一番わかりやすいミヤマウイキョウ。
            だと思うのですが…。





     タカネイブキボウフウ セリ科イブキボウフウ属 多年草
            
            砂礫地に蕾が赤紫のせり科の花を見つけました。
            葉の切れ込みが人参のように深くて細い、草丈も20cm程。
            ミヤマウイキョウを想ったけれど、葉の太さがいかにも違う。
            ではミヤマセンキュウ?、砂礫地には生えないはず。
            イブキボウフウだとすると草丈が短いのが気になります。
            そこで草丈は30cm迄とあるタカネイブキボウフウということに。
            
            高嶺伊吹防風の字を当てて、防風とは、風を防ぐ意味ではなく、
            根が風邪薬になるということだそう。

            


 
    タマゴ茸 テングタケ科 食用
          
          鮮やかで美しい茸に出会いました。
          猛毒のテングタケ科に属しますが、食用キノコなのだそうで、
          美味しさで人気のある茸だそうです。
          出初めは、地面に立てたまるで卵、やがて殻を破って真っ赤な黄味が、
          そっくりすぎて不思議不思議と、笑ってしまいます。        
                  

     
     ハナイカリ リンドウ科 2年草
          
            この花を初めて見たのは、渋峠近くの路肩ででした。
            後方に突き出た角が不思議な花姿、
            道端にに群生しているのも驚きでした。
            今年はあちこちで再会しました。
            写真に撮るのが難しくて花のイメージをなかなか伝えられません。





     トモエシオガマ ハマウツボ科 多年草
           
           先端部だけにつく花は、捩れて横向き付についています。
           上から見ると巴にみえるというのでこの名が付けられました。
           シオガマギクの高山型です。
            



        ハンカイシオガマ ハマウツボ科 多年草
                 
                 トモエシオガマと同じシオガマギクの仲間です。
                 こちらは、唇の形をした花はよじれていません。
                 


     
     ゴマナ キク科 多年草
            
            草原の花畑にたくさん、直立する茎が「キオツケー! 」と
            号令をかけられたよう、乱れぬ姿が目に留まります。
            胡麻菜と当てて、若菜は癖がなく良い香りがしておいしいそうです。


 

 

 
 

2016年9月8日木曜日

サガミジョウロウホトトギス 2016



2016年09月03日(土)

サガミジョウロウホトトギスは咲いたでしょうか、丹沢に花の在り処を訪ねます。


ヤビツ峠から海風が心地いい二ノ塔尾根を上ります。
山の花は、(くっつき虫の)実をつけたヌスビトハギ・リンドウはまだ蕾、フジアザミは初めの一輪がやっと、花の多い時期ならスルーしてしまうゲンノショウコやヤブマメの花が目に留まります。

ヌスビトハギ


三ノ頭から眺める烏尾山。
その左手に優美な富士山が望める筈ですが、本日は雲隠れです。
 




烏尾山から南方の相模湾方向を眺めます。
手前に秦野市街、大磯丘陵の奥に小田原市街を望みます。

 その奥に相模湾、真鶴半島が見えています。
湘南から伊豆半島や大島まで丹沢が誇る海洋展望です。





烏尾山から眺める大倉登山口方面。
画像手前のP838の向こうに見える流れは水無川。

水無川本谷・木ノ又大日沢・源次郎ノ沢・セドノ沢・新茅ノ沢・モミソ沢・前大沢・戸沢・流レノ沢の注ぎを集めて扇状地の秦野盆地を潤しています。
 




サガミジョウロウホトトギスは、当たり年のようです。
花つきもよく、登山道にも咲いています。
昨年は事情で観ることができなかったので、2年ぶりの逢瀬です。
サガミジョウロホトトギスの鑑賞登山、今年はお勧めです。





風に揺れる丹沢貴婦人(サガミジョウロウホトトギス=相模上臈杜鵑)。
野鳥も一役かっての雅なロンド、飽かず眺めて満足満足。
政次郎尾根を下ります。