2012年7月31日火曜日

花の山 白山(標高2702.17m)

「仰いで美しいばかりでなく登っても美しい山である」と深田久弥が称えた白山。
岐阜県から登ってきました。
前日9:00に車で出発、中央道、安房トンネル、高山を経由して大白川野営キャンプ場17時到着。
アプローチに一日かかりました。

小白水谷の沢音を聞く原生林の森の一角に外灯もなく管理棟と炊事場・トイレだけの
静かな野営場でひと時の涼宴、明日は白山のリベンジです。
2009年7月の白山は、強風と雨と寒さに室堂で撤退したのでした。



5:50鳥居をくぐって平瀬道登山ルートに入ります。



歩き初めから階段状に切られた急坂を行きます。
辛抱の3キロを過ぎ大倉避難小屋までの間は爽快な稜線漫歩が楽しめます。
翡翠色に染まる白水湖がブナやダケカンバの森を抜けてはるか眼下に望めます。


御前峰と剣ヶ峰(避難小屋手前大倉山稜線から)

 

次第に高山植物が増えてきました。大倉山からはまた少し上り調子の登山道です。
カンクラ雪渓末端を渡たる登山道の土手にピンクの花邑が揺らいでいます。
ハクサンコザクラです。

足元から切れ落ちる痩せ尾根。
大木の崩落で太陽の光を存分に浴びる南の崩壊地は花たちにとっては絶好の繁栄地のようです。
見下ろす斜面は百花繚乱の花園です。カンチコウゾリナなど黄色系の花、ハクサンフーロなどピンク系の花、イブキトラノオなど白色系の花、「花の山・白山」を堪能します。


お花畑の主役はイブキトラノオ
 



カラフルな装いの登山者でいっぱいの室堂から御前峰へ、列をなしてのぼります。
石畳の登山道脇は見事なクロユリの群落です。
灌木やハイ松のそこかしこに緋色のクルマユリ、が映えます。
紫のイワキキョウにイワツメクサの白い花のコラボ、花の山白山まさにここにありです。




カンチコウゾリナ
クロユリ

イワキキョウとツメクサ

ハクサンフーロとミヤマキンポウゲ
 
 
標高順位 90位2702m

百名山  100/92座


2012-07-28~29 登山






2012年7月25日水曜日

皇海山(標高2144mすかいさん)


皇海山標高2,144mは日本百名山、栃木県日光市と群馬県沼田市との境界の山です。
銀山平から庚申山、鋸岳を経由して皇海山に至るルートと、栗原川林道からの不動沢ルートの2ルートがあリます。
今回は皇海橋まで車で入れ短時間で登ることのできる、不動沢ルートで山頂を目指しました。
山頂まで3.6Kmほどです。
ただ、栗原川林道は崖からいつ落ちてくるかわからない落石の恐怖、路面に散乱する落石、
路肩の崩落などの危険な道です。
暗くなってからの通行は困難なので林道へは朝一番に入ることにし、夜から出かけて120号線日光ロマンティック街道「白沢道の駅」で仮眠をとりました。
情報どおり栗原川林道は荒れていました。

皇海橋の駐車場から10分も歩くと不動沢の登山口です。
水量豊富な不動沢沿いに切られた登山道は心地よい沢音を聞きながら枝沢を幾度も越えて行きます。
最後の水場過ぎると傾斜のきつい灌木の悪場にロープが下がっていました。
足下が濡れていて滑り易くルートで唯一の難所です。

そこを過ぎると銀山平からのルートが合わさる県境尾根のコルに乗ります。
右に鋸山の岩稜を見て登山道を左に入ります。
リーダーに「鋸山をピストンして来ていいですよ」と言って貰ったのですが、
コウシン草が咲くころ、庚申山から上りたい思いがあり、眺めるだけにしました。

林床を笹が覆う針葉樹の尾根を最後に200m急登すると樹木に囲まれ狭い感じの皇海山山頂にでました。
山頂標識に並んで渡良瀬川水源碑が立てられていて、この山に生まれた一滴が渡良瀬遊水池を満たし大河利根川に注いでいることを初めて知ります。
展望できる山は多いようですが、樹木の間からの展望なので確認できたのは日光白根山、
太郎山、錫ヶ岳でした。


0:30白沢道の駅5:30=6:50皇海橋駐車場7:20…8:20不動沢ノコル
…9:40皇海山山頂10:00…12:00皇海橋=吹き割の滝=竜宮の湯入浴=20:00帰着

2006-10-21~22 登山

百名山100/20座

*皇海山の標高は2014年4月、国土地理院により2144mと改定されました。

2012年7月22日日曜日

八幡平(標高1614m) 東北の山旅 ④


岩手山を下山後Isannに八幡平樹海ラインを経由して八幡平を案内してもらいました。
帰りに秘湯の籐七温泉にも立ち寄って八幡平の自然を外から内から楽しみました。


山頂直ぐまで車で入れるので観光客も多いです。この日は小学生の歓声が弾けていました。



ヒナザクラが盛りでした。





八幡沼の岸辺を埋めるイワウチワ・ミヤマキンポウゲ・コバイケイソウの花穂の先に岩手山が覗いていました。

ゼンテイカが蕾をたくさんつけて、1週間もすれば高層湿原はオレンジ色に一段と華やぐことでしょう。



神の田んぼのミツガシワの花もこれからです。



まっすぐ延た木道にワタスゲが優しい風情を添えます。




ノアザミの目に染みる紫、花にふつりあいな葉っぱの棘。
知らずにに掴んで飛び上がったことがありました。



ズダヤクシュ




ミヤマキンポウゲ



サンカヨウ



ハクサンチドリ



ハクサンボウフウ
セリ科の仲間はどれも似通って見分けがつかないので困ります。
ハクサンボウフウの根はヒグマが大好物だそうです。




2012-07-11 散策
 
百名山 100/90座







2012年7月20日金曜日

東北の山旅 ③ 森吉山



ogojyoさんのリクエストで森吉山に登ります。
あいにくの雨模様、山人平の花園を抜けるヒバクラ登山ルートを予定していましたが、
ゴンドラで上り、山頂へは雨の状況によって判断しましょうということになりました。
ゴンドラを降り、小雨の中避難小屋へと歩き始めます。



ゴゼンタチバナに案内されながら進むとニッコウキスゲが登山道の両脇を飾るようになります。



ガクウラジロヨウラクが雨つゆをまとって可愛い素振です。



花びらの薄いイワカガミは雨に濡れてガラス細工のようです。
そこかしこに点在するニッコウキスゲの花畑、しっとりと落ち着いた雨の風情もいいものです。



花に誘われるまま避難小屋を通過して山頂へと足は向かいます。
チングルマがすでに翁の穂になっていました。

「熊がでたよ!」
山頂直下、登山道を横切って逃げて行ったそうです。
たじろぎますが、注意して進むことにします。
カメラを仕舞って黙々…じゃなくて、

ある~ひぃ~もりのなか~クマさんにであったぁ~♪ …どうにも気勢が上がりません。

山頂はガスで展望はありません。早々に下山にかかります。
熊が出てくることはありませんでした。ホッ!

花の百名山森吉山の花たち



ハクサンフーロ、ミヤマホツツジ、タカネコウリンカ、アカモノ(イワハゼ)


2012-07-15 登山








2012年7月19日木曜日

東北の山旅 ② 岩木山



岩木山の5つある登山ルートから弥生登山道で登り、百沢登山道を下る予定で出かける。
車を岩木山神社から20分のスキー場近くの駐車場にデポ、タクシーで弥生登山道に向かう。



歩き始めはリンゴ畑のなかの道。
摘果のタイミングのようで、李位の大きさに育った実がリンゴの木の周り一面に転がっていた。

クモキリソウ


舗装が終わるころ樹林帯のなかへと入り1合目の標柱に出合う。
沢を2本渡り右岸尾根へと取り付く。

オレンジ色に鮮やかなクルマユリが、落葉樹の林床に映える。



刈払がされた登山道は2合目から5合目あたりまで見事なブナの森を行く。
これぞ味わい歩きたかったルートと歓喜する。

4合目から傾斜を強めていた登山道は5合目を過ぎると笹がうるさい道悪となる。
しかしここは竹の子がどっさり、歩き疲れた私たちのテンションを上げるに十分だった。

7合目の標柱に齧られた跡が、熊のテリトリーに侵入したことを肌身に感じる。




周りが灌木帯になると8合目、耳成岩の下を巻いて登ると9合目の標柱のある耳成岩上部に出た。
見上げる山頂部は灌木とナンブソモソモの急斜面。
足元が下草に隠れたトラバースに難儀するが、少しの間で山頂にポンと出る。



東の一群れの山嶺は八甲田山。白神方面はガスにけむって望めない。




下山の百沢の登山道に入るとすぐ待望のミチノクコザクラとの出合い。
中にピンク色の花をつけた1株があり、さすが本家本元、初めて見る色だった。

ここより百沢ルートの雪渓下りが危うしと岳ルートに変更。
岩木スカイラインをバスで岳温泉、岩木山神社と乗り継いで
岩木山神社参道を歩いて駐車地点に戻る。

きりたんぽ鍋の待つ、秋田大舘の大葛温泉に移動する。


2012・07-14 登山

百名山 100/91座