2013年6月28日金曜日

奥羽山脈 真昼山地 真昼岳(標高1059.9m)

 
この材の組み方、巧みですね。林業健在、森も幸せですね。
秋田杉でしょうか,いい香りがします。

真昼岳は標高900mの稜線まで林道が走っていて稜線通しに上れますが、この日は生憎の雨ふり、
展望は望み薄でした。
そこで山腹の真昼ブナ林を楽しもうと標高315mの赤倉口(参拝道)から山頂を目指すことにしました。
坂上田村麻呂が奥州征伐の折、真昼をこの山の山頂で迎えたことから真昼岳と命名されたと伝えられるように、
真昼岳は信仰の山として登られたようです。
立派な鳥居をくぐって杉木立の林道を30分ほど進んだところに「真昼山登山口」の木彫りの道標がありました。



小さな沢を幾度も渡り返しながら標高600mの石台に詰めます。
ブナの森のブナたちは白い木肌に黒く光る雨筋を滴らせてそこにありました。
雨の日にこの森で繰り返される普通の光景でしょうが、私にはなんだか新鮮で美しく感じられました。
山友のB子が私のことを、雨が嫌いで雨が降ったらすぐ山を降りてしまう、と嘆いています。
ごめんねB子、雨の日でも上るよ…ブナに会えるんだったらね。




ゴゼンタチバナ
イブキトラノオ


 




サワハコベ
 
 

「真昼ブナ林」が広がる標高675mピークは北側を巻いて行くようです。
腐葉土がふかふか。ブナの森の爽やかさといったらどうでしょう!雨の日でもこれこの通り!




ヤマイワカガミ
イワカガミ

イワカガミが登山道の両脇を飾ります。ここのイワカガミは純白から紅に近いものまで楽しめます。




標高845mのヤセヅル尾根に乗ると出会いを楽しみにしていたオサバグサが咲いていました。

鹿児島から来たおごじょさんが、「九州にはオサバグサは無いのよ」といって熱心に撮影していました。




標高960mで稜線に出ると峰越口からのルートが合わさります。
帰りは峰越口へと下るのでここを後方に直進することになります。



稜線はガスで真昼岳の姿は一度も見ないまま森林限界の笹原を山頂へと辿って、一度偽ピークを越え鞍部に下って上り返したところが真昼岳山頂でした。



大国主命を祀る三輪神社奥宮鞘堂が建立されていて、その一部は避難小屋として使えるようです。
歩き始めから降ってきた雨が弱まるでもなく降り続いていたので記念写真を撮るとすぐに下山にかかりました。
どんな光景が広がっているのだろうと想像しながら、展望のない稜線を峰越峠へ歩きます。




途中の標識の立つピーク不動岳でオニアザミでしょうかチョウカイアザミによく似たアザミを見かけます。


ミヤマカラマツ
コバイケイソウが咲きたての花穂をガスの中にホワ~と浮かべる様は、微笑みかけられた気がして撮影タイムです。



峰越口へ最後の登り
ブナの森はいがったぁ~、赤倉口から上ってほんとによかった。

迎の車は、昨日の経験から遅れる場合もあることを断って了解を得ていたので、落ち着いてブナの森を堪能できました。

赤倉口はお勧めです。

赤倉口駐車場5:30…登山口6:00…7:00石台…7:17真昼ブナ林…8:24稜線分岐…8:54真昼岳山頂9:00…9:30音動岳…10:18峰越口=入浴=角館から帰郷

2013-06-18 登山





2013年6月24日月曜日

奥羽山脈真昼山地 和賀山塊 薬師岳・和賀岳


以前から気になっていた和賀岳でしたが、山の深さや熊の脅威を考えると決心がつきかねていました。
山に行けない事情が続いて行きたいと思う山を調べる日々でしたが、5月に入り友達から神室連峰縦走の誘いを受け、事情も幾分好転したことから、思い切って和賀岳・真昼岳を追加して出掛けることにしました。
入梅の空模様は気にかかりましたが、雨に洗われるブナもまた一興と痩せ我慢をすることにしました。



和賀岳の登山口は秋田県大仙市真木林道の甘露水口。
冷たくて名のごとく甘味のあるおいしい水です。“山頂でコーヒーを”の誘惑が頭をもたげ、余分に担ぎます。


チゴユリ
ユキザサ
ミヤマナルコユリ

 サンカヨウ
ヒメタケシマラン
ウワミズザクラ
 

登山道は腐葉土の適度な傾斜が足にやさしく、足元を彩る花も豊かです。



杉の植林地を過ぎるとブナとミズナラの混成林に変わりミズナラの巨木に出会いました。
直太郎と名前の付いたブナの巨木があるそうですが、プラスチックのプレートを銜えたこの木が直太郎でしょうか!

滝倉で小さい沢を渡ると傾斜がついてやがて登山道は九十九折に、これまでのブナ占有林に変わって
ダケカンバなど矮小木が目立つようになります。



イワカガミやマイヅルソウといった高山植物も現れ、頻繁に撮影タイムです。



主稜線に出て薬師岳が初めて顔を見せますが、すぐにガスに隠れてしまいました。
前二日間の神室連峰では展望のない稜線歩きに終始したので、せめて今日はの願い・・・。
30分の予定オーバーで薬師岳山頂に9:00到着。
薬師平のニッコウキスゲはまだ固い蕾。
それでも気の早い一株がオレンジ色の一輪を咲かせて待っていてくれました。(復路にて撮影)



気温が上昇しているようで残雪からの上昇気流が展望を奪います。
道草をそそのかすミネザクラやシラネアオイ、スミレサイシン、コバイケイソウ、チングルマといった豊富な高山植物に和賀岳へなかなか届きません。
下山口に14:30と約束して車を頼んであるので気のもめるところです。



遅くまで雪が残っていたのでしょう、ミツバオウレンやチングルマ、イワイチョウが咲き始めていました。



山頂間近になってからガスがスーッと切れていき、展望が広がり初めました。



 
山頂北面と西面を埋めるニッコウキスゲはまだ蕾もわずかしか育っていません。
開花まではまだ1か月程かかるのでしょうか。



 
岩手山、秋田駒ヶ岳、神室連峰、真昼山地の広がる展望、ひときわ目を引くあの鋭鋒は羽後朝日岳。
羽後朝日岳ですかぁ・・・白岩岳、羽後朝日岳と北上する山稜に日本一のブナをはじめとしてクリ、ミズナラ
といった巨木があるのだそうです。




山頂まで折角担いできた甘露水ですが、コーヒーは時間がないからとコッッフェルを上げてくれたBBちゃんに断わられます。
それはないでしょう、ケーキもあるのだから…懇願してやっと熱いコーヒを淹れてもらえました。
おかげで下山は途中から一人先行して駆け下る羽目に。




往路ではガスの中だった展望がすっきり、美しいシャチ模様を眺めます。
手前から小杉山、小鷲倉、和賀岳。




薬師岳の左に明日上る真昼岳や昨日歩いた神室連峰が見えてきました。


シラネアオイ

この色のシラネアオイが好き

 
ナエバキスミレ

ハクサンチドリ 
アカモノ
スミレサイシン


和賀岳に登ってみて、上る以前に増して興味尽きない山塊であることを知りました。
またいつの日か訪れることができたらいいなと静かな展望に夢をはせました。


甘露水6:05…6:40ブナ平6:45…滝倉7:10…8:55薬師岳9:05…9:42小杉分岐9:50
 …10:24小鷲倉10:30…11:00和賀岳山頂11:30…14:30甘露水駐車場15:10=宿

2013-06-17 登山

二百名山100/65座