2013年6月3日月曜日

頸城山地 雨飾山(南稜)


今期は一度も出番のなかった冬靴、淋しく片付けようとしていたその時、
「雨飾山の南稜に行きませんか?」とお誘いが入りました。行きますと答えます。



ブナの森の雪の台地にB.Cを張って、翌朝6:00に出発です。
昨日僅か1時間30分の距離なのにバテそうだった60Lのザック、きょうは空身です。
ロープやツェルトは仲間が持ってくれて我が身だけを運べばいいわけで…すみません!



ブナの森を詰めて南稜線に出ると雪は雪田と雪庇に残る程度で藪が顔を出していました。
ダケカンバはまだ芽吹く前の裸の枝を青空に高く差しだしています。



一時間でP2に到着、左手に白く輝く後立山の峰々が、右手は大好きな頸城の山々が圧巻です。





 
藪と雪庇を踏んでいくと次々とスプリングエフェメラルが咲いていました。
 


おなじみのハクサンイチゲが早々と咲いていました。今年はお初です。



イワハタザオも瑞々しい集花、太陽をさんさんと浴びてまぶしい白さです。


 


笹や灌木の藪はうるさいのですが、ナイフリッジはその藪を掴んで越えて行きます。
2時間で左岩峰の手前、雪庇を被ったトマの左岩峰に着きました。
眼前の左岩峰はさすがにどこが登れるのと思わせる厳めしさで屹立しています。




雪庇を踏んで馬の背の藪を分け左岸峰基部に降り立つと、残置のロープが垂れ下がっていました。
登攀リーダーのYさんが50メートルロープを2本引いて登っていきます。
コールがあってセカンドが上り、残る2人は末端で同時に引いて貰い、2ピッチで稜線に出ました。



”あぁ!” また会えたね。
右手に荒菅沢上部の大雪渓、その奥に天狗原山と金山、金山の左に焼山も頭を出しています。




火打山・妙高山の2つ並んだ山容が対照的です。



 
山頂直下の笹藪に鶯の巣があったようで、せわしなく鳴き立てる親鳥の悲鳴に追われるように
藪を漕ぐと雨飾山南峰山頂に飛び出しました。
ちょうど登山道を登ってきた地元の人に記念写真を撮って貰います。



荒菅沢源頭  下山はここから右に雪渓を下る。

岩菅沢の下りです。源頭部の震えが来そうな傾斜は一歩がなかなか出ません。
最初に降りて行くYさんの後から後ろ向きでYさんの踏み跡をトレースしながら慎重に下ります。



布団菱岩峰群を左右に眺め始める頃から傾斜は緩んできましたが、雪面に落石が多くなります。
視線の先の天狗原山と金山に向かって下りていきます。



 
岩菅沢を横切る登山道の赤いベンガラがはるか下の方に見えてきました。
登山道に降りないでそのまま沢に沿って尾根をトラバースするとB.Cのはずでしたが見込み違いでした。




改めて懸垂下降で登山道に降りてB.Cに戻り、テント撤収、昨日よりずいぶん軽くなったザックを背負って下山です。
湿原の登山道にミズバショウが咲き始めました。




今日は登山口からなお林道を1時間30分歩いた小谷温泉に宿泊予定です。
仲間が目ざとく軽トラックを見つけて交渉します。あっさりOK、軽トラ初体験でした。

小谷温泉山田旅館は古い歴史があるようで、鄙びた温泉宿のぬくもりが感じられる宿でした。
翌日バスと電車を乗り継いで最速で15時30分、自宅に戻りました。



05/31八王子8:03(あずさ3号)=11:48南小谷(タクシー)=雨飾りキャンプ場登山口13:00
    …14:30幕営地

06/01幕営地6:00…6:45稜線…7:00P27:10…7:56トマの左岸峰8:10
    …8:28左岸峰取り付き…9:14左岸峰上部…9:47P1…10:22雨飾山山頂10:35
 
    …11:00岩菅沢源頭…12:45岩峰群…13:15懸垂地点…13:35登山道に合流
    …14:30テント撤収15:00…15:45キャンプ場登山口16:00(軽トラ)=16:30山田旅館

06/02山田旅館8:44(バス)=9:20南小谷9:48=11:48松本12:00(あずさ)=14:14八王子 


2013-05/31~06/02 登山



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