2013年2月10日日曜日

槍ヶ岳北鎌尾根 (標高3180m)

初日・二日目
5:00中房温泉を出発、ゆっくりした足運びで合戦小屋まで楽に登る。
早速名物のスイカをいただく、美味しいこと百人力。
稜線に登った真先に飛び込んできた槍ヶ岳。
穂先に薄絹のようなガスがたなびき、流れては包んでまるで穂先をもてあそぶかのよう。

北鎌尾根はノコギリ歯の尖った頂稜を連ねて北東に延びている。
不安定な天気を考慮して北鎌沢出合での幕営予定を大天井小屋泊まりに変更。
直後に大雨に見舞われ夜間には風速10㍍の風が吹き荒れたのだから助かった。

登山口駐車場で幕営
登山口5:00…合戦小屋8:45…10:10燕山荘10:25…14:30大天井ヒュッテ

三日目

天井沢出合にて

心配は、天井沢の増水。
単独行の写真家は小屋のオーナーに勧められ東鎌尾根に回るとのこと。
私たちパーティは小雨をついてとりあえず天井沢出合まで行くことにした。
虫の大群に刺されながら足場を確かめ落石や転倒に注意して貧乏沢を下る。


「増水してないよ!」「ほんと?」「ほんとだ!」「行くでしょう!?」
「コーヒー飲みますか?」一杯のコーヒーで心と体に勇気が満ち、ルンルンに足が進みます。

 ケルンが三つ積まれたところが北鎌沢出合。
沢水をピチャピチャ蹴って北鎌沢を右.右と辿り最後の二股を左に進み草付きを抜けると北鎌沢のコルに出た。
右俣と左俣の出会いで水を補給。コル近くまで水はあるとの情報を得てはいたが確実に汲んでおきたい。
実際H2180㍍くらいまで水はあった。北鎌沢のコル14:00、幕営。
私達4人用のテントと後から来た5人パーティの二張りが限度の幕営地。

小屋5:50…貧乏沢分岐6:11…貧乏沢…8:55天井沢出合9:35…10:00北鎌沢出合
      …11:30北鎌沢右俣11:45…14:00北鎌沢のコル(テント泊)


四日目
ヘッドライトを必要としない明るさになるまで待って出発。
ぐんぐん高度を稼ぎ硫黄岳の鉄色の山肌をそばに見て、雲海に屹立する剣や鹿島槍を展望しながら上る。
ピーク8天狗の腰掛に座わると、目の前に大きくそびえる独標。
雲海に浮かぶ笠ケ岳も素晴らしい。
ここで最初のロープを出して半マストの懸垂下降。
いよいよ険しい岩稜帯に踏み込む。
独標は巻き道を行く。

出張った岩が行く手を阻みザックの背半分が
千丈沢側にはみだす荒ごと。
脆い岩場は浮石に注意しながら淡々と進む。

稜線上の小ピークで休憩。
仰ぎ見る槍ヶ岳の迫力に圧倒される。
しかし槍ヶ岳はすこぶる御機嫌良さそう。
小槍もなかなかの迫力でガスを被って露払いする姿が頼もしい。

眺めは360度。
右手に鞍部に建つ三俣蓮華小屋がみえ、左前方に前穂北尾根・前穂・奥穂の岩峰が現しこちらも猛々しく美しい。

稜線通しアップダウンを繰り返して、這松の尾根に幾つか幕営地を確認して進むと、踏跡はやがて岩の間を下っていく。
残置ロープが下がっていたがザレた足元がいやらしく慎重に下る。
小鞍部にトラバース気味に上り、ピーク14への上り返しでロープを出す。
現場で初めてマッシャーを使う。
練習どおりの使い勝手で迅速にできた。
ピーク15はトラバースして巻いて行く。


稜線に出てからずっと気にかけていた北鎌平に12:00到着。
大休止。
大きくそびえ立つ槍ヶ岳をバックに写真を何枚も撮る。
もう頂上は近い。最後の上りにエネルギー補給。



山頂直下、チムニーを跨ぎ凹角を右に抜けるとそこは祠の裏、槍ヶ岳山頂だった。
居合わせた登山者から拍手を貰って、感慨ひとしお、いい山でした。

大槍ヒュッテに宿泊、翌日下山する。

幕場4:50…1P5:10~5:20…2P6:05~6:10…3P6:55~7:05…4P…5P8:40~8:50
   …6P9:40~9:50
   …7P10:45~10:55…8P12:00北鎌平…9P13:05~13:15
   …14:00槍ヶ岳山頂14:05
   …15:00大槍ヒュッテヒュッテ(泊)



2008-08-18~22 登山




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