北から東に下りる檜尾尾根、尾根の右端の平坦部にかすかに檜尾避難小屋の赤い屋根が見える。 |
木曽駒カールの観光客に混じり満員のバスに乗ります。
ロープウエイだと7分で稜線に着きますが、きょうは檜尾尾根を7時間かけて上るのです。
雑木の樹林に切られた歩きやすい道を赤抜沢ノ頭まで登ると空木岳や大田切本谷が望まれるようになります。
2,500mで森林限界を過ぎると檜尾岳、三ノ沢岳、空木岳のすっきりと降って湧いたような展望が広がります。
登山道の水場標識からガレた沢を30m下った辺り、か細い水源から7分粘って2Lの水を汲みました。
檜尾岳避難小屋はドーム型の赤い屋根の可愛い建物が大小2つ並んでいました。
宿泊棟と小さい方はトイレのようです。
手入れが行き届いた室内は10畳ほど、シュラフが壁に10個下げられ厚手のマットも
常備されています。今日はこの快適空間を貸切のようです。
窓に赤い色が映って空が焼け始めたらしく慌てて外に出ます。
空木岳は黒褐色に夜の帳を下ろし始め、西空が瞬く間にワインレッドに焼けてきました。
“秋の夕焼け鎌を研げ” 明日はきっと天気だよ!
10/22
周囲が白んでから出発です。
旧小屋跡の肩の台地から急斜面をジグを切って登ると10分で檜尾岳山頂です。
標高2728m、山々はいまだ覚めやらず褐色に沈んでいます。
西空に御嶽山が存在感あるグレーの山体を浮かばせています。
花崗岩の奇岩と細かいアップダウンを繰り返して山頂に大岩がデンと並ぶ熊沢岳.標高2778mに到着です。
北の横並びは木曽駒・宝剣・三ノ沢岳、南は空木岳と南駒ケ岳。
東川岳.標高2671mを一気に標高180mの急降下で木曽殿越着。
営業を終えた木曽殿山荘で、飯島町の中小川ルートを上って来た単独行者とスライドします。
中小川ルートは林道に大石が崩落して通行できないはずでは?
通行できると教えて貰ったのですが、実は林道より中小川ルートの方が難関だったとは…
彼も触れず、私もルート情報の確認まで気が回らずに聞きませんでした。
はたして一年後の山行で仰天することに!
木曽殿越からの空木岳は出だしは左が切れ落ちた急勾配、山頂まで標高差370mを上ります。
岩のオブジェが楽しいのぼりです。
岩の間を縫うように鎖場や鉄の足場を登っていくと待望の空木岳山頂にでました。
あれが八ヶ岳で甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳、こっちは北アルプスに南木曽岳・経ヶ岳などと、
伊那の在で空木岳日帰りのこの男性と一緒に山座同定です。
きょうは新池山小屋に泊まるので池山尾根を下ります。
駒峰ヒュッテから空木岳避難小屋のある空木平を通るルートと駒石を通るルートに分かれて先でまた合流します。
私たちは見晴らしの良い尾根道を四角い大岩に駒の形に亀裂が入った駒石を見て下ります。
登山道はいつしか樹林帯に入り、ヨナ沢の頭を過ぎ「迷い尾根の頭」の看板を見ると、小地獄と大地獄の危険地帯に入り梯子や鎖を慎重に越していきます。
新池山小屋 |
広場にも湧水が引いてあり、溢れる水に山旅の疲れを流します。
フロアーに横になると、昨日泊まった檜尾岳が大きな透明ガラスの窓から眺められ、夕べのことなのになんだかもっと以前のことだったような気分がして懐かしくさえ感じられます。
帰るだけなので朝はゆっくり出発してお世話になった園地を散策します。
遊歩道を池山野生動物観察棟や金色の落葉を降らせるカラマツ林を巡りがてら管ノ台バスセンターに戻りました。
1日目 自宅5:00=8:20管ノ台バスセンター8:41
=9:07檜尾橋…11:26赤沢ノ頭11:32…13:42梯子ダル鞍部…小檜尾岳
…15:08水場15:15…15:35檜尾岳避難小屋
2日目 檜尾避難小屋5:30…5:41檜尾岳6:00…7:40熊沢岳7:55…9:37東川岳
…10:04基礎殿山荘10:20…11:33第Ⅰピーク
…12:20空木岳12:30…14:47ヨナ沢の頭14:35…15:30マセナギ
…16:10新池山小屋
3日目 新池山小屋6:45…7:10池山…鷹打場…7:40野鳥観察小舎
…9:15管ノ台バスセンター9:30…13:30帰宅
2009-10-22~23 登山
標高順位 41位空木岳2864m/69位熊沢岳2778m
85位檜尾岳2728m/97位東川岳2671m
百名山 空木岳100/65座
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