2013年2月10日日曜日

残雪の立山・真砂岳・別山・剣岳 縦走 


夏の日差に白銀に輝く室堂、一ノ越まで上ると我慢できず上着を脱ぐ。
誰もいない雄山、祈祷料500円をスルーして雄山神社の頂上宮まで上る。
アルプスの名峰に混じって浅間山が美しい。
天然記念物の山崎カールを山腹に抱える雄山。頂稜下を大汝山に向かう。

最高峰の大汝山は登山道からわずかに大岩を乗り越していく。
高さ2m程の大岩の上に山頂標が据えてあり大岩に登らないとタッチできない。
閉まった茶店の横に降りて来て、富士ノ折立・真砂岳の登山道に戻る。

富士ノ折立から一旦下ってピーク2,860に登り返すと富士ノ折立の岩尾根とは
一変して象の背中のような真砂岳のおおらかな稜線にでる。
稜線から10分東に下ったところに内蔵助山荘があり、黒部ダムから内蔵助谷を登ってくる登山道が拓かれている。
素晴らしいという人がいていつか辿ってみたいと思いながら果たせずにいる。

真砂岳から標高を110m下った真砂岳乗越から120m上り返すと別山に着く。
別山は雄山、浄土山と並び立山三山として立山信仰や遥拝登山が行われた。
一ノ越、雄山、大汝山、真砂岳を経て剣岳の展望台別山北峰に立ち寄る。
北峰から剣沢を隔てて眺める剣岳は格別。時のたつのを忘れてしまった。

所々に残雪を纏う剣岳の黒々とした岩峰が圧倒的な迫力で飛び込んでくる。
明日は剣岳に登る。

山嶺に雲湧き雲切れる様を飽かず眺め、14時30分剣御前小舎に入る。
 

快晴のようだ。4時45分小舎を発つ。冬道沿いに雪渓を下り、
雪崩による圧雪被害で6月まで休業の剣沢小屋を後に雪渓を登り返して、
同じ被害で今季の営業を断念した剣山荘の上の這松帯で朝食をとる。
熱いス-プをつくりフーフー冷ましながら飲むうちに心も体も高揚してくる。
夏道の半分以上は雪に埋もれ、踏み跡はあるものの雪の状態は悪い。


クレバスが随所に不気味な深淵を覗かせている。
とうとう平蔵谷の源頭で大きなシュルンドに捉まってしまう。
呼吸が苦しいほどの緊張に襲われるが先に進むより他に方法はなく、
焦るな慎重にといい聞かせながら確実に確実に1歩を刻んで渡り終える。
ガタガタと震えが来てへたり込みたいほどの疲労を感じるが、
脳が状況を把握していて緊張を切らしたらおしまいと訴えてくる。

早月尾根からの登山道を合わせると厳しい試練から嘘のように解放される。
直ぐに剣岳山頂に飛び出した。
槍に穂高、白馬に鹿島槍、針の木、黒部五郎、薬師も毛勝もアルプスの名山にぐるり取り囲まれた。
なんといったらいいの、ことばがみつからない。夢心地に酔いしれる。

緩んだ雪、下山をどうするか。
体力勝負にかけて9時40分長次郎谷を下ることにする。
本峰から長次郎雪渓に降り立つ際に難儀したが、雪渓自体は締まってクレバスも穏やかだった。
難所の熊の岩に落石なく通過する。
真砂沢出合でラーメンに餅を入れてカロリー補給。
標高差800mの剣沢雪渓を剣御前小舎に登る。
15時15分、室堂に下れない時間ではなかったが、休みたいという気持ちが勝って剣御前小舎に泊まった。

翌朝は夜からの風雪が止まず、小舎直下の急斜面はカチカチに凍り室堂までのわずかな道のりが辛かった。
初めての剣岳、厳しかった。素晴らしかった。
山の力をつけてまた上りたい。


2006-06-07~09  登山

標高順位 20位 立山3015m/22位剣岳2999m
     
     37位別山2880m/43位真砂岳2861m

百名山  立山100/12座  ,  剣岳100/13座










 

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