2014年1月22日水曜日

八ヶ岳 権現岳{東峰2715m、西峰2700m}

観音平から東に三味線滝方面に延びる遊歩道に入ります。
樹林の中の笹の道を古杣川の堰堤まで一旦下って急傾斜の左岸尾根を登り返すと、アトノ尾根の基部を回り込む平坦なトラバース道になりすぐに三ッ頭登山口からの小泉ルートに出合いました。

もう1本東の大泉ルートに比べると小泉ルートを歩く人は少ないようで登山道の笹が伸びていました。
延命水への道を左に分けて苔むした露岩が目を引く自然林を進み、樹木が育って展望台とは名ばかりの早乙女河原展望台を見送ると、笹すべりの急登が始まりました。
ガスが古杣川の深い谷筋から上ってきて辺りを幻想的に包みます。
笹の下草の中にジグザグに切られた登山道は、まっこと息が切れました。
ダケカンバやシラビソの灌木帯を抜けた砂礫地の一角、
ヘリポートで漸く視界が開けて一息入れます。

再びシラベやコメツガの樹林帯に入って標高差130mを上ると木戸口の指導標、
大きなダケカンバが目立つ小ピークで、花の時期はお花畑になるようです。
木戸口から先は尾根が狭まって岩場も現れます。
三ッ頭0.5Kmの指導標を過ぎると標高2560mで大泉ルート(天女山)に合流、
一登りで三ッ岳山頂に到着しました。

正面に山頂部が左右に切れ落ちて尖った権現岳を望みます。
山頂へと続く急斜面の登山道も見えていますが、ここからはまだありますね。
右の阿弥陀岳や赤岳方面はガスが出て…見る間に権現岳の方まで流れてきました。
稜線の東側を上手い具合にガスに削られた権現岳は見えないことが迫力を生み、
さっきより大迫力で迫ってきます。

三ッ岳山頂からハイマツ帯を鞍部に下り、次のピークを巻いて鞍部の岩稜帯を進みます。
ザレ場を登って短い鎖で岩場を越えるとそそり立つ岩壁の下に立ちました。
岩壁を巻いて出てきた長い鎖で岩稜を登ったところが頂上基部でした。
岩峰左の岩を5・6m登ると石のほこらが祀られ、岩峰の頂には鉾が奉納されていました。
赤岳や阿弥陀岳にはガスがかかったり切れたりの繰り返しです。
富士山は朝からよく見えていましたが、南アルプスの北岳、甲斐駒ケ岳や仙丈岳も望めます。

岩峰の基部に降りて八ヶ岳主稜の縦走路を分けて左に権現小屋に下ります。
小屋には歩荷中の張り紙がありましたが、小屋の戸は開きました。
中をのぞくとやっぱり留守でしたが、展望室(扉に書いてありました)を拝借しました。
扉を開けて、なるほど合点がいきました。
赤岳が額縁に入れたかのように目の前のガラス窓にぴったり収まっていたのです。
ただ崖上に小屋を被せただけ(?)の造りですから、崖下から吹き上げる風が強すぎて、巻き上がるような恐怖を覚えて、赤岳の展望を眺めただけで出てきました。

心配したギボシ(西峰)の下りでしたが、長い鎖を頼りに無事しのげました。
ノロシバから振り返るギボシ岩壁には肝を冷やし、
巻道とはいえあそこから下りてきたのかと相棒と頷き合いました。

コルの青年小屋の赤い屋根がみえています。今日はあの小屋にお世話になります。
終盤の鎖場は特に注意をはらって岩稜を抜け、ハイマツの礫地を辿り、低い木立を抜けると青年小屋に着きました。

翌日は雨になり、編笠山の展望は望めないので巻道で押出川に出て、
観音平に下りました。


9/28 観音平…0:35…十字路…45…早乙女河原展望台の標識…1:00…ヘリポート…0:20…木戸口…1:10…三ツ頭…1:00…権現岳…1:15…青年小屋

9/29 青年小屋…50…押出川…1:10…観音平

標高順位 権現岳88位

2008‐09-28~29 登山


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