西の穂高連峰や槍ヶ岳のガスはなかなか切れません。
そればかりか北鎌尾根にもガスがかかり始めて状況の好転は望み薄のようです。
振り返る西岳と北鎌尾根の間から赤みを帯びた山容をのぞかせるのは水晶岳でしょうか。
赤沢山に上る人は他になく独り占めの稜線漫歩です。
不遇の山、南北に長い赤沢山の山頂からの眺めは360度です。惜しむらくは槍の穂先を隠すガスが消えてくれたら。
山頂には三等三角点が置かれ、かつては山頂標識もあったようで、支柱だけが残っていました。
このケルンはいつ誰が積んだのでしょうか!
槍ヶ岳に登った仲間は今どの辺りでしょうか、本来ならば正面に槍の穂先が見えるはずです。
仲間に手を振りたかったのに、見えない山頂に向かっては不思議と手を振る気になれません。
待っても晴れないガスにしびれを切らして下山することにします。
往復2時間かかりました。
立木やトラロープの補助があって幸いロープは使用せずに済みました。
ハイマツに覆われてはいますが、丁寧に探せば地形の弱点をついた踏み分けがあります。
取り付きの岩から一旦左に進んで1つ目の崩壊地の左端を下降、崩壊地の下部で大岩を右に回り込んで
さらに右にトラバースして右の尾根に乗ります。
尾根を外さないように急降下して鞍部に出ます。
小岩峰を右から巻いて大崩壊地の尾根上に上り、さらに尾根通しに上ると赤沢山稜線にポンと出ます。
普段、読図でバリエーションルートを経験していれば「案ずるより産むが易し」かもしれません。
しかしルーファイを間違えると厳しいことになるようで、ガレ場のトラバースを強いられた先達の記録がありました。
また自然条件や体調・経験によって難易度は変わりますから、実行には慎重な判断が必要です。
最初から最後まで緊張を切らすことのできない登山でした。
ただこの緊張がこの山の醍醐味ともいえますので、赤沢山登山は特別自己責任を伴います。
08/19 10:30上高地…河童橋10:40…徳沢12:50…一の俣15:10…槍沢ロッジ(宿泊)
08/20 槍沢ロッジ5:15…6:15大曲6:20…7:20水俣乗越7:25…ヒュッテ西岳8:38…
2686ピーク8:57…9:09一つ目の崩壊地…二つ目の崩壊地上部トラバース9:14
9:17尾根の急下降…鞍部9:23…9:24常念岳の展望…9:28瘤の岩頭を巻く
…三つ目の崩壊地の上部尾根9:33…赤沢山の上り…9:43赤沢山稜線…9:55赤沢山山頂10:10
…10:55赤沢山下山2686ピーク…11:04ヒュッテ西岳…11:37赤岩岳直下登山道11:45
…12:05赤岩岳山頂12:15…12:25喜作新道…12:43ライチョウの親子12:51
…13:20西岳山頂13:30…14:28水俣乗越…15:10大曲15:25(槍ケ岳組とバッタリ遭遇)
…16:10槍沢ロッジ(宿泊)
08/21 槍沢ロッジ5:45…6:13二の俣…6:20落石注意箇所…8:08穂高岳展望…8:50徳沢9:00
…古池…9:30ハンドパワー…11:20河童橋…11:45バス=沢渡=入浴=奈川(そば)=自宅
つづく
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