赤岩岳に上っても往復2時間とみて、明るいうちに槍沢ロッジまで戻れそうです。
喜作新道を北上して先ず赤岩岳の取り付きを見極めなければなりません。
地形図と実際の地形から赤岩岳を特定、取り付きはここら辺りと見当をつけますが、
確実を期すために先達のブログにあった赤岩岳の標識を確かめに先に進みます。
いくらも行かないうちに大学生のパーティと出会いました。
すれ違いの間に「あの~赤岩岳の標識は確認されましたか?」と思い切って彼らに聞いてみました。
「30mくらい手前にありましたよ。」
「やった~」思わず洩れた感嘆に、「どうしました?」と聞き返されます。
「赤岩岳を探しています。」と先頭の彼に答えると、最後尾にいた別の彼が、
「あれが赤岩岳だよ」と私が目星をつけたピークを指さしました。
標識を確認するまでもなく学生さんとの会話で赤岩岳が特定できましたが、赤岩岳の写真を撮り忘れたことに気づきました。
戻った位置からだと赤岩岳山頂は、草付きの奥に隠れてしまって見えないのです。
稜線右のダケカンバと左のダケカンバの間のこんもりした部分がそれらしいのです。
直下の登山道から改めて山腹を見上げながら、どこを上ったものかなかなか決心がつきません。
草付きの傾斜は急で、真下を登山道が通っているので落石は厳禁です。
結局植生に影響の少ない石棚になったところから、往来のないのを確かめて空身で這い登りはじめましたが、
中間部のザレが滑りやすく落石を起こす危険もあるので左のハイマツと灌木の茂みに逃げ込みました。
そこには人が歩いてる形跡がありました。
三等三角点が立つ山頂は崩壊途上のようです。
ネットで赤岩岳の倒れた三角点の写真を見ていたのですが、誰かが起こしてくれたようです。
北鎌尾根を正面に望んでも、槍の穂先をかくす芸のないガスの湧き方では迫力を欠きます。
これから向かう西岳を北側から眺めます。
奥に南岳の天狗原が見えていますが稜線のガスは相変わらずべったりと動きのない風情なしです。
裏銀座の山並みを眺めます。
鷲羽岳やワリモ岳の辺りに雲がかかりはじめていますが水晶岳~野口五郎岳~三ツ岳~烏帽子岳が連なり、烏帽子岳の後に雲を被った立山と剣岳も見えています。
短時間の登下降にしては疲れました。
帰路、横尾の「遭難事故の掲示板」に《赤岩岳滑落》の書き込みがありましたが、さもありなん、一歩間違えば危険なところです。
登山道に降り立つと常念岳が大きく立派です。一瞬、やっぱりピークハンとより縦走の方が楽しそう・なぁ~んてね。
ハクサンフーロ、シナノオトギリ、ミヤマコゴメグサ、ヨツバシオガマ、ウメバチソウ、エゾシオガマ、ミヤマママコナなど
まだまだ元気な高山植物が縦走路を飾ります。
雷鳥の親子が出てきてくれました。2羽の子供の様子を見ている母さんの優しげなまなざしがいいですね。
逃げようとしないので少し離れた石に腰を下ろし親子を眺めて寛ぎました。
縦走路からヒュッテ西岳の赤い屋根が見えます。
張り出した尾根の南端に赤沢山、奥には涸沢カールの雪渓も望めます。
西岳ヒュッテの手前から登山道をきょう最後の一座西岳に上ります。
常念岳の上空に雲が出てきました。穂高連峰や槍ケ岳はガスが一段と濃くなったようです。
雨を覚悟で下りにつきましたが、降られることもなく槍沢大曲りまで下りてきました。
丁度その時、槍ヶ岳に上った仲間の姿が、グッドタイミングの遭遇、互いの労をねぎらう嬉しい再会でした。
三日目、槍沢ロッジからの下山は、油断は厳禁ですが気分的にはリラックスできます。
周りの景色をゆっくり楽しむことができました。
「落石注意」と槍沢ロッジに掲示があった箇所を慎重に急いで通過します。
オタカラコウの蜜を吸っていたこの蝶はオオムラサキと思って写したけれど、違うようです。
大型の蝶ですが、オオイチモンジ蝶?いや違う、メスグロヒョウモンの雌?
最後までガスは切れませんでした。
2014/08/19 10:30上高地…河童橋10:40…徳沢12:50…一の俣15:10…槍沢ロッジ(宿泊)
08/20 槍沢ロッジ5:15…6:15大曲り6:20…7:20水俣乗越7:25…ヒュッテ西岳8:38
…2686ピーク8:57…9:09一つ目の崩壊地…二つ目の崩壊地上部トラバース9:14
…9:17尾根の急下降…鞍部9:23…9:24常念岳の展望…9:28瘤の岩頭を巻く
…三つ目の崩壊地の上部尾根9:33…赤沢山の上り…9:43赤沢山稜線…9:55赤沢山山頂10:10
…10:55赤沢山下山2686ピーク…11:04ヒュッテ西岳…11:37赤岩岳直下登山道11:45
…12:05赤岩岳山頂12:15…12:25喜作新道…12:43ライチョウの親子12:51
…13:20西岳山頂13:30…14:28水俣乗越…15:10大曲15:25…16:10槍沢ロッジ(宿泊)
08/21 槍沢ロッジ5:45…6:13二の俣…6:20落石注意箇所…8:08穂高岳展望…8:50徳沢9:00
…古池…9:30ハンドパワー…11:20河童橋…11:45バス=沢渡=入浴=奈川(そば)=自宅
0 件のコメント:
コメントを投稿