鍋割山山頂まで後沢右岸尾根経由で2時間10分、近頃はゆっくりペースが板につきました。
ゴミだと思って掴んだら、腰に手を回して掴んでギャーオ。
山ビルが2匹も…ヒルはついても肝心の運は?
山頂を北にオガラ沢ノ頭へと下ります。
オガラ沢ノ頭は鍋割山北尾根、オガラ沢左岸尾根、鉄砲沢右岸尾根、ユーシンなど経路の十字路です。
山頂の立木に赤いペンキで「←沢道」と示された北西の痩尾根、鉄砲沢右岸尾根に入ります。
急な傾斜を立木を手掛かりに下ると、厄介な白ザレのトラバース。
白ザレはこの尾根の特徴で見た目は美しいのですが滑りやすいので要注意です。
ある時は苔の回廊を歩くよう、またある時はロープを必要とし、地形は複雑、
これ程変化に富んで楽しいルートはないのですが、果たして今日も痛い目に遭いました。
オガラ沢ノ頭から地形図に顕著な3つ目の1000mピークで腹ごしらえをします。
このピークには左折するべきところを直進してルートロス、引き返した苦い思い出があります。
それだけに気をつけていたのですが、
どうも歩いている感じと地形図が一致しないように思えてコンパスを確認しますが方向は合っています。
地形図に表れない細かい尾根があるのだろうと自らに言い聞かせて、コンパスの示す方向に下降しました。
この時のことを今振り返ると、私は記憶違いをしていました。
「苔がきれいな痩尾根=苔の回廊」は1000mピークの先にあると思っていたのですが、
実際には1000mピークの手前にあり、既に通過していたのでした。
それなのに「なぜ苔の回廊が現れないのだろう」「コンパスの示す方向は合っているのに」
という疑問で違った尾根を歩いているような気になって、落ち着けませんでした。
結局20分余り下降したところで、起点のピークに引き返すことにします。
ところがピークに乗る手前で左に出る尾根を見つけます。
引き返した理由が「目的の尾根より一本右に出たようだから引き返して、左に出る尾根を探す」
ということだったので、逡巡したものの、この尾根を行くことにします。
ピークはすぐそこだというのに、急傾斜の登り返しが面倒で、
この尾根で大体よさそうと見切りをつけたのでしたが、後悔しています。
こういう場面でおろそかにしないのが読図の基本なのですが・・・。
こうして選択した尾根は、鉄砲沢右岸尾根から鉄砲沢に落ちる枝尾根でした。
「迷った時は沢に降りない」という鉄則を破って沢に降りる決断をします。
再びの登り返しを嫌ったことと、沢下降にきょうの装備でまにあうとの判断がありました。
鉄砲沢はメンバーの誰もが初めてでした。
下降点は穏やかな流れでしたが、両岸の側壁が急峻に狭まって樋状に掘れた流れに変わりました。
4m程先までしか見えないところをみるとその先は滝がかかっているようです。
登山靴を濡らしたくないので樋の水流際に足をかけようとした刹那ヌルッときてこれはいかん。
慌てて、フリクションの利くΣズックに履き替えます。
2mから3mの滝が連続しますが、最初に「滑る」という印象を植え付けられたので、
苔のついた滝のクライムダウンや高巻は避けて懸垂下降を多用しました。
倒木のかかる4mの滝も懸垂下降しますが、切り立った側壁には支点になるような木も乏しく、
倒木(時には石を)を使ったので、シュリンゲは回収できずに残置しました。
滝はほとんどが釜を持っていて1.5mの滝といえども結構深く、ざぶんと飛び込むには躊躇されました。
ブログで見聞きする取水口のある堰堤。
きょうの予定では鉄砲沢右岸尾根を下降したのち左岸尾根に上り返して寄大橋に下山するでしたが、
沢の下降は思った以上に時間がかかりました。
隠れた美渓 鉄砲沢「石英閃緑岩」の滑滝を堪能したところで終わりにして、雨山峠にエスケープしました。
捲土重来!
2014-07-02 登山
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