隣のテントの物音で目覚めるとまだ3:00、3:30までまんじりします。
お隣さんは4:00に出発して行き、私たちは5:00を過ぎました。
晴天のはずだったのに…濡れごろのこぬか雨に今日も合羽を着てのスタートです。
最初のピーク南岳(1459m)は根張りとハイマツがうるさい稜線に強風が吹き付け、気が抜けませんでした。
南岳山頂を過ぎ、砂礫地に入るとお目当ての「シレトコスミレ」が咲いていました。
時期的に遅いので出会えないかもしれないと半分諦めていたので、ひとしおに嬉しい出会いです!
知円別平のチングルマロードはふわふわと夢心地。
立ち止まらずこののままずっと歩き続けたい、写真を一枚だけとって、すぐに歩き始めます。
心にしみる遊歩道です。
コマクサが一輪だけ咲いていました。
尾根から雪渓に出たところで、ホワイトアウトも重なって第二前衛峰の肩への道を見失い、ルートファインディング。
ガスの間隙をぬって、雪渓の傾斜の緩いところを選んで横切った対岸には道が見当たりません。
そのまま雪渓の縁の草付きを這い上ると、夏道が見つかりました。
雪渓は斜上しながら対岸に渡るが正解のようですが、斜度がきついのでこの時期はアイゼンがあると安全でしょう。
短い雪渓を渡ると、いよいよ硫黄山本峰の基部に出ました。
前衛峰に四ツの火口と外輪山、雪渓、高山植物と多様な自然に富む硫黄山です。
硫黄山本峰は岩塊が積み重なった野性味にあふれた荒々しい風貌をしていました。
岩塊の縁や窪地には美しい高山植物が咲いて華やかな優しさもありました。
硫黄沢のルートはワイルドでした。
これはもしかして?
硫黄沢を距離にして10m弱下りすぎた地点。
尾根の取り付き(C.970m)には、それ以上下らないように沢にロープが渡してあると、
山頂にいた男性から聞いたにもかかわらず、見過ごしてしまいました。
疲労が集中力を散漫にします。
取り付き地点に戻って大休止、温かい雑炊をいただきました。
すっかり天気が回復して、眼下にマリンブルーのオホーツク海が望めました。
漁船でしょうか、白い航跡をひいて行きます。
新噴火口付近ではかつてイオウの採掘が行われていたとのことで、いまもいたるところから活火山の証の蒸気が吹き出しています。
ヒグマの恐怖を抱きながらのタフな縦走でした。
カムイワッカの滝ゲートに出迎えの人影を見つけた瞬間、疲労がすーっと解けていきました。
昨年西別小屋で懇意になったTさんが、駐車地の木ノ下小屋へ回送の為に中標津から駆けつけて呉れたのです。
2014-07-13
二ツ池5:08…6:08南岳山頂…知円別平7:10…7:37中の廊下…8:38第2前衛峰鞍部
…9:35硫黄山山頂9:45…10:17硫黄沢源頭…11:11尾根取り付き11;30
…オホーツク海展望12:15…12:56新火口…硫黄山登山口13:45
…カムイワッカの滝ゲート14:00=木ノ下小屋駐車場=知床自然センター(熊スプレー返却)
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