2012年10月27日土曜日

那須岳縦走 {茶臼岳1897m・朝日岳1896m・三本槍岳1916m}

 

ロープウエイ駅を起点に、茶臼岳から朝日岳・三本槍岳を周回しました。
5:30車で家を出発、那須ロープウエイ駅駐車場に9:45に到着、10:06のロープウエイに乗ります。



山頂駅から火山礫の登山道に一汗絞り、鳥居をくぐると茶臼岳山頂です。
風が強く、10月下旬ともなるとさすがに肌をさす冷たさです。岩かげでヤッケを着込みます。



そそくさと峰ノ茶屋へのルートに入ります。
ドーンと響いた大砲のような爆音が噴気孔の轟音だという事を知ったのは帰路、峰ノ茶屋近くに建てられた案内板によってでした。
朝日岳と三本槍岳は既に火山活動を停止して、茶臼岳だけが活火山だそうです。

三本槍岳に向かいます。



紅葉は終焉です。葉を落としたダケカンバの情景はいつも いいなぁ と思います。




剣ヶ峰の肩をトラバースし、途中鎖につかまって岩を登り、ザレた急斜面を息を切らして登ると
朝日岳と三本槍岳の分岐、朝日岳の肩に登りあげます。


 
不毛の朝日岳の荒涼とした猛々しさは・・・


西方の三本槍岳との分岐に廻ると、山腹に緑を抱えて違う山の様です・・・。



熊見曽根、1900㍍無名峰から眺める三本槍岳。まだ一時間ほどかかりそうです。



清水平と木道、熊見曽根、朝日岳を振り返ります。午後の日に照る笹が気持ちよさげです。



三本槍岳山頂から流石山・三倉山の西へ延びる稜線、そそられますね。




峰ノ茶屋避難小屋まで往路を下って、分岐からロープウエイ山麓駅の駐車場に戻ります。



朝日岳を眺める角度を三度変えると、山容も三度変わりました。



2012-10-26 登山

百名山100/95座




2012年10月22日月曜日

この花


山を歩いていて苦しい時、楽しい時はなおのこと、出会いが嬉しい高山植物ですが、
初めてみるわ、なんという花かしら?同じように見えるけれど名前がちがってる?
名前探しは楽しい反面、何年も判らないまま過ぎてしまうことがあります。


礼文島の花壇に咲いていたトチナイソウは名前が見つかるまで3年かかりました。

2012年は3つの山で固有のコザクラにであいました。
サクラソウ科サクラソウ属

ハクサンコザクラ 本州中部の多雪地帯に分布。


ミチノクコザクラ 本州北部の山に分布、ハクサンコザクラの変種。


エゾコザクラ 北海道に分布、ハクサンコザクラの基準変種。



クロバナヒキオコシ シソ科ヤマハッカ属 北海道・本州、人里・山地・草原などに自生。
ヒキオコシと同様薬に用いられているそうですが、この花の色、深みのある紫が素敵です。


カメバヒキオコシ 東北地方から中部地方まで深山や日本海側の低山で見かけることが多い。
薬用にはならないようです。葉が亀のシッポそっくりな形をしているのでこの名があります。
花はアキチョウジとよく似ていて私には見分けがつきませんが、葉を見れば私にも同定できます。



ミヤマホツツジ ツツジ科ホツツジ属 花の外に突き出した雌しべが大きく上に曲がる。
反り返った花びらと弓なりに曲がった雌しべ、象が水浴びをしているようという表現に出会いましたが、
チャーミングな発想ですね。有毒で~す。


ホツツジ 北海道南部・本州・九州、高山・亜高山、森林・林縁、岩場・礫地に生育。
雌しべが前に伸びて、ミヤマホツツジとの違いが分かります。有毒落葉低木です。



ハクサンフーロ フウロソウ科フウロソウ属の多年草。 
中部地方の亜高山帯から高山帯の草原に分布。


イヨフーロ 本州の東海以西、四国、九州の山地の草原に分布。


ツクシフーロ 九州の原野・草原・湿地に分布 絶滅危惧種。



ナンバンギセル ハマウツボ科ナンバンギセル属
イネ科の根に寄生、ナンバンギセルより大きく花冠は4~6㌢になり、先端が5裂の唇形をしている。


スミレの種類は多くて難解なのでスミレで一括りにしています。
身近にみられる花なので、できれば名前を知りたいと少しづつ調べ始めました。

ウスバスミレ

ナガハシスミレ

ナエバスミレ


ミヤマタニソバ タデ科イヌタデ属本州・九州の山地の道端や湿り気のあるところに生える1年草。
何気なく見て通り過ぎていましたが、小さい小さい白い花をつけているのを初めて見ました。



今年初めて出会った花たち

ミヤマクルマバナ シソ科トウバナ属、本州東北~中部地方に分布。
高山の登山道の脇にたくさん咲いていました。茎に花が輪生して付くのでこの名があるそうです。



ヒメジソ シソ科イヌコウジュ属 北海道から九州の山野の湿った林縁や道端に生えている。
愛らしさに足が止まりました。イヌコウジュによく似ているようで、区別は主に葉でつくようです。



キセワタ シソ科メハジキ属 北海道・本種・四国・九州、山地の草原に生育。絶滅危惧種。



イワテハタザオ アブラナ科ハタザオ属、高山の岩の間に咲いていました。分布が限られます。
ハタザオ属は紛らわしく同定するのにいつも頭を悩ませますが、なぜか気になる花です。


タテヤマスゲ・・スゲは種類が多過ぎて同定が面倒くさいのですが、こんな可愛い姿に出会うと、
ふふふ・・・ですね。


こちらは名前がわからないスゲ?可愛いでしょう!
5ヶ月、名前を探し続けていますがなかなかです。どなたかご存知の方教えてください。



コメススキ イネ科コメススキ属 北海道から九州の亜高山帯以上の砂礫地に見られる多年草。
朝日や夕日に輝く時、青空を透かし見る時、美しいと感じる一方で、微笑ましい気持になります。



紅葉が終われば山は雪、
来年3月、雪が解け始める頃咲き競うスプリングエフェメラルをまた楽しみにしています。



2012-10月




2012年10月16日火曜日

朝日連峰 祝瓶山 (標高1417㍍)



翌日、風は収まりました。青空も広がりました。

先行者が出発していきました。
6:30 今日はここ大朝日岳から南へ延びる尾根の先端にある祝瓶山へ、南下します。



7:32
8:12
8:15
8:23
8:24

北大玉山まではきのうと同じルートで戻ります。
きのうは朝日の小屋まで誰とも出会わなかったのですが、きょうは大玉山の前後で長井から上ってきた二人の単独者に会いましたし、昨晩小屋で隣り合わせた青年も前を歩いています。


蛇引尾根をこのまま下れば、4本の吊橋が待っています。
もちろん左に分けてあの秀麗な祝瓶山に向かいます。



9:18 北大玉山を振り返見ると大朝日岳が随分遠くなりました。
大朝日岳、西朝日岳、袖朝日岳など山襞深い連なりを目に焼き付けます。



10:24 カクナラ尾根です。



10:53 カクナラ尾根に入ると笹がうるさくなりました。
ブナの大木が登山道を塞ぐように倒れていました。
倒れた木によじ乗って眺める祝瓶山。日常を越えた光景を山に抱かれて見る心地よさ。
目の前の茶色く縮れたぶなの葉っぱを見て忘れていたことを思い出しました。

実はこのところ「ブナ枯れ」というブナの葉が茶色に枯れてしまう現象が起こっていて、
土地の人々が大変に心配されているのです。夏場の少雨や温暖化が原因なのでしょうか。
山を楽しませてもらっている私にも気がかりな自然現象です。




尾根の上部まで上ると祝瓶山からの下山者に次々と出会いました。
長井の祝瓶山荘から直通ルートで登り、赤鼻尾根を下る登山者が多いようです。



12:30 祝瓶山の山頂は険しく見える山容からは想像できない(三角点のある)広場でした。
学校登山や市民ハイクが盛んなのでしょうか、色々なものが奉納されていました。

飯豊は冠雪していました。蔵王や月山・吾妻山も確認できます。
正面の大朝日岳からほぼ直線にに延びてきている尾根を辿ってきました。


雪に磨かれた東面の垂壁がひときわ圧巻です。
岩壁を紅葉が彩ります。標高はさしたることはないけれどなかなかの秀峰です。
岩稜の荒々しい風格は越後の御神楽岳を彷彿とさせます。


13:40
鈴振り尾根の下山は15:30、クタクタになりました。

ただあの吊橋は3本まで回避できて1本だけ渡ればよかったので助かりました。

2012-10-14 登山

百名山   大朝日岳100/93座

三百名山 祝瓶山100/37座