2014年9月8日月曜日

鍋割山 マルガヤ尾根から後沢左岸尾根

丹沢・四十八瀬川水系、本沢とミズヒ沢の界尾根、マルガヤ尾根を上ります。
アプローチは、本来大倉バス停から西山林道を一時間余り歩くのですが、
リーダー提案でタクシー(¥2400)利用の別ルート、表丹沢県民の森駐車場に入りました。
この日の蒸し暑さは不快指数85?でしたから、リーダーの体力温存作戦に救われます。


二股には「山ビル注意」の掲示と食塩が置いてありました。
靴やザックにふりかけて、ビニール袋にも貰います。
本沢を木橋で渡って30m程進んだ檜の植林地がマルガヤ尾根(本沢右岸尾根)の取り付き地点です。
青々と下草が足元を覆う光景におやと思ったのですが、考えてみればここを夏の頃に上るのは初めてでした。
吹き出る汗と急傾斜を相手に苦しみのさいちゅう、ハッタと気が付く、“奴がいるッ”
ここにもそこにもあっちにもゴムのように伸縮自在の吸血ヒル、ひたすら足元注意です。



尾根半ばの928mピーク(丸萱)に到着する頃は、既にクタクタ、先が思いやられます。
救いはピークの手前から奴が少なくなったことです。
そういえば、“標高1000mを過ぎるとヒルはいない"と聞いたことがあったような?


 
928mピークを過ぎる頃から雰囲気のいい馬酔木の細尾根を歩きます。
 
根張りの上も歩きます。



緩んだ傾斜がまた増すと無木立広場に乗り上げました。
晴れていれば展望の良いところですが、山稜の視界はガスに包まれて無彩色に沈んでいます。



鍋割山稜の登山道に出ました。
短い距離でしたが、急登、痩せ尾根、草原、上部の自然林と下部植林帯と変化に富んでバリルートの楽しめる要素がコンパクトに味わえるマルガヤ尾根です。



さて、先に進みましょう、鍋割山稜は好きなところです。



鍋割山頂の人出を見て今日は土曜日だったことに思い当たります。
昨今は様変わり、ロートルにしか出会わなかった以前に比べて若いグループが大勢を占めます。
ちょうど昼時鍋焼うどん目当ての登山者も多いのでしょう、上ってくる人が後を絶ちません。
ひろばのベンチはもはや満席です。



鍋割山の三角点がどこにあるのか気にしたことはなかったのですが、もしかしてと眺めていた
広場に、盛りと咲くゲンノショウコの清楚さに喝采します。

登山道にはヤマホトトギスがたくさん咲いて、すっかり秋の風情です。



後沢乗越まで下ってきました。
一般登山道を離れて後沢左岸尾根入ります。
最初のロープ場を過ぎると後は後沢に出会うまで整備された仕事道を下ります。





後沢のほぼ右岸に切られた道を木橋を9つ渡って辿りついたところが寄沢の左岸、後沢出会いです。


寄沢を右岸に徒渉して、滝郷ノ滝を観瀑したら本日の行程終了です。

今日も精いっぱいの汗を流して、山の楽しみを満喫しました。

2014-09-06 

渋沢駅7:50(タクシー)=8:15表丹沢県民の森8:25…8:52二股9:10…本谷沢出合
…9:20マルガヤ尾根取り付き9:25…10:20丸萱山頂10:30…11:00無木立広場
…11:30鍋割山稜に合流…11:50鍋割山12:40…13:20後沢乗越13:25
…14:30寄休養林…寄大橋…寄バス停15:40=16:04新松田駅=16:10渋沢駅



2014年9月3日水曜日

2014夏 花めぐり

コフーロ(フーロ科フウロ属)白花のゲンノショウコに似ていますが、花がゲンノショウコより小さく、
葉が付け根まで完全に3つに裂ける点がゲンノショウコとの大きな違いです。


赤紫のゲンノショウコ(アカバナゲンノショウコ)が直径1㎝~1.5cmの小さな花をつけて咲いていました。
胃腸の生薬で「実際に効く・現の証拠」から命名されだそうです。


ハクサンフーロ(フウロ科フウロ属の多年草)。花はゲンノショウコに比べると2.5cm~3cmと倍の大きさです。
山の花というイメージがあり、この花に出会うと、山に来られて良かったと思います。


ツルアリドオシ(アカネ科ツルアリドオシ属) 花は茎の先に2個づつ並んで咲きます。
2つの花から1つの丸い実ができて、赤く熟した実には2つの花のあとがちゃんと残っています。


メアカンフスマ(ナデシコ科ノミノツヅリ属) 露を帯びた5枚の白い花弁が爽やかです。
肉厚の葉に生えた縮毛は光の加減で白く輝いて独特の葉の色をしているので、遠くからでもメアカンフスマだと判ります。



ミヤマママコナ(ハマウツボ科) 変種がおおくて見分けが難しいママコナです。
花の色が紅紫色で、花弁の下唇の盛り上がったところが白いこと、葉にトゲ状の鋸歯がないことなど
ミヤマママコナではないかと思います。
初めて北アルプスに上った時、飛越新道の長い下りでずっと咲いていて、励まされた思い出があります。


ミヤマコゴメグサ(ゴマノハグサ科の一年草)訪れた時が最盛期だったようで、登山道で一番目立っていました。
群がって咲く姿は白や黄色や緑や紫のビーズを散りばめたよう、懐かしい思いに立ち止まらずにはいられませ。


ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属の多年草) 亜高山の湿った草地や沢筋でよく見かけます。
この花が咲くころ、アルプスの稜線は日ごと秋の気配を感じるようになります。
花言葉は「物思い」、夏から秋へ、季節の移ろいに物思う頃です。


ムシトリスミレ(タヌキモ科ムシトリスミレ属の食虫植物) 葉に粘液があり虫を捉えて養分にします。
花がスミレに似ているのでこの名がありますが、同属の日本の固有種はコウシンソウです。
コウシンソウにはいつか会いたいと思いながらなかなか果たせずにいます。


タテヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属の越年草) 高山帯の湿地に生えています。
草原の中で見逃してしまいそう、1~2センチの小さな花を、日が当たっている時だけ開きます。
明るい感じを抱かせる花ですから出会えるといつもにっこり笑顔になれます。


ソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属) 「岨花」と書きます。
ツリガネニンジンのように、花柱は花冠より突き出ることがなく花の先が広がっているのでソバナと分かります。
渓谷などの切り立った崖(岨)に咲く若芽が食用になる菜という意味だそうです。
名前の由来には諸説があるようですが、美しい淡青紫色の花を思って若菜をいただく、贅沢ですね。


ハクサンオミナエシ(オミナエシ科)
黄色の小さい花を茎の先にたくさんつけて枝を幾つも分岐して広げます。

仲間のチシマキンレイカをトムラウシ山で見たのが最初で、膨らんだ蕾が金の鈴を思わせて
金鈴花という名前がぴったりだと感心しました。


イワオトギリ(オトギリソウ科の多年草)高山でなくても見られるオトギリソウの高山型です。
シナノオトギリと見分けにくいのですが、よく言われる黒点が葉の縁に見られないのでイワオトギリと同定しました。
全草を日干しにしたものを煎じて患部に塗ると止血、腫れ物などに効果があると言われています。


エゾシオガマ(ゴマノハグサ科シオガマギク属)半寄生の多年草で本州中部以北の高山に分布しています。
淡いクリーム色の花を鎌の形状に横を向いてつけるので上からみると巴を描いて見えます。
花は下から上に向かって順に咲いていき、細長い三角形の葉には鋸歯があり互生しています。
裸地に近い条件をもいとわない様で写真の群生も登山道の際にありました。
面白い花姿をしているのですが、上品な花です。


2014/09/03 記





 
 

2014年8月26日火曜日

赤沢山・赤岩岳・西岳 北アルプス喜作新道 3

風が強く時折ハイマツを掴んで屈みこむほどの強風が抜けます。
西の穂高連峰や槍ヶ岳のガスはなかなか切れません。
そればかりか北鎌尾根にもガスがかかり始めて状況の好転は望み薄のようです。
 
 
 
左手(東)の燕岳から常念・蝶ヶ岳の縦走路はクリアーに快適そうです。


振り返る西岳と北鎌尾根の間から赤みを帯びた山容をのぞかせるのは水晶岳でしょうか。



赤沢山に上る人は他になく独り占めの稜線漫歩です。
不遇の山、南北に長い赤沢山の山頂からの眺めは360度です。惜しむらくは槍の穂先を隠すガスが消えてくれたら。
山頂には三等三角点が置かれ、かつては山頂標識もあったようで、支柱だけが残っていました。
このケルンはいつ誰が積んだのでしょうか!


 
槍ヶ岳に登った仲間は今どの辺りでしょうか、本来ならば正面に槍の穂先が見えるはずです。
仲間に手を振りたかったのに、見えない山頂に向かっては不思議と手を振る気になれません。

待っても晴れないガスにしびれを切らして下山することにします。
往復2時間かかりました。
立木やトラロープの補助があって幸いロープは使用せずに済みました。
ハイマツに覆われてはいますが、丁寧に探せば地形の弱点をついた踏み分けがあります。
取り付きの岩から一旦左に進んで1つ目の崩壊地の左端を下降、崩壊地の下部で大岩を右に回り込んで
さらに右にトラバースして右の尾根に乗ります。
尾根を外さないように急降下して鞍部に出ます。
小岩峰を右から巻いて大崩壊地の尾根上に上り、さらに尾根通しに上ると赤沢山稜線にポンと出ます。
普段、読図でバリエーションルートを経験していれば「案ずるより産むが易し」かもしれません。
しかしルーファイを間違えると厳しいことになるようで、ガレ場のトラバースを強いられた先達の記録がありました。
また自然条件や体調・経験によって難易度は変わりますから、実行には慎重な判断が必要です。
最初から最後まで緊張を切らすことのできない登山でした。
ただこの緊張がこの山の醍醐味ともいえますので、赤沢山登山は特別自己責任を伴います。


08/19 10:30上高地…河童橋10:40…徳沢12:50…一の俣15:10…槍沢ロッジ(宿泊)

08/20 槍沢ロッジ5:15…6:15大曲6:20…7:20水俣乗越7:25…ヒュッテ西岳8:38…
      2686ピーク8:57…9:09一つ目の崩壊地…二つ目の崩壊地上部トラバース9:14
      9:17尾根の急下降…鞍部9:23…9:24常念岳の展望…9:28瘤の岩頭を巻く
      …三つ目の崩壊地の上部尾根9:33…赤沢山の上り…9:43赤沢山稜線…9:55赤沢山山頂10:10
      …10:55赤沢山下山2686ピーク…11:04ヒュッテ西岳…11:37赤岩岳直下登山道11:45
      …12:05赤岩岳山頂12:15…12:25喜作新道…12:43ライチョウの親子12:51
      …13:20西岳山頂13:30…14:28水俣乗越…15:10大曲15:25(槍ケ岳組とバッタリ遭遇)
      …16:10槍沢ロッジ(宿泊)
   
08/21 槍沢ロッジ5:45…6:13二の俣…6:20落石注意箇所…8:08穂高岳展望…8:50徳沢9:00
     …古池…9:30ハンドパワー…11:20河童橋…11:45バス=沢渡=入浴=奈川(そば)=自宅

つづく



2014年8月25日月曜日

赤沢山・赤岩岳・西岳 北アルプス喜作新道 2

テント場の最南端にある下降点の目印の岩です。
奥に見えるピークが赤沢山です。

ツェルト・コンロとガス・水・食料・防寒着を確認して、ヘルメットとハーネスをつけてロープを携行、
短パンに継ぎ足して長ズボンに、いつもより丹念に出発準備を整えながら気持ちを落ち着かせます。
槍沢側から強い風が吹きつけますが、ルート上はハイマツの藪なのでもしもの時はハイマツが役立つはずです。
最後にコンパスを合わせて、胸の前で両手を合わせ、目印の岩を右に入ります。


取り付きの岩の基部を右から左に巻いて踏み分けに入ったところから振り返えります。
このまま下っていくと直ぐにハイマツに覆われますが、足元に踏み分けはしっかりついています。


最初の崩壊地の左端(トラロープの右)の踏み分けを下って行くと崩壊地の下部に出ます。
崩壊地を下部から見上げるとこんな感じです。(帰路撮影)


右横に写真の岩が見えたところで涸れたハイマツを踏み越し、右下方に移動して、岩の基部を右に回り込みます。
回り込みながら岩を振り返ると赤いテープが付いているのに気付きました。



岩を回り込むと2ツ目の崩壊地の頭に出て、右の尾根上にトラバースします。
黄色いテープとトラロープが下がっています。
細心の注意を払い、足場のホールドや草木のホールドを工夫して利用します。


尾根に乗ると南岳方向が望めましたが、稜線には無粋なガスでています。



尾根は痩せていて急ですが、トラロープが下がっています。(ロープを使うならここでしたが)
トラロープは滑りやすいので補助的に使って、周りの立木や岩の窪みを見つけて3点支持で注意深く下ります。


最後にハイマツのトンネルを抜けると鞍部に出ました。
東側は崩壊地ですが、西側が平坦になっていてそこにダケカンバの木が一本立っていました。

知りあいは、地形図を見て、雪のある時期だったらこの鞍部に乗越沢の登山ルートから上ってこられそうだと言っていましたが…?

核心部が通過できたので、余分な水と食料、ロープをここにデポしました。

次は鞍部の瘤を越えます。
左手崩壊地越しに常念岳が青空のもと端正な山容をみせています。


振り返ると取り付き岩から鞍部まで2686ピークの下降ルートの全容が望めます。
画面左隅に曲がったダケカンバの木が見える辺りが下降点の鞍部です。
取り付き岩からほぼ直線的に下ってきたことがわかります。


鞍部の瘤は下部はハイマツの踏み分け、上部は岩棚になっていてホールドはがっちりしています。
3点支持で越えていきます。



3ツ目の崩壊地の頭(瘤の山頂)を右から巻きます。


 
岩瘤を巻き終えると地形図にある大崩壊地が現れます。
崩壊地の際を左から右へ半分崩れた尾根上に渡って、ハイマツの踏み分けを進むと、赤沢山の登りになります。


ハイマツと岩の尾根はホールドがしっかりしているので浮石に気をつけて進むと、赤沢山の北端の稜線に出ました。
山頂は奥の高みのようです。
なだらかにハイマツの踏み分け道を進みます。

2014/08/19 10:30上高地…河童橋10:40…徳沢12:50…一の俣15:10…槍沢ロッジ(宿泊)

08/20 槍沢ロッジ5:15…6:15大曲6:20…7:20水俣乗越7:25…ヒュッテ西岳8:38…
      2686ピーク8:57…9:09一つ目の崩壊地…二つ目の崩壊地上部トラバース9:14
      9:17尾根の急下降…鞍部9:23…9:24常念岳の展望…9:28瘤の岩頭を巻く
      …三つ目の崩壊地の上部尾根9:33…赤沢山の上り…9:43赤沢山稜線…9:55赤沢山山頂10:10
      …10:55赤沢山下山2686ピーク…11:04ヒュッテ西岳…11:37赤岩岳直下登山道11:45
      …12:05赤岩岳山頂12:15…12:25喜作新道…12:43ライチョウの親子12:51
      …13:20西岳山頂13:30…14:28水俣乗越…15:10大曲15:25(槍ヶ岳組とバッタリ遭遇)
      …16:10槍沢ロッジ(宿泊)
   
08/21 槍沢ロッジ5:45…6:13二の俣…6:20落石注意箇所…8:08穂高岳展望…8:50徳沢9:00
     …古池…9:30ハンドパワー…11:20河童橋…11:45バス=沢渡=入浴=奈川(そば)=自宅

 つづく