2014年9月11日木曜日

サガミジョウロウホトトギスの咲くころ





丹沢表尾根にサガミジョウロウホトトギスを訪ねます。
今朝は風が強く、気温も低くて一枚羽織りたいほどの肌寒さです。
歩くには快適な陽気ですが、、風が強いのは、今日の山行きの目的からすると、厄介かもしれません。



ヤビツ峠から西に「寺山富士見公園公衆トイレ」の三叉路が表尾根指導標の起点です。
標識の周りに咲いているトネアザミは、鹿も食べないらしく登山道にもいっぱい咲いていましたが、
うっかり触ろうものなら鋭いトゲの一撃に面喰います。



 取り付きは菩提峠の「日本武尊足跡」のこの標識からです。



 植林地を抜けた雑木の自然林に、石を穿つ【日本武尊足跡】です。
意外に小さい足跡ですが、溜まった水は、絶えることがないと伝えられています。
日本武尊がこの石の上に片足ついて征伐の策をめぐらしたのかと、
途方もなく遠い昔の神話or史実の情景に思いをはせます。



葛葉の泉からの二ノ塔尾根が合流すると少し戻って、パラグライダーの踏切テラスに寄り道します。
丹沢山麓秦野盆地から小田原の市街地を抜けて、晴れた日には相模湾から伊豆諸島も望めます。



取り付きから一時間余りで二ノ塔山頂(1144m)に着きました。
普段は二ノ塔で小休止をとることがないので気が付かなかったのですが、、山頂周りはマユミの茂みです。
写真のような大きな木も5・6本を数えました。
そして丹沢の由々しき現状、ここのスズタケも枯れてしまっています。



四つの尾根が張り出す、南北に長い山頂をもつ三ノ塔(1204.8m)に着きました。

南東のヤビツ峠から三ノ塔山頂をへてさらに北西へと延び、塔ヶ岳に至る表尾根。
北東に派生して札掛に至るヨモギ尾根。
南西に延びて大倉の水無川の左岸に至る三ノ塔尾根。
いづれの尾根も歩いていますが、展望のない植林帯を延々と登る三ノ塔尾根に一番手を焼きます。



崩壊斜面のザレ地にフジアザミが10㎝もある花(頭花)を幾つも咲かせています。
気のせいか最近増えているような気がしますが、日本固有種のキク科の植物です。




 烏尾山山頂に建つ烏尾山荘。
三ノ塔の下り、富士山と烏尾山荘
山稜の大気は、久しぶりに発生した台風14号の湿った海風の影響を受けてか、雲が湧きます。
右手の主稜 塔ノ岳は分厚いガスに覆われました。




丹沢に登るのは今日が初めてという爽やかなお二人。
尊仏山荘に泊まって、丹沢の自然をじっくり楽しむそうです。




サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑)ユリ科の多年草で丹沢の固有種です。
沢の源頭部や沢の岩壁など容易に人が立ち入れない場所に、ひっそりと咲いています。

人呼んで【丹沢の貴婦人】匂い立つ上品な姿にうっとりします。


 
時期的に遅かったので花園は少し淋しげです。
それでも待ってくれていた幾株かを写真に写そうとしますが、案じたとおり、
谷筋を吹き上げる風が強くて、貴婦人たちは風任せのスイング、スイングのまっさいちゅう。
なにを好んで危なげな岩場にと不思議に思っていましたが、貴婦人方はこのスイングがお好だったのですね。

 
 花【花被片】の内側には赤紫色の斑点がたくさんあります。



 

ビランジ(ナデシコ科マンテマ属)風の強い稜線など風衝地の植物です。
終わってしまっただろうと思う一方でひそかに期待していたのですが、幸せなことにまだ咲いていました。



政次郎尾根を下山すると登山口から長い林道歩きをしいられます。
龍神の泉はもじどおりのオアシスです。



神奈川県立秦野ビジターセンター
戸川公園 風の吊り橋


2014-09-09
小田急秦野駅08:18=ヤビツ峠09:12…09:36寺山富士見公衆トイレ三叉路09:43
…菩提峠取り付き09:53…10:35日本武尊足跡10:40…10:47パラグライダー用テラス
…11:00二ノ塔山頂11:10…11:22三ノ塔山頂11:30…11:58烏尾山山頂12:15
…12:50行者岳…14:20政次郎尾根…16:25龍神の泉…16:55大倉バス停=渋沢駅

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