2014年7月23日水曜日

羅臼岳~硫黄山縦走 知床 ②

 

隣のテントの物音で目覚めるとまだ3:00、3:30までまんじりします。
お隣さんは4:00に出発して行き、私たちは5:00を過ぎました。
晴天のはずだったのに…濡れごろのこぬか雨に今日も合羽を着てのスタートです。



最初のピーク南岳(1459m)は根張りとハイマツがうるさい稜線に強風が吹き付け、気が抜けませんでした。



南岳山頂を過ぎ、砂礫地に入るとお目当ての「シレトコスミレ」が咲いていました。
時期的に遅いので出会えないかもしれないと半分諦めていたので、ひとしおに嬉しい出会いです!



知円別平のチングルマロードはふわふわと夢心地。
立ち止まらずこののままずっと歩き続けたい、写真を一枚だけとって、すぐに歩き始めます。
心にしみる遊歩道です。



 ここが中の廊下でしょうか、ガスのオブラートで怖さ知らずに。
コマクサが一輪だけ咲いていました。

尾根から雪渓に出たところで、ホワイトアウトも重なって第二前衛峰の肩への道を見失い、ルートファインディング。
ガスの間隙をぬって、雪渓の傾斜の緩いところを選んで横切った対岸には道が見当たりません。
そのまま雪渓の縁の草付きを這い上ると、夏道が見つかりました。
雪渓は斜上しながら対岸に渡るが正解のようですが、斜度がきついのでこの時期はアイゼンがあると安全でしょう。



短い雪渓を渡ると、いよいよ硫黄山本峰の基部に出ました。






前衛峰に四ツの火口と外輪山、雪渓、高山植物と多様な自然に富む硫黄山です。
硫黄山本峰は岩塊が積み重なった野性味にあふれた荒々しい風貌をしていました。
岩塊の縁や窪地には美しい高山植物が咲いて華やかな優しさもありました。




硫黄沢のルートはワイルドでした。


これはもしかして?


硫黄沢を距離にして10m弱下りすぎた地点。
尾根の取り付き(C.970m)には、それ以上下らないように沢にロープが渡してあると、
山頂にいた男性から聞いたにもかかわらず、見過ごしてしまいました。
疲労が集中力を散漫にします。
取り付き地点に戻って大休止、温かい雑炊をいただきました。



すっかり天気が回復して、眼下にマリンブルーのオホーツク海が望めました。
漁船でしょうか、白い航跡をひいて行きます。



新噴火口付近ではかつてイオウの採掘が行われていたとのことで、いまもいたるところから活火山の証の蒸気が吹き出しています。



ヒグマの恐怖を抱きながらのタフな縦走でした。

カムイワッカの滝ゲートに出迎えの人影を見つけた瞬間、疲労がすーっと解けていきました。
昨年西別小屋で懇意になったTさんが、駐車地の木ノ下小屋へ回送の為に中標津から駆けつけて呉れたのです。



2014-07-13

二ツ池5:08…6:08南岳山頂…知円別平7:10…7:37中の廊下…8:38第2前衛峰鞍部
…9:35硫黄山山頂9:45…10:17硫黄沢源頭…11:11尾根取り付き11;30
…オホーツク海展望12:15…12:56新火口…硫黄山登山口13:45
…カムイワッカの滝ゲート14:00=木ノ下小屋駐車場=知床自然センター(熊スプレー返却)





2014年7月21日月曜日

羅臼岳(1660m)から硫黄山(1562.5m)縦走 知床 ①

雨の停滞の間に知床自然センターで熊対策のレクチャーを受け、熊撃退スプレーを4000円で借りました。
お守りが効いたのでしょうか、熊さんとの遭遇は避けられ、デポジット¥2000が戻ってきました。

4:00に合羽を着て羅臼岳岩尾別ルートに入ります。
トドマツやミズナラの原生林にコマドリ、オオルリ、シジュウカラなど野鳥の澄んだ鳴き交わしが響きます。
”雨あがる” のでしょうか!


三ツ峰のコルから振り返る羅臼岳

 
待望の青空が広がりました。
大沢の雪渓はあらかたが融けて、夏道沿いにエゾコザクラの花園が出現していました。
この辺りから次々と日帰りの登山者に先を越されます。



羅臼平のフードロッカーに幕営装備と食料を預けて、羅臼岳山頂に上ります。
9:50分羅臼岳山頂に立ちましたが、強風にあおられ寒さに震える山頂です。



これから辿る硫黄山方面のガスが切れて、硫黄山まで見通せます。



知床峠方面は厚い雲海に覆われ、滝雲が流れています。



東に遠く国後島のチャチャ(爺爺)岳も望めます。

羅臼岳は100名山、登山者が湧くように上ってきます。
登山ツアーの団体さんも何組か、スライドの待機時間が長くなります。



三ツ峰のコルへと向うと羅臼岳の喧騒から一変、静かな山歩きの始まりです。
羅臼岳をスルーしたガイド山行の一行3人の姿は既になく、辺りは私たちだけです。
ハクサンコザクラより一回り小さな赤紫のエゾコザクラが可憐な花を咲かせています。
露を被ったチングルマの白い花はいましがた開いたといわんばかりにほのかにクリーム色がかって新鮮です。



今日の幕営地は二ツ池、三ツ峰幕営地付近を通過します。
水場は勢いよく出ていました。



時折ガスがかかる花の道です。
チングルマ、エゾコザクラ、エゾツガザクラ、ハクサンチドリ、メアカンキンバイなど、北海道ならでは行けども行けども花園は続きます。



縦走路はピークを巻いてつけられています。



羅臼岳が後方彼方に、未踏の知円別岳や硫黄山が前方彼方に、サシルイ岳の肩からガスに見え隠れする知床の山を眺めます。



サシルイ岳(1564m)の山頂を巻いて雪渓を下っていくと、ミクリ沼の湿地に出ました。
二ツ池の水に安全面で不安があったので、ここに流れ出す雪渓の融水を、携帯用の浄水器で濾して使用、
エキノコックスを予防しました。



オッカバケ岳(1450m)の上りで風が出てきました。
水を担いだのでオッカバケ岳の肩で一息入れて、大石が重なる沢地形を二ツ池幕営地へと下ります。



二ツ池の幕営地に到着です。
テントは私たちのほかに一張、賑やかな話し声が聞こえる隣に設営します。
先行したガイド山行のパーティのようですが、6人は入れそうな大きなテントです。


2014-07-12

岩尾別登山口4:00…7:40大沢入口7:45…8:43羅臼平9:00…9:50羅臼岳山頂10:10
…10:55羅臼平11:05…11:50三ツ峰のコル…12:15三ツ峰テント場…13:12サシルイ岳肩
…13:20雪渓13:35…13:40水場13:50…14:45オッカバケ岳肩14:50…15:10二ツ池幕営地

つづく




2014年7月6日日曜日

丹沢 鉄砲沢右岸尾根&鉄砲沢下降 (カヤノキダナ山稜)

梅雨の晴れ間、花びらを上向きに白い花をつけたヤマボウシが清楚です。

鍋割山山頂まで後沢右岸尾根経由で2時間10分、近頃はゆっくりペースが板につきました。

ゴミだと思って掴んだら、腰に手を回して掴んでギャーオ。
山ビルが2匹も…ヒルはついても肝心の運は?


山頂を北にオガラ沢ノ頭へと下ります。
オガラ沢ノ頭は鍋割山北尾根、オガラ沢左岸尾根、鉄砲沢右岸尾根、ユーシンなど経路の十字路です。
山頂の立木に赤いペンキで「←沢道」と示された北西の痩尾根、鉄砲沢右岸尾根に入ります。


急な傾斜を立木を手掛かりに下ると、厄介な白ザレのトラバース。
白ザレはこの尾根の特徴で見た目は美しいのですが滑りやすいので要注意です。
ある時は苔の回廊を歩くよう、またある時はロープを必要とし、地形は複雑、
これ程変化に富んで楽しいルートはないのですが、果たして今日も痛い目に遭いました。

オガラ沢ノ頭から地形図に顕著な3つ目の1000mピークで腹ごしらえをします。
このピークには左折するべきところを直進してルートロス、引き返した苦い思い出があります。

それだけに気をつけていたのですが、
どうも歩いている感じと地形図が一致しないように思えてコンパスを確認しますが方向は合っています。
地形図に表れない細かい尾根があるのだろうと自らに言い聞かせて、コンパスの示す方向に下降しました。

この時のことを今振り返ると、私は記憶違いをしていました。
「苔がきれいな痩尾根=苔の回廊」は1000mピークの先にあると思っていたのですが、
実際には1000mピークの手前にあり、既に通過していたのでした。
それなのに「なぜ苔の回廊が現れないのだろう」「コンパスの示す方向は合っているのに」
という疑問で違った尾根を歩いているような気になって、落ち着けませんでした。

結局20分余り下降したところで、起点のピークに引き返すことにします。
ところがピークに乗る手前で左に出る尾根を見つけます。
引き返した理由が「目的の尾根より一本右に出たようだから引き返して、左に出る尾根を探す」
ということだったので、逡巡したものの、この尾根を行くことにします。

ピークはすぐそこだというのに、急傾斜の登り返しが面倒で、
この尾根で大体よさそうと見切りをつけたのでしたが、後悔しています。
こういう場面でおろそかにしないのが読図の基本なのですが・・・。


こうして選択した尾根は、鉄砲沢右岸尾根から鉄砲沢に落ちる枝尾根でした。
「迷った時は沢に降りない」という鉄則を破って沢に降りる決断をします。
再びの登り返しを嫌ったことと、沢下降にきょうの装備でまにあうとの判断がありました。


鉄砲沢はメンバーの誰もが初めてでした。
下降点は穏やかな流れでしたが、両岸の側壁が急峻に狭まって樋状に掘れた流れに変わりました。
4m程先までしか見えないところをみるとその先は滝がかかっているようです。
登山靴を濡らしたくないので樋の水流際に足をかけようとした刹那ヌルッときてこれはいかん。
慌てて、フリクションの利くΣズックに履き替えます。


2mから3mの滝が連続しますが、最初に「滑る」という印象を植え付けられたので、
苔のついた滝のクライムダウンや高巻は避けて懸垂下降を多用しました。


倒木のかかる4mの滝も懸垂下降しますが、切り立った側壁には支点になるような木も乏しく、
倒木(時には石を)を使ったので、シュリンゲは回収できずに残置しました。


滝はほとんどが釜を持っていて1.5mの滝といえども結構深く、ざぶんと飛び込むには躊躇されました。

ブログで見聞きする取水口のある堰堤。


きょうの予定では鉄砲沢右岸尾根を下降したのち左岸尾根に上り返して寄大橋に下山するでしたが、
沢の下降は思った以上に時間がかかりました。

隠れた美渓 鉄砲沢「石英閃緑岩」の滑滝を堪能したところで終わりにして、雨山峠にエスケープしました。

捲土重来!

寄大橋7:15…後沢右岸尾根7:25…鍋割山南山稜8:51…鍋割山山頂9:25
…オガラ沢ノ頭10:08…11:473つ目のピーク…13:12鉄砲沢に下降
…14:24倒木の滝…5段の滝15:23…鉄砲沢出合(林道)16:40
…雨山峠17:59…寄大橋


2014-07-02 登山