2016年6月16日木曜日

会津朝日岳

 

会津朝日岳は、「良い山ですよ」と教えて貰ったものの登る機会に恵まれないままに2011年7月に新潟・福島豪雨災害が発生しました。
会津朝日岳は登山口までの道路が寸断される被害で入山できなくなりました。
それから4年、2015年6月14日に山開きが再開され、入山禁止が解けました。
待望の会津朝日岳登山、二度上っているベテランのAsanに案内してもらいました。

2016年06月11日(土)

【山名)会津朝日岳標高1624m

【山域】駒・朝日山群(越後三山・只見国定公園)

【コースタイム】  行程:駅より記入  (-電車、バス等  =車/タクシー  …歩行)
             東北自動車道=西那須野塩原IC=山口温泉・道の駅「きらら289」(車中泊)
             =赤倉沢登山口5:50…6:50三吉ミチギ7:00…7:50ブナの樹林8:00
             …8:10人見ノ松…8:20ヒメサユリ…8:45叶ノ高手・大クロベ8:55
             …9:20熊ノ平…9:24会津朝日岳避難小屋9:55…10:05バイウチノ高手
             …10:11小幽沢カッチ…10:29山頂手前の瘤10:45
             …10:48会津朝日岳山頂11:05
             …11:33避難小屋11:47(昼食) …11:50熊ノ平…12:26叶ノ高手
             …12:41ヒメサユリ…13:00人見ノ松…13:33三吉ミチギ13:45
             …板橋…14:30赤倉沢に降りて靴を洗う…登山口15:10
             =いわなの里=高清水自然公園16:40=道の駅「きらら829」(入浴・泊)



赤倉沢登山口の駐車場は、明日の山開きに合わせて整地して区画が整えてありました。5:40分に到着すると既に3台が駐車して、一組の御夫婦が出発する処でした。
板橋を2度渡り、赤倉沢を2度3度と渉り返すなだらかな沢沿いの登山道です。


コナスビやミゾホウズキの黄色花に混じってミズタビラコの小さな白い花が清楚です。


河原歩きから最後の徒渉地点を右岸に渉ると、尾根に取り付いて三吉ミチギの水場へ束の間の登りです。


三吉ミチギの「ミチギ」には目印をつけるという意味があるそうで、
三吉さんが目印を付けた水場ということなのでしょうか。清冽な美味しい水です。

水場の傍らの切り開きに腰を下ろして地元の登山者と話しをします。
お奨めの山は、ここ会津朝日岳と御神楽岳と浅草岳だそうです。
私も御神楽岳と浅草岳は好きな山で、とりわけ御神楽岳にはゾッコンです
その山に肩を並べる会津朝日岳ですかぁ!。楽しみです。



 ブナ・ミズナラ・ホウノキなど雑木の樹林帯を九十九折にゆっくり上って行きます。
足元にこれから咲くクルマバハグマと咲き終わって若い果実をつけたツクバネソウがちょこちょこと顔を出します。


目の高さにはウラジロヨウラク。
紅色のぽってりとした筒状の先端はやや細くなって外側に反り、
下から覗くと5弁の花形をしています。少女のふくよかさと可愛らしさを感じます。


ウスノキは可愛いです。
先端が臼のように窪んだ赤い実に生って、美味しいんですよ。


急坂ですが、カッコウやコマドリが鳴き、豪雪で根元が曲がった木々、鮮やかな緑、
風のそよぎ、揺らぐ木漏れ陽、五感を揺さぶられる心地いい登りです。



一時間余りで稜線の人見ノ松にでます。
浅草岳や田子倉湖の展望が広がり、樹林帯とはまた違った清々しさに満たされます。



岩混じりの土手にイワカガミが群れて咲いています。



 
 
小さな岩場を越えた辺りで視線に入った濃いピンク色の花は、ヒメサユリです!
ふいと巡りあえたヒメサユリ。
ことしは山に雪が少なくて物足りなさを感じていたけれど、
ヒメサユリに出会えたから満足、喜色満面です。




叶ノ高手を目前にして正面に会津朝日岳が大きく迫ります。
稜線奥に丸山岳、その奥には会津駒ケ岳のなだらかな山容がうっすらと見えます。


叶ノ高手のピークにはクロベ(ネズコ)の巨木が二本あります。
大クロベの倒れた枝に寄りかかって休みます。
ここから鞍部の熊ノ平に下ります。



ところどころにサラサドウダンの赤い花筵が敷かれた登山道を辿ります。


熊ノ平近辺はぬかるんでいます。
傍らにサンカヨウ、ミヤマカタバミが白い花を咲かせています。



避難小屋に寄ります。30人収容できるという立派な避難小屋です。
腹ごしらえと靴擦れの手当等で30分も大休止、すっかり体が冷えてしまいました。



マイズルソウが群生して、ツバメオモトもちらほら、ミツバオウレンに名残のシャクナゲ、いまは春の花と夏の花の端境期ですが、僅かに雪の残る小幽沢カッチには、雪が融ける端から花を咲かせるショウジョウバカマが健気です。



小幽沢カッチからは、雪に削られたスラブの岩壁をロープに導かれて直登すると危険なトラバースが待ち構えています。
イワカガミの花園ですが、花は程々に注意を怠らず慎重に足を運んで稜線に出ます。





稜線上の山頂手前の高みで山座同定をする人がいたので、仲間に入れて貰います。
南の丸山岳と南西の未丈ヶ岳、北西に浅草岳の三ツの山は良く見えています。
南西の平ヶ岳、西の荒沢岳、越後三山の展望は、霞に雲も煩わしげにスッキリしません。



窓明山~三岩岳~会津駒ヶ岳と連なる山群が丸山岳の奥に薄っすら確認できます。


西方に額縁にはめたよう並び立つ山々は、尾根続きの高倉山、
奥に杉村岳、大川猿倉山、更に奥には毛猛連山でしょうか。
かくも凛々しい姿を見ると猛者は、雪も藪も厭わず登らずにはいられないのでしょう。
稜線を右奥に北西に延びる尾根を進んで会津朝日岳山頂に向かいます。



三等三角点と金属製の方位盤が据えられた狭い山頂。




北側の切れ落ちた谷に峰を起こす山々の急峻さ、
会津と越後の雪深さを物語る光景を目にします。



谷を隔てた西の稜線に、カモシカがいるよと教えて貰らいます。
カモシカも雷鳥のように冬毛を?
これまで灰色の毛色のカモシカしか見たことがなっかたので、
白いカモシカにびっくり!です。

展望を心行くまで楽しんで、登りに写し損ねた花を撮影しながら下山します。


                     アカモノ(イワハゼ)ツツジ科、花は6~8mm
 
ツマトリソウ サクラソウ科、花びらは通常は7枚 花の直径1.5~2.3cm
 
ベニサラサドウダン ツツジ科、花は直径1㎝ 深山の岩地に自生



多様な動植物の手つかずの自然。
息をのむ城壁のようにそびえたつ山頂稜線。
会津と越後にまたがる山々のパノラマ展望。
樹林と岩稜、緩急など変化に富んだ歩きやすい登山道。

また素晴らしい山「会津朝日岳」に巡り合いました。



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