2015年7月23日木曜日

狩場山 賀老の滝

 
国道229号線から展望する狩場山方面 6/30

山旅の初日は朝から雨でした。きょうの定山渓天狗山は取り止めて道南の島牧に向かいます。
島牧にはこの度の北海道山旅で一番登りたい狩場山があります。

レンタカーの店頭で島牧のユースホステルに予約を入れます。
空港売店が開店前で、ガスカートリッジや食料を途中で調達しなければならないので一般道で移動します。
千歳から4時間8分、うんざりするような所要時間をナビが教えます。

「IGATE・ニセコ店」でガスカートリッジを購入して山泊の準備が整います。
島牧への道々は、山に湖、広大な原野や牧草地と畑の風景そして日本海、美しく雄大な景色が連続します。
自分で焼いて食べる新鮮魚介に新鮮野菜、あわびの天丼にサクランボ、おいしいものも潤沢です。
はからずも、「道央・道南のギュッと詰まった天然自然の贅沢を満喫する」ドライブになりました。




2015年07月01日 狩場山山麓散策
2015年07月03日 狩場山登山、標高1300mにて途中撤退

【山名】狩場山標高1520.2m

【山域】狩場山系

【コースタイム】 

7/01(水) 島牧ユースホステル8:00=狩場山登山口8:48=賀老の滝第2展望台8:57
        =ドラゴンウオーター9:42…ドラゴンテール広場(龍神石碑)9:44…9:54賀老の滝遊歩道
        …11:10賀老高原キャンプ場

7/03(金)千走(ちはせ)川温泉6:00=狩場山登山口6:30…1合目6:45…2合目6:30…三合目…休み処…5合目
        …6合目…7合目8:15…8:39分撤退決断





翌日になっても雨は降ったり止んだり。
狩場山に上るといっていた3人パーティは出発したようです。
私たちは、狩場山登山口の偵察がてら賀老の滝の散策にでかけることにします。






島牧中心部から車で舗装道路を30分走ると狩場山の登山口があります。
登山口の手前に狩場山の連続する雪渓が見られる場所がありました。
狩場山は北海道のなかでも雪の多いところで、高山植物が咲き揃う7月中旬から8月が登山適期です。




落差70m、幅35メートルの豪快な滝です。
 
途中の賀老高原キャンプ場から散策路を賀老の滝へ、20分程で標高差60メートルを谷近くまで降りて行きます。
階段が整備されていますが、敷き詰めたウッドチップが古く板状になっている為、湿っていると滑り易いので要注意。

火山活動によってできた渡島半島最高峰の狩場山は北海道では最も雪が多い地域の為、エゾノハナシノブ、シラネアオイ、シナノキンバイ、イワイチョウ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ等湿性の高山植物が多いとか。
山麓のブナの原生純林は、日本有数の10700haもの広大な面積を持ち、植物分布の北限のブナ林だそうです。





            コケリンドウのさく果

           ブドウマイマイ

           タチカメバソウ

            コケイラン

              ハクサンチドリ

賀老キャンプ場から賀老の滝までの散策路で見られた動植物です。
エゾリスもいましたし、ヒグマの好物の山葡萄やブナもたくさんの若い実をつけていました。
賀老の滝が架かる千走川ではサケの産卵を見ることができますが、資源保護から釣りは禁止されているそうです。




     龍神石碑



ドラゴンテール広場から奥の賀老の滝に注ぐ沢には、ドラゴンウオーターという天然の炭酸水が湧き出しています。
龍神様の御神水と呼ばれ、鉄分を含んで慢性消火器病、便秘、貧血に効用があるそうです。




7月03日。
展望は過去4日間で最もよくないのですが、雨は止んでいます。
千走川温泉を6:00過ぎに出発、6:30に狩場山登山口を上りはじめます。
関東からのツアー登山のパーティが、一時間余り先行しています。





登山道は合目毎の標識がつけられて手は入れてあるのですが、粘土質の掘れた登山道だったり、時期的にそうなんでしょうが泥濘の道悪です。





6合目あたりから雪渓があらわれて、ガスが流れるようになりました。
4つ目の斜度も規模も大きい雪渓は上部をガスに包まれて、その先の稜線はかすかに見えています。
人声がして、先行のパーティが近くにいるなぁと思ったその時、雪渓を転げ落ちる人の姿が目に入ります。





ガイドを先頭にガイドがバイルで雪面をカットしながら7人が近づいてきます。
「危ないよ、斜度がきついよ」「登山道も標識も出てないから」、私たちに撤退を勧めるガイドです。

私たちパーティの経験値からすると続行できる状況なのですが、ガイドの勧めもなおざりにはできません。
現在の状況を確認します。
1.地形図とコンパスでルートの確認はとれるはず。
2.雪渓については規模、斜度ともに技術的に問題はなく、アイゼン、ストックも携行している。
3.地形の目視ができないほどのガスが発生した場合にどうするか。
4.GPSを携行していない。 

不安要素として3.が残りました。
初めて上る山で地の利がないことも不利、これ以上ガスが酷くなることがあれば撤退はやむおえない。
天気は回復傾向にあるようだけれど、長雨で山は十分湿っているのでガスが取れる確率は低い。

今回1番登りたかった山であるだけに、「登りたいという気持ちが先行して判断に誤りを生じたらまずい」、
この思いが気持を決めました。
撤退しましょう。



   

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