2017年3月20日月曜日

丹沢 ミツバ岳~大仏ノ野(アンテナ広場)


お彼岸の三連休、「山に登りたい!」と孫のC子がやって来ました。
ミツマタがそろそろ咲くはずと西丹沢のミツバ岳に登ることにします
かつて、ミツバ岳から権現山・屏風岩山の辺りは、
地図とコンパスを頼りによく歩きました。
そこで試しに、
「滝壺橋登山口~ミツバ岳~権現山~大仏ノ野~焼津下山口」
ルートを線引きした地形図に、
要点と標高は孫が記入して出来上がった地図。
それを孫に持って貰います
 

2017年03月19日(日)

【山名】ミツバ岳(大出山)標高834m本権現山標高1018.8m大仏ノ野標高755m
【山域】西丹沢
【コースタイム】 行程 ; 駅より記入(-電車バス等 =車・タクシー ・・・歩行)
                
                滝壺橋ミツバ岳登山口8:00…8:16手書き標識…8:58自然林…9:13尾根分岐標識
                9:26ミツバ岳山頂9:35…10:30権現山西尾根…10:39本権現山10:46
                10:54標高1000m地点…10:57標高975m分岐地点…11:07展望台地11:10
                11:27大仏ノ野(アンテナ広場)12:30…尾根分岐12:50…標高400m地点13:21
                焼津下山13:30



                

車で送って貰って、滝壺橋登山口を8:00に上りはじめます。
C子は、最初私の歩きがゆっくり過ぎると不満げでしたが、
崩れた箇所のトラーバースやしょっぱなから止む気配もなく続く急登に、
《容易くないぞ》と思い直したのか、私の歩調に合わせて付いて来るようになりました
木の間越しに望む丹沢湖は、今日は薄紙を張り合わせたように霞んで見えます。
単調で苦しい上りの途中、檜の植林地にぽつりぽつりとミツマタの花が出てきます。
この花目当てなのに満開にはまだ早くて残念ですが、もう一週間はかかるでしょう。
登り続けて、尾根が西北に向きを変える頃から広い自然林の斜面に出て、

傾斜が幾分緩んできました。




ケヤキ、キリ、キハダなど
葉をすっかり落した白い木肌が、
青空に映えます。

うわぁ~、オズの魔法使いみたい!

C子は、
ファンタジーな空気感に
突き動かされたようです。

 

 

手製標識がある尾根の分岐から更に傾斜が緩んで一旦平坦になります。
やがて南斜面にミツマタの小群落が出始めると10分程で山頂に到着します。
誰もいない二人だけのミツバ岳(大出山)山頂です。
三等三角点と手製の山頂標を背景に万歳スナップを撮ります。



《富士山を背景に咲くミツマタの群生地》としてつとに知られるミツバ岳、
撮影ポイントの山頂西側に回ります。
雪を頂く富士山、その前列に三国山、湯船山から鉄砲木ノ頭の稜線が
幾分眠たげな色合いで連なっています。
登山者が上ってきたので撮影場所を譲って、次なる権現山に出発します。


ミツバ岳とミツバ岳から権現山間は、
地形図や山と高原地図には登山道の記載がなく、
登山道はないことになっています(踏み跡はあります)。 
C子が、地図とコンパスで歩く山を
つまらないと感じるか、面白いと感じるか!
この機会にC子に
コンパスを当ながら先頭を歩いて
体験して貰うことにします。




穏やかな起伏の少ない快適な尾根道が続きます。
権現山の西尾根から派生する枝尾根791m(第1休憩地点)から仰ぐ権現山です。
権現山の標高は1018.4mで791mの鞍部からおよそ230m弱の上りです。
ここから望む権現山は、大きさも高さも案外立派に見えます。


本権現山からの西尾根の合流点(C.920m)を目前にしてC子にアクシデント発生。
前日一日ためし履きした私の登山靴で決行したのですが、靴を脱ぐと痛さが収まる様子から靴擦れの前兆のようです。
運動靴を歩荷していますが、とりあえず踵にバンドエイドの応急処置をして再び登山靴に足を通して続行します。
C子は、尾根の合流点でコンパスをお臍に当てて「右ですよ」とさっさと前を行きます。






2等三角点の本権現山山頂に到着します。
4組の登山者が上って来ています。
まだ11時前なので昼食は大仏ノ野(アンテナ広場)で摂ることにします。
コンパスを、権現山から南東に出る尾根の標高970m地点に当てて進みます。





《登山道。右》の掲示が中央の木に貼ってありますが、
この案内は、756ピークを経由して浅瀬入口に至るコースです。
私達は、東の755ピークを経由して焼津に下山するので、
案内とは逆の左の尾根に入ります。
地図に記された針葉樹のマーク方向にコンパスを当てて、歩きだします。
幅広の自然林を緩く下った標高950mの平坦地に、隣り合う2つの石積みを見ます。
「なんだろう?この石はどこから持ってきたのかしら?」
「炭焼釜の跡かしらね。石は下から運んだんでしょうね」、話しながら並んで下ります。
針葉樹の森が前方に見えてきます。




針葉樹林の方向へ尾根の右寄りを下り、急な斜面を降りた台上に展望が開けます。
眼下に丹沢湖とこれから目指す大仏ノ野を見て、丹沢湖南岸の大野山から日影山と続く稜線が、感嘆の眺めです。



大仏ノ野から振り返り見るザレの斜面
大仏ノ野へ、急降下が続きます。
最初に植林地との境のザレ地を下りはじめて、子どもの脚力では、踏ん張りが効き難いことに気がつきます。
この場面の通過は私が先導して、植林地内でジグザグが可能な所は植林地に入り、そうでない場合はザレ地を、植林地と裸地を出たり入ったりしました。





きょう1番の目的地、大仏ノ野に滝壺橋登山口から4時間30分、頑張って到着です。
大仏ノ野のシンボルツリー、マユミの木に寄りかかって南の大野山から北東に連なる日影山、奥には箱根の山々、西側手前に不老山を展望します。



北側に聳える丹沢主稜は、雪を被っています。


山頂西面に広がるミツマタはまだ5分咲きでした。
ポツンポツンと開いた花を見つけて写真撮影。
先にも後にも誰もいないアンテナ広場で1時間余りを過ごして、
焼津に下ります。




実はここからが本日のトピックでした。
標高550mで分岐する右の尾根を降り始めて、最後の鹿柵をくぐった標高500mから標高400mまでのパンチの効いた雑木の斜面は、一人で歩いた時には、それほどには思わなかったのですが、脚力の弱い子供には過酷な下りだったはずです。
それでもC子は、先導する私についてバランスよく凌いで頑張りました。

「今日はおばあちゃん、悪かったわね。
怖かったでしょう、ごめんね。」

「大丈夫、すご~く急だったけど、楽しかった。」
「靴ずれパッチを貼れば大丈夫だから、また山に登りたい。」

「ありがとう、また一緒に山に上りましょうね。」





2017年3月17日金曜日

丹沢散歩  春を探しに

 

今年は梅の花がいつもの年より長く咲いているような気がします。
家の周りで最初に咲いたのが椿で、次いで1月8日に咲いた梅の花は、
次々とまだ咲いています。





一方河津桜は、咲き始めも咲き終わりも例年に比べると早かったようです。
春一番が吹き荒れた2月17日の松田山、終盤の河津桜にメジロが群れていました。






おかめ桜も早咲きの桜ですが、河津桜が終わる頃入れ替わるように咲きます。
花が下を向いて咲くので見上げるとボリュウムがあって、写真写りのいい桜です






南足柄市の狩川の土手に咲く春めき桜です。
ソメイヨシノより一足早く咲き始めます。
ボリュウムという点では、ぼんぼり様に房状に咲くはるめき桜は、負けていません。
この桜、甘い香りがするというので鼻を近づけますが?という感じ。
湿度が高くないと香らないとかで雨の少ない今年は香りも弱いようです。




大好きなハナネコノメが咲き始めたかしらと、蓑毛から歩き始めます。




蓑毛でバスを降りて、春嶽川沿いを上って行きます。
日当たりの良い路傍にカテンソウが一輪、開花し始めていました。
イラクサ科の植物では珍しく、春早くから花を咲かせます。




岸辺の林のあちこちで藪椿の花が咲いています。
深紅の花色に混じって桃色の花をつけた株も、春を呼ぶ色の優しさが匂います。
花首から花ごとポトッと散るせいで、武士の家では植えなかったと聞きますが、
“潔さ”は、ある意味武士に似あいの花のようにも思えるのです。





ヤマネコノメソウが花をつけています。
ネコノメソウとの違いは葉が互生する点、ネコノメソウは対生します。




フサザクラがほころび始めました。
垂れ下がって咲いているのは花弁ではなく雄しべと雌しべだそうです。
フサザクラと同じように花弁も萼もない花のつくりは、カツラの木にも見られるとか。
カツラの木の素敵なハート型の葉は知っていますが、
花を気にかけたことはなかったので、今年は花も注意して見ることにします。





山に手入れが、入っているようです。





5・6人の方がミツマタ群生地の足場の悪い傾斜地で整備作業をされていました。
蓑毛のミツマタの見ごろは、3月4週辺りでしょうか。
















髭僧の滝に寄り道します。


髭僧の滝に観瀑ベンチが新設されました。
一枚板の立派なものです、ここまで運び上げるのは大仕事だったはずです。
ご苦労様でした。そしてありがとうございます。
因みに私、「髭僧の滝ベンチ」の最初のお客さんになりました。





 



登山道にハナネコノメ、ユリワサビ、ヤマルリソウが咲き始めています。
小さな野の花が近づいてくる春を知らせてくれます。





柏木新道をヤビツ峠に出て、向かいの岳ノ台ルートに入ります。
登山道から望む大山です。
廻りの杉の木の雄花は、今年は少ない?のかしら。




 
1時間弱で岳ノ台山頂(C.899m)に到着します。
山頂を西に菩提峠に進みます。





鞍部に菩提風神が祀られています。
菩提地区は生業に被害が出るほど風が強く、
江戸時代から除災を願う村人が、建立してきたそうです。





鞍部からひと登りで古くは菩提地区の萱場となっていたススキの原が広がります。
以前は辺り一帯が草原だったように記憶していますが、衰退して裸地が目立ちます。

西側の菩提峠にでます。
パラグライダーの滑走台があります。
気象条件と技術と体力が揃うと、伊豆半島を周回してこられるそうです。

「飛び立つときは怖くないのですか?」  
「怖いですよ!」
「お気をつけて、素晴しいフライトを!」






菩提峠からは、日本武尊足跡のコースで二ノ塔に登ります。
三ノ塔では、マウンテンバイクで上ってきたという登山者に出会います。
自転車の重量は15キロだそうです。

登山+αのスポーツを興じる人達の優れた運動能力、羨ましくもあります。
能力も 
体力も下降グラフの私、三ノ塔尾根でバス便のある大倉に下ります

丹沢の麓では、早咲きの桜を中心に早春の花が咲き始めていました。
柔らかな日差しを浴びて春めく丹沢界隈です。




2017年3月11日土曜日

醍醐山 身延のスカイツリー

山梨勝沼の棚横手山頂で醍醐山PRのパンフレットを貰ったことがありました。
2010年のスカイツリー開業に合わせ、スカイツリーと同じ標高634mの醍醐山に

町おこしを一役買って貰おうと、「醍醐山を愛する会」を立ち上げて、登山道整備や
登山客誘致に取り組んで来たそうです。


2017年03月04日(土)

【山名】醍醐山標高635m


【山域】身延

【コースタイム】 行程 ; 駅より記入(
-電車バス等 =車・タクシー ・・・歩行)

           秦野駅7:10=9:10甲斐常葉駅9:17…9:24是より山道…9:45醍醐山見ゆ
                 …9:49鳩打峠…10:00展望地10:10…ベンチ場10:26…コナラやクリ
                 …10:34八ヶ岳展望…10:39展望地10:45…10:50醍醐山山頂11:45
                 …12:05大子集落…12:23西山12:50…登山者用トイレ13:15…上之平13:38
                 …13:55下部温泉駅14:02-車回送14:20=下部温泉温泉会館=秦野駅16:00


あれから1年、棚横手の縁を結びに、醍醐山に上ってきました。
スタートは、身延線の「甲斐常葉かいときわ駅」です。

登山者の便宜を図ってでしょう、駅前に10数台は停車可能な駐車場があります。
 



曲がり角毎に掲示してある手書きの醍醐山道しるべを追って、
駅の裏手高台にある登山口へ、常葉駅から7分の距離です。
自然石の道しるべの後に見える住宅は廃屋のようです。
町おこしに取り組まざるを得ない人々の現実を垣間見る思いです。



桜の木が植えられた丘にでて、降り積もった落ち葉を踏みしめ、のんびり進みます。
植林地と雑木林が混じる山の尾根沿いに切った登山道は、良く手入れされています。



おだやかな陽差しの下、体が温まってきました。
350峰の南面巻道から醍醐山を望みます。






甲斐常葉駅から30分余りで鳩打峠に着きます。
峠を県道411号線が隧道で越えています。
鳩打峠の最短ルート、隧道東側から上って来る登山道が、合わさります。



東側山腹の視界を遮る木を伐り、山名表示の看板を設けた展望地にでます。
それによると、正面に堂々と存在感のある山は、五老峰ごろうぼうだそうです。
山頂から延びる2本の立派な尾根、五老峰を取り巻くように西から北へ、北から
へ、大ガレノ頭を経て毛無山迄、一目に美しい尾根の連なりを歩いてみたくなります。
 


尾根直登の落ち葉敷く急坂を15分余り、標高550mまで登ってきました。
雑木林の下草が刈られ清々とした尾根の平坦地は、安らぎの休憩ポイントです。
僅かに弧を描いた座面、座り心地グッドな丸太のベンチがあります。




登山口に車で移動中、御殿場辺りで一時雨粒が落ちてきて心配しましたが、
さすがに晴れの日が多い山梨県、青空の暖かい登山日和に恵まれました。

右手に雪を被った八ヶ岳の鋭鋒が見えます。




直進すれば山頂ですが、肩のピークで右に折れ西尾根の展望台に立ち寄ります。
途中、ふた抱えはありそうな大きな桐の木に出会います。
名札で桐の木と判ったのですが、この桐の木に花がいっぱい咲いたところを見てみたくなります。

大きな木を伐り倒して拓いた展望地からは、富士川と甲府盆地方面が望めます。


櫛ヶ岳                        八ヶ岳                 茅ヶ岳

 
展望台から尾根通しに東に5分ほど登ると、伸びやかな醍醐山山頂です。
2014年3月に醍醐山の標高は634.8mから635mに改定されスカイツリーより
1m高くなりましたが、「醍醐山を愛する会」の想いや流した汗の結晶は、今後も多くの人々の共感を呼ぶでしょう。

洒落た東屋に置かれた丸太のテーブルは、簀子をカバーして汁がこぼれない工夫がしてあります。東屋のベンチに座ってランチタイム。



古い記録を読むと、三角点の辺りは、藪でたやすくは近づけなかったとあります。
縁があって、きょう醍醐山の三角点に触れることができました。





山頂を南に下って、のびやかな尾根を大子に向かいます。
途中、登山者とすれ違いますが、この日山中で会ったのはこの男性一人だけでした。

標高430mから大子集落の社や石仏・お墓を散見するようになります。
大子の集落は、50年くらい前までは10軒を数えたそうです。
いつしか住人は絶えて、廃村したのだそうです。



上之平に下る前に西の西山をピストンします。
明るい春の陽光が届く西山山頂で、山カフェです。




地図に記載のある家屋の場所まで下ってきました。
1軒だけポツンと残る空家の庭に、登山者用のトイレがあります。
登山整備の一環のようです、綺麗に手入れしてあります




標高差160mを上之平集落に下ります。
手入れする人もなく荒れた沢の様子や村の生活をしのぶ遺構に、
各々が感じることも多く、沢沿いの山道を20分余りで上之平集落に下山しました。




上之平集落から、県道415号にでて15分、常葉川を渡ると下部温泉駅があります。
甲斐常葉駅の車を回収してから、下部温泉温泉会館で入浴。
温めのやわらかい湯に長湯して、地元の人と醍醐山の話に盛り上がりました。