2016年5月30日月曜日

不老山のサンショウバラ



2016年05月28日
    
【山名】明神岳標高976m湯船山標高1041m白クラノ頭標高978m
    不老山標高928m日影山標高867m六郎小屋山標高850m
   
【山域】富士箱根トレイル

【コースタイム】御殿場線新松田駅7:23=7:43駿河小山駅8:00ハイキングバス=8:25明神峠登山口8:35
              …9:08明神岳9:12…9:23湯船山9:29…9:49白クラノ頭9:50…峰坂峠10:30
              …10:55サンショウバラの丘11:01…11:06世附峠…11:39三叉路
              …11:44不老山12:1…12:40番ヶ平12:43…12:53太郎小屋山北東尾根
              …13:03日影山…13:20六郎小屋山13:24…14:18三保ダム堰堤…新松田行バス15:01


              
 
駿河小山駅から明神峠に行くハイキングバスは、4月23日~11月27日迄、
土・日・祝日の8:45出発便が運行されています。
サンショウバラの花期、5月28日~6月12日の土・日・祝日には
8:00出発の増便があります。




御殿場線駿河小山駅から期間限定のハイキングバスに乗って8:25登山口の明神峠に着きます。
明神峠は富士山の須走から金時山まで全長43Kの縦走路「富士箱根トレイル」の富士山、三国山稜、足柄山系を結ぶ要の位置にあります。
舗装道路から階段を登ると、そこは新緑の森。
ゆっくり歩けば森を渡る風が丁度いい具合、汗知らずです。
多くの野鳥に混じって、ホトトギスが鳴いています。
耳を澄まして、静かな初夏の森を進みます。




ヤマツツジのオレンジの花色が鮮やかです。
ツクバネウツギやカマツカの白い花が若葉の間に見え隠れします。
ヤマフジが花を散らす…梢を見上げます。
ユウシュンランも咲いていました。





腐葉土が足にやさしい、起伏の穏やかな登山道です。
ブナの大樹が現れます。
見上げたり、そっと幹に触れてみたり、たっぷり森林浴です。

"ここって穴場なのかも" 
"うんうん!ふかふかの登山道気持ちいい"
"なにより平坦なのが最高"





峰坂峠を越した辺りで漸くサンショウバラに出会います。
ことしの花附きの見事さは、びっくりくりぽん!
あの木にこの木、どの木も一様に見頃の花を付けて、
登山道はサンショウバラの花街道です。









バラ科バラ属の小高木で、花がバラに似て、葉が山椒の葉にそっくりなことから、
「サンショウバラ」の名前がついたそう。
富士箱根地方(静岡・山梨・神奈川県にまたがる地域)の山地に生育する特有の花木で、別名「箱根薔薇」とも呼ばるとか。
花は1日限りで散ってしまう一日花だそう。

花色は木ごとに濃いピンクから薄紅のものまで個体差があるようです。
また、一本の木でも、蕾は濃くて開いてから時間が経つほど淡くなるようです。




花街道はサンショウバラの丘でクライマックスを迎えます。

カメラマンがあちこち走り回って撮影しています。
\(^o^)/「ここは富士山があるからいいんだよ」
「なるほど・・・だけどきょうは富士山霞んでますね」
「。。。。。」





ルートの随所に掲げられた絵標識、作者の山を、登山者を、
慈しむ気持ちが込められた力作です。
中でも世附峠の絵標識は大作です。
そうでしたか、白クラノ頭の嵓(クラ)はこの字を当てるんですか。

後40分で不老山山頂ですが、きょう一番の登りです。




不老山山頂に三本あるサンショウバラの内、中央の一本だけが咲いて、奥の木には蕾がついていたけれど、手前の木は蕾もついてなかったわ。




番ヶ平を経由して、丹沢湖三保ダムに下山します。
右手東の山市場へのルートを見送って、北東方向日影山にルート取りします。





日影山と六郎小屋山の間は笹がうるさい個所がありますが、
尾根を外さなければ問題ありません。




六郎小屋山の辺り、雑木の林床にはスズタケが元気です。
なくなりつつある丹沢らしさが残っています。




広がりのあった尾根は、標高500mを過ぎて下ると急激に落ち込んで痩せた岩稜を行くようになります。
補助ロープがつけられた脆い足場の細尾根を注意深く下るとしっかりした経路(上の写真)に出ます。





過去に展望台があった場所には、手すりが原形をとどめて残っています。
そこからダム湖の堰堤に出る間は、基礎石ごと倒壊した手すりがガレの急斜面に転がって、もしかしたら、ハイヒールのご婦人が上り下りした遊歩道が存在したことが、にわかには信じられません。




三保ダム堰堤から水門の下流域を眺めます。
期せずして当り年の満開のサンショウバラを堪能しました。
最適な時期をチョイスしていただいたリーダーに感謝します。



 

2016年5月15日日曜日

檜洞丸のシロヤシオツツジ



2016年05月14日(土)時々

【山名】檜洞丸標高1601m 熊笹ノ峰標高1523m 

【山域】西丹沢

【コースタイム】新松田7:15バス=西丹沢自然教室8:30…ツツジ新道入口8:48
              ...9:25ゴーラ沢出合…9:45アカヤシオツツジ...9:54シロヤシオツツジ…ツツジ回廊
              ...10:30第2展望台(C.1400)…山頂肩の木道…11:15檜洞丸山頂11:50
              ...12:16熊笹ノ峰…12:24大笄・小笄12:30…14:10犬越路避難小屋14:20
              …15:30西丹沢自然教室15:40(新松田ゆきバス)





きれ~い!先を行く登山者が歓声を挙げます。

降りてきた人が、「だんだん凄くなりますよ」と
声の方を振り返ってニコニコしながら教えてくれます。
来てよかった!

檜洞丸のシロヤシオツツジは、何年かに一度盛大に咲きます。
いつだったか、翌日に主人を伴って、2日連続で上った記憶がありますが、
その時以来出会う、見事な花つきです。



シロヤシオツツジはミツバツツジやアカヤシオツツジと違って、
花と葉が同時に出るので、花つきがよほどでないと見栄えがしないのですが、
ことしはとてもきれいです。
皮肉にも、登山道の厳しい傾斜は、シロヤシオツツジの開いたベル形の
清楚な白い花を仰ぎ見るには、うってつけなのです。



 


 

でも今年は見下ろしても美しい。
展望が期待できないので予定をツツジ新道のピストンに変更、
純白のシロヤシオツツジをじっくり鑑賞することにします。
見上げたり見下ろしたり、はたまた佇んで、
標高1300mから始まるツツジの回廊は抜け出すのに容易ではありません。



山頂肩のバイソウの原は、いい趣です。
ここでバイケイソウの花の景色を見たことがないので見てみたいとも思うのですが、
この漆を刷いたような濃緑の若々しいバイケイソウの草原が気に入っています。


 


北斜面の展望地からは富士山は雲隠れ中でしたが、芦ノ湖が見えたので予定どおり丹沢主稜を犬越路から下山することにします。
職人さんの遊び心がさえますね。



熊笹ノ峰には笹原が残って、ブナの古木がゆったりと時を重ねています。
大笄まで樹林が美しい穏やかな道が続きます。



熊笹ノ峰から檜洞丸を振り返ります。
山頂直下の地肌が現れたところに木製階段の登山道が設けてあります。



古木の根方でワチガイソウが気持ちよさそうに育っています。



大室山を見ながら下ります。


ツツジ情報
檜洞丸北側鞍部のツツジは、ツツジ新道の標高1500m以上と同様、蕾です。
稜線上標高1500mを下がるほどに咲いてきて、小笄の前後は鎖場が続きますが、近辺はミツバツツジとシロヤシオのコラボが楽しめました。
稜線通し数多く咲いていますが、標高が下がるにしたがってミツバツツジが増えます。


風薫る 山登りには絶好の日和でした。
檜洞丸のシロヤシオツツジに、山の楽しみを満喫しました。




2016年5月1日日曜日

塔ノ岳  ときめく春

渋沢丘陵の新緑は日ごと緑を深め、菜園には夏野菜の苗が育っています。
麓から山稜へとかけのぼる春を追いかけて塔ノ岳に上ります。
標高500m過ぎで尾根筋を行く大倉高原山の家ルートに入って、
雑事場ノ平で下道に合流します。
登山道の足元にはいろいろなスミレや花々が、森にはアブラチャンやマメザクラの花が咲いていましたが、ブナの新緑はもう少し先のようです。



雑木の新緑が登山道を、私を、やさしく包みます。
黙々と歩く薄暗い植林地のトラバース道に比べると散歩道の雰囲気で、
解放感があります。

大倉高原山の家には2つの蛇口から勢いよく水が流れ出ています。
20円を缶に入れて手ですくって いただきます。

美味しい水にトロンと和んでゆったり景色を眺めます。
霞んでいますが、三廻部の集落、秦野市街、小田原市街、遠く相模湾も望めます。

丹沢山中で私が知っている唯一のキャンプ場です。
静まり返っていますが、まじかに迫ったゴールデンウイークには、
テント風景が見られることでしょう。

 木漏れ日が射す檜の並木を平坦に辿って雑事場ノ平に向かいます。


見晴茶屋の新しいトイレが完成しました。
隣にはウッドデッキも建設中です。
トイレ工事中に便宜的に通っていた小屋裏は、継続的に通行できるようです。


新緑がまぶしい1本松の辺りです。


この画像は上の画像から4日後の堀山の家です。
作業のボランティアが入って、二股からの登山道側に整地が進んでいます。



ルートが交差する塔ノ岳山頂は、案外迷いやすいのです。 
この標識で山頂で迷う人が少なくなったかな。

山頂は17℃近くあります。登山には汗ばむ陽気です。


4日後の塔ノ岳。
穏やかな春の陽気かなと思っていたら、雲が湧き急に寒くなって山頂はガスで薄暗くなってしまいました。
ゴールデンウイーク沢山の登山者に秀麗な富士山を見て貰いたかった、残念です。


変わりやすい山の天気を実感しながらの下山ですが、
幻想的な景色に魅了されます。

   
登山道で見られた花々です。
在るとは聞いていたハナネコノメですが、今回初めてみることができました。

          エイザンスミレ


           シロバナタチツボスミレ

           ミヤマスミレ

            ニョイ(ツボ)スミレ

           マルバスミレ           
 
ニオイタチツボスミレ


             オキナグサ

                 コケリンドウ

            マメザクラ

             ハナネコノメ            

                ハナネコノメは登山道のこんなところに咲いていた。

              コイワザクラ

             キクザキイチゲ

            ツルシロカネソウ

              ワチガイソウ

           ミツバコンロンソウ