白鳥山に誘われました。
初めて聞く山名をネットで検索すると、山梨百名山の一つで標高は567.7m。
富士山の眺めは「関東富士見百景」に選ばれていて、山梨県は「恋人の聖地」に指定しています。
山頂には、「恋人の聖地」の雰囲気づくりでしょうか、くり抜かれたハート形に富士山がすっぽりと収まるモニュメント
やおしゃれな鐘が設けてあります。
白鳥山森林公園の駐車場からは15分で登れるので夕景の富士山を楽しむには格好の山のようです。
私たちが上る芝川町・本成寺からのルートは、整備された登山道を危険な場所や迷ったりする場所もなく、
1時間10分で登れるようです。
山の会の仲間とは、半年振りの登山、しかも易しい山だからと高を括って、
“地形図を出すほどのこともないし、リーダー頼みだわ”と楽しみばかりの緩んだ気分で当日を迎えました。
果たして、緊張を欠いた登山の結末は?
7:00車2台で出発、登山口を9:00出発
本成寺墓地脇から竹林の坂を上った集落の民家の庭先をかすめるように過ぎると
山裾に広がる茶畑から山道に入ります。
茶畑から4分で塩出の分岐を示す標識が現れて、"帰りはここから塩出の集落に向かうのかしら”
と呑気に考えていました。
“ここら辺りはタケノコが取れる”と誰かがいっていた通り、登山道は暫く広い竹林の中を行きます。
竹林がすっかり稙林に変わると少し傾斜がついてきました。
右手に七面宮跡地に直登する石段が現れましたが、わたしたちは巻路を行きます。
ここが登山口の絵図にあった七面山広場で9:26分に到着、ほぼ案内の時間で上ってきました。
植物は時期的に少ないのですが、山藍が雄花をつけていました。
藍染め(青)の原料になるのはインドシナ原産の蓼藍(タデアイ)で山藍とは別のものですが、
古代にはこの山藍で緑色を染めたようです。
日影に強いアオキは植林地でも元気に赤い実をたくさん着けていました。
林床のいたるところに実生の若苗が育っていました。
フユイチゴも赤い実をつけますが、大好物にしている誰かさんに食べられてしまって
赤い蔕(
へタ)だけが残っていました。
赤い実をつけた背の高いアオキが頭上を賑やかせますが、
ここは胸突き八丁、どうしてもうつむきがちな姿勢になってしまいます。
1本とりましょう!
天気は曇りがちですが、富士山の展望は思いのほかクリア―です。
10:30ですが、山頂広場で食事にします。
みなさんアツアツのカップラーメンを美味しそうにいただいていましたが、
増えすぎた体重を落とさなければならない私はおむすびを一個とミカンを1個です。
食後の別腹も“怖い~”と辞退…!。
おなかを満たしたら、あとは下記の予定で下山にかかります。
本成寺(8:30)…白鳥山(11:00・昼食12:00)…林道岐路(12:10)…塩出集落(13:00)…相沼集落(13:30)…本成寺(14:00)
果たして、山を軽く見た報い、山の神からとんだ
しっぺ返しを受けます。
11:30、元来た道の途中から塩出に下ると思っていた私、山頂を西に別の道を下るようです。
リーダー任せの横着を決め込む私、これから起ころうとしている変事に気づくはずもありません。
石段の先端に10㎝幅に木製の部分が足してある手の込んだ階段が続きます。
“危ないよ”この階段、濡れると木製部分が滑って転倒するかも なんて憎まれ口をきいている間に
広い舗装道路に出ました。
帰ってから気づいたのですが、舗装道路を右に少し登れば白鳥山森林公園の駐車場があったはずです?
あぁ、ミツマタがこんなにたくさんなどとペチャクチャ賑やかにお話ししながら左にとっとこ下ります。
やがて隋縁カントリークラブに至ったところでリーダーが“おかしい”と思い始めたようです。
しかし、予定のルートから外れたけれど登り返すのも…“まあこのまま進みましょう”。
定石破りもリーダー頼りの私です。
最初の内は、林床を覆うウラジロに、京都の東山でウラジロを滑って遊んだ話が出たり、
イイギリの赤い実やかば色のサンシュウの蕾を“なぁ~んだ”といい当てたりし乍元気に歩いていた一行でしたが、
舗装道路歩きが1時間30分に及ぶと疲れが出てきました。
十島駅に掲示の周辺地図
スマホの地図で確認しても、十島(
とおしま)に行くのが最良の選択のようです。
さらに30分黙々と歩いて13時30分に身延線の十島駅に到着しました。
ところが芝川行きの電車は1時間以上待たなければなりません。
運転手さんにタクシーで本成寺まで車を取りにいって貰って、帰途に就いたのでした。
家に帰ってから地理院地図で白鳥山の地形図を出して見ました。
白鳥山ではでてこなくて芝川町で出てきました。
登山道も山梨側からは記載がありますが、静岡側の芝川からは七面宮跡までしか記されていません。
塩出へのルートの記載もありません。
塩出へは標高460mの舗装路ヘアピンカーブから県境尾根に取り付いてP316へ南下するとよかったようです。
高を括る山ではなかったのです。反省しきりです。
2016-02-06 登山