岐阜県側の平瀬道で2度登ったことがあるが、石川県側から登るのは初めて。
登ってよかった、当たり年の【花の白山】を堪能した。
2018年07月22日(日)☀
【山名】白山 標高2702.1m
【山域】白山連峰(白山国立公園)
【コースタイム】歩程10時間15分(休憩を含む)
07/21 自宅 7:00=東富士自動車道=中央高速自動車道=市瀬キャンプ場幕営18:00
07/22 シャトルバス乗車4:55=別当出合5:45…6:17中飯場6:25
…7:08別当覗7:13…7:59伝之助避難小屋…8:28南竜道分岐
…9:25黒ボコ岩(観光新道分岐)9:34…9:35弥陀ヶ原…五葉坂…10:03室堂10:15
…10:50御前峰…12:07室堂12:15…12:25弥陀ヶ原…黒ボコ岩(砂防新道分岐)12:35
…13:20殿ヶ池避難小屋13:30…石門14:14…14:23砂防新道展望
…14:37白山禅定道分岐14:40…16:00別当出合16:10シャトルバス
=16:25市ノ瀬キャンプ場幕営
07/23 キャンプ場発7:00=白山白川郷ホワイトロード=東海北陸自動車道飛騨清見IC
=中央道松本IC~御坂IC=東富士自動車道=自宅19:00 (走行距離往復900K)
準オートキャンプ方式でテントサイトや設備も比較的きれいで不自由はなかった。
料金は1人1泊300円と安く、道路向かいの永井旅館の日帰り入浴も好都合だった。
ただ、自宅から450Kは流石に遠かった。
標高800mの高地は、朝方は冷えて脇によけたシュラフを手繰り寄せた。
晴天の朝を迎えた。
百名山完登まで数座と迫った相棒と来週予定の幌尻岳が百名山王手のE氏に同行。
登山バスは満員になるのを待って5:16別当出合に向け出発。
登山者でいっぱいの別当出合を5:45に出発、往路は吊り橋を渡る砂防新道を行く。
下山は別当出合に戻る観光新道で周回予定。
連日続く猛暑に熱中症を怖れたが、風があり救われる。
第1ポイントの中飯場を目指し、急な登りを意識してゆっくり登る。
石畳みの階段を登ったり、急ではあるが全体的に整備された歩きやすい登山道。
水場とトイレがある中飯場でベンチ休憩。
柳谷川の連続する砂防堤を俯瞰しながら、「砂防新道」の由来はこれかと思う。
砂防堤の上部に二段になって懸かる不動滝は、落差70m。
美しい滝の景観の一方、この谷には周期的に引き起こされる土石流災害に備え、
80基以上の砂防ダムが建設されている。
昨今の気候変動による集中豪雨は、白山でも頭の痛い深刻な事態に違いない。
ミヤマキンポウゲは標高の低い所から高い所まで全般的に咲いていた。
中飯場から直に始まる急な登りで標高を稼ぐと、尾根に出て観光新道方向の視界が開ける。
ポイント毎に設けられた指導標には距離や方向、標高も明示してあり、標高1750mの別当覗で一服。
続々と上ってくる登山者に道を譲りながら着いた甚之助小屋。
眼の前に白山3山の1つ別山がド~ン座る大迫力、秀麗な山容がカッコいい。
画面真中に高く見える御舎利山、右奥に別山、2峰の間から出るのはチブリ尾根?
甚ノ助小屋を後に南竜道分岐まで上って来ると、眼下に甚之助小屋が見える。
道中の半分を登ってきたよう、ここからは黒ボコ岩まで高山植物のお花畑が続く。
さすが白山、咲き競う高山植物がいっぱい。
足を止め愛でたいけれど、山服のトラバース道は狭くてというか沢山の登山者だから立ち止まると渋滞を引き起こしてしまう。
ここまで登ってきたら、別山が1番高くなった。チブリ尾根も良く見えるようになった。
私たちも大岩の岩陰に腰を下ろして、のどを潤し、フルーツを食べる。
黒ボコ岩からは一足で弥陀ヶ原の穏やかな台地に入る。
霊峰白山登拝道と彫られた標柱、五葉坂手前まで木道を歩く。(2枚目は帰路撮影)
室堂到着、15分で昼食を摂ってただちに御前峰に向かう。
室堂周辺はクルマユリが当たり年。
コバイケイソウ、今年は花つきが良いようだ。
イワギキョウミヤマコウゾリナ
イワツメクサ
ハクサンフーロ
キバナノコマノツメ
クロユリ
クロユリとハクサンコザクラも当たり年のよう。大汝峰がガスに包まれていく。
残雪の紺屋ヶ池はソーダーフロートのよう。
湖水の翡翠色が例えようもなく美しかった。
室堂、弥陀ヶ原方面。男前の別山はガスの中。
室堂に戻って一服。
五葉坂、上りではここが一番苦しかった。
草原台地の弥陀ヶ原に2本の登山道が見える、左はエコーライン。
私たちは右ルートで黒ボコ岩に戻って、観光新道を下る。
黒ボコ岩とエコーランの分岐は休憩ポイント、雪渓からの風が涼しい。
木道から見える位置にハクサンフーロ、コバイケイソウ、チングルマが咲いて、
低木のナナカマドの白い花が盛りだった。
観光新道の下りは、後半に標高差300m強の激下りがあるので体力のある登山者はあえて上りで採るという、初めてのルートは、果たしてどうだろう。
蛇塚手前から黒ボコ岩を振り返る。
丈高のニッコウキスゲ、コバイケイソウ、シシウド、オタカラコウ群落が遠くに見える。
黄色いミヤマキンポウゲの群落に比べて、シナノキンバイは意外と数が少ない。
叢に半ば埋もれるようにハクサンフーロやシモツケのピンクの花。
おや!この花は?
ピントが合ってなくて残念だが、ヒメクワガタのよう。花の直径は5~6センチ。
薄紫を刷いた花色、オシベの葯も薄紫でかわいい、肉厚の葉には浅い鋸歯がある。
馬のたて髪まで下ると、文字通り百花繚乱の花園が広がっていた。
辺りをガスがつつんでイブキトラノオの花穂がガスの流れに揺らいでいる。
普段は花なんか目もくれずにスタスタと先を急ぐE氏が花撮り人に!
一目、タカネナデシコ、ツリガネニンジン、カライトソウ、イワオウギ、マツムシソウ、ミヤマダイコンソウ、タテヤマウツボグサ、ニッコウキスゲ、シシウド、イブキトラノオ。
殿ヶ池避難小屋が見えてきた。
高台の避難小屋のベンチ周りに10人以上が休んでいた。
真っ赤に日焼けした若者はチブリ尾根から上ってきたという。
ツアー集団に追いついたが先を譲って貰えなかった。聞こえてくるガイドの指示を聞きながら集団の後ろをついて歩いた。ツアー登山未経験の私には案外興味深かった。
クガイソウやゴゼンタチバナなどを撮りながらゆっくり進んだ。
仙人窟は観光新道ルートの中間点。
砂防新道の砂防ダムと不動滝を展望する。
稜線の下りで先を譲ってもらった。
いよいよ噂の激下りが始まったよう、だが、出だしは想像していたより楽だと思った。
土が露出して足場が滑るのかと勝手に思っていたので、階段が現れて意外だった。
白山禅定道の分岐で一服、禅定道を少し下ってみるとササユリが咲いていた。
下りはじめは噂程でもないと思ったが、時間の経過とともに噂に違わないと思い直す。
いつしか尾根を離れ沢地形に、階段に変わり段差が不安定な露岩の足場になる。
別当出合1km地点のベンチで一服、漸く一段落。
別当出合に16:00到着、待っていたバスで市ノ瀬キャンプ場に下山した。