【山名 】 堂津岳(標高1926.8m) 東山(1849.3m) 中西山(1741.1m) 奥西山(1616.5m)
【山域 】 新潟県妙高市との境、長野市鬼無里地区の北端に、
北信五岳(斑尾山・飯縄山・高妻山・黒姫山)の北西、
北アルプスから安曇野の谷を隔てた東に位置する。
【コースタイム】5月8日
奥裾花自然園駐車場12:35(シャトルバス)=12:45自然園入口…13:00中西山登山口
…稜線14:30幕営
5月9日
幕場6:05…6:38中西山…7:50天狗ノ鼻…9:30東山9:50…11:10天狗ノ鼻11:25
…12:30幕場
5月10日
幕場5:05…5:45奥中西山…7:54堂津岳山頂8:10…10:12奥西山
…11:00幕場12:00…13:12中西山登山口…奥裾花自然園入口(バス)13:45
…13:55駐車場14:20
鬼無里の奥裾花自然園から上る堂津岳・東山を6人の仲間と楽しんできました。
2013年秋、廃道だった堂津岳の登山道が復活して、
残雪期限定登山から通年登山が可能になりました。
多くの人に上られれば、堂津岳は今以上に人気の山となって、
残雪期の堂津岳に上る登山者も増えることでしょう。
堂津岳
東山
5月8日 稜線幕営地まで
スタートは中西山登山口の標識から西に入ります。
標識に残る傷跡は熊の仕業でしょうか。
雪融けが進むこうみ平湿原。
雪げは小さな流れとなって水芭蕉のホールに注いでいきます。
ブナの根明けが進んでいます。
瑞々しい若葉の森は野鳥の楽園です。
澄んだ声音で鳴き交わす野鳥に案内され、雪の斜面をゆっくり上って行きます。
高妻・乙妻山に戸隠連峰を眺めて一服します。
大荷物を背に、暑くもなく寒くもないちょうどいい気候に大助かりです。
スカイラインのもとに堂津岳の稜線が広がります。
雪庇は心配したほどの張り出しもなく、すんなりと稜線に乗ることができました。
中西山の登山道より北寄りに、中西山と1582ピークの鞍部(C.1570m)に出たようです。
幕営地は高妻山と乙妻山を左正面に、右に戸隠連峰を眺める絶好のロケーションです。
夕焼けまでいつもの祝宴をささやかに楽しみます。
5月9日 東山へ
翌々日10日早朝の中西山方面
幕営地の側にダケカンバの大木があります。
このダケカンバからは囀りが梢のあちこちから聞こえて、野鳥の木とでも呼びましょうか。
2日間とも朝鳴き鳥の優しいさえずりで目が覚めました。
右手前の堂津岳から左に 焼山・金山・雨飾山・青海黒姫山
中央手前の堂津岳から 後に火打山、右奥妙高山、右双耳峰の黒姫山
残念ながら9日は雲りで明けました。
幕営地から南へ30分余りで中西山に着きました。
中西山方面を振り返ります。
一ヶ所短いナイフリッジがありましたが、おしなべて雪上稜線漫歩です。
妙高山 と黒姫山が展望されます。
所々で夏道が出てきますが、稜線東側に発達した雪堤の上を歩きます。
遠くからも目立っていた尖峰が近づきました。“天狗ノ鼻”と呼ばれる1830mピークです。
雪庇が張り出した雪堤過ぎから、“天狗ノ鼻”の基部へは手前にみえる瘤をトラバースします。
トラバース部分にはロープが張ってありますが、足元が滑りやすいので気をつけましょう。
“天狗ノ鼻”の手前には発達した雪庇がみられます。
“天狗ノ鼻”は灌木の急斜面をロープや灌木にすがって、もじ通りよじ登ります。
東山の鞍部から振り返る“天狗ノ鼻”南斜面一帯
やれやれ核心は過ぎたと思ったのは早計で、ここからが正念場でした。
“天狗ノ鼻”のたっぷり雪を載せた急な南斜面の下りとその先の千島笹の藪こそが核心でした。
その後の起伏のあるアップダウンにも疲れて、東山の山頂がやけに遠く感じました。
東山山頂
三角点は雪に埋もれて正方形の天辺だけ出ていました。
帰りを急いだほうがよさそうです。
アルプスの雲が低くなって、パラパラと雨も落ちてきました。
“天狗ノ鼻”まで戻ってくると、東山にガスが湧きます。
“天狗ノ鼻”から見下ろす北側にもガスが流れます。
雪堤の人影はこれから東山に向かう9人パーティです。
13時ころから本降りになった雨に険しい登山を心配しましたが、完登して17時に幕営地に戻ったとのこと。
翌日も堂津岳で一緒になりました。
5月10日 堂津岳へ
今朝も野鳥の美しい鳴き声で目が覚めました。
5時09分、乙妻山から朝日が昇っきました。
夏道の東側に溜まった雪堤を1582ピークに緩く上って行きます。
締まった雪が歩きやすくて、奥西山まで40分で着きました。
奥西山の三角点が出ていました。
今年の降雪は麓に多くて山には少ない里雪型だったとのこと。
振り返って撮影
緩いアップダウンの広々としたブナの森をたまぁ~に夏道に入ったりして辿ると二重山稜地形に出ます。
ガスがでたり天候悪化の時は気をつけたいところですが、ここ以外は迷うようなところはなく、歩きやすいルートです。
ブナの森に朝日が差し込んで、ブナも登山者もおおらかに、清々しい朝の大気に浸ります。
ブナの梢を透かして見上げる空は春色のやさしいブルー、深呼吸をします。
振り返る中西山・東山方面
二重山稜地形を過ぎると尾根が狭まり傾斜もついてきます。
9日撮影の堂津山
いま稜線のどの辺りを歩いているのかしら?
昨日中西山から眺めた堂津岳の山容を思い出ししながら地図を眺めます。
最後の鞍部を過ぎて地図にガケマークのある(標高1760m)ナギの急斜面に向かいます。
南北に長い雪原上の堂津岳山頂に7時50分に着きました。
三角点は出ていましたが、肝心の北側と西側の展望はガスで望めませんでした。
南稜線上に東山が太陽を受けて輝いていました。
堂津岳側から眺める山容は素敵ですね。
本来なら東山の右側に北アルプスが見えるのですが…。
西岳と戸隠山の鋭鋒が、すっきりと気持ちよく青空に映えます。
見下ろす険谷の森は芽吹き始めたばかりです。
奥裾花自然園では水芭蕉祭りが開催中でした。
サンカヨウ
下りは花を眺めてサクサクと。
雪に埋もれてたダケカンバが、雪を弾いて起きあがるのも時間の問題ですね。
登山者が夏道を辿る日もまじかです。
昨日登った天狗ノ鼻が見えるようになると幕営地は近いはずです。
テントを撤収して12時5分、原生の森を奥裾花自然園へ下山します。
上りとは違った森の様子が目に入ります。
堂津岳一番の魅力、北アルプスの展望が少し物足りなかったことは残念ですが、
隠れ名山といわれる多くのものは経験できました。
また訪ねたい山です。
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