2015年4月26日日曜日

畦ヶ丸

2015年04月23日(木)時々曇り

【山名】畦ヶ丸(標高1292.3m)

【山域】西丹沢

【コースタイム】御殿場線松田駅8:04=谷峨駅にてバスに乗り換8:51=大滝橋バス停9:40
          …10:45一軒屋避難小屋10:55…大滝峠上…12:47畦ヶ丸避難小屋13:15
          …13:20畦ヶ丸山頂13:22…善六ノタワ14:10…16:05西丹沢自然教室



畦ヶ丸は数年前、雪の頃に一軒屋避難小屋~吊尾根を歩いて以来、久しぶりです。
きょうは大滝橋から沢沿いに上って大滝峠上に出た後、南側の尾根から頂上を目指します。





足元に直径一㎝ほどの白い花、ツルシロカネソウが咲いています。
巣作りの最中でしょうか、キセキレイが沢の奥から澄んだ鳴き声を響かせて警戒しています。
新緑に染まり始めた森を沢沿いに木橋や細い流れは石を伝って、右左右と渡り返して上って行きます。
沢の冷気を心地よく感じるほどに季節はいつの間にか進んでいたようです。




マスキ嵐沢の標識から登山道は尾根に出て地獄棚や雨棚の険しい地形を巻いて行きます。





マスキ嵐沢を眼下に見下す一角に上ると、萌黄や赤芽の芽吹きに桜花が混じる新緑の森が飛び込んできました。





再び登山道が沢の脇を歩くようになって,
鬼石沢の出合の木橋を渡ると一軒屋避難小屋に着きました。
小屋の横からステタロー沢を覗くと、水しぶきのあがる小さな渕に魚が逃げ込みました。
木橋を渡った上流の瀬にも魚影が走って、こんな小さな沢の細い流れに魚が住んでいることが嬉しくなりました。





白い沢底の澄んだ流れを渡り返しながら水量の割には開けた気持ちの良い沢筋をたどっていくと
今日初めての登山者に出会いました。
大滝橋の北方西丹沢自然教室から入って畦ヶ丸を下って来たそうです。
大滝峠上に出る手前でもう一人、畦ヶ丸直下で尾根通しに丹沢湖まで下るといっていたトレラン3人組,
都合5人に出会いましたが、彼らは皆逆ルートでした。






ステタロー沢を離れて大滝峠上の稜線に出ると、見上げるばかりの急登です。
標高差100mを20分、息が弾んで口で息をしながらの登りです。
尾根が広くなると傾斜も緩んで1160のピークに乗り、
辺りにはブナの大木やミズナラ、カエデ、マメザクラの美しい天然林が広がりました。






足元にはスミレやフデリンドウの青い花、キジムシロの黄色い花が咲き始めています。
畦ヶ丸というと笹を思い出す程スズタケが茂っていたのに、スズタケは枯れていました。





山登りには絶好の日よりでしたが、風は冷たく感じられたので、山頂手前の畦ヶ丸避難小屋で一服します。
小屋にはトイレとストーブが備えられて、室内に嫌な臭いもなく案外きれいでした。
避難小屋のすぐ上に東海自然歩道の案内看板が立っています。





看板の左手、北西尾根に東海自然歩道が拓かれ、丹沢主稜のモロクボ沢ノ頭まで確か20分程だったと思います。
近くに指導標もあります。




私たちは畦ヶ丸山頂から北東尾根を進んで善六ノタワから南東に下って西丹沢自然教室に下山します。
畦ヶ丸山頂には、ささやかな山頂標と石積みの立派な白石峠補修記念碑がありました。
山頂からは北東に東海自然歩道が、南東にはバリエーションルートの畦ヶ丸吊尾根が権現山に延びています。





山の奥深さを感じる稜線を下って行くと正面に富士隠しの別名を持つ大室山が聳えていました。
ブナをはじめとする広葉樹の森はまだ芽吹き前、無彩色の森のそこかしこに一人勝ちのトウゴクミツバツツジの鮮やかな赤紫の花が、美しく誇らしげに咲いていました。





1148mピークを長い梯子状の階段で降りて行くと北のモロクボ沢水系と南の西沢水系の源頭部に立ちました。
両側が深く抉れて足が震えます。
1148ピーク側の崖上にトウゴクミツバツツジと山桜が、絢爛と競い咲いていました。





東海自然歩道は善六山の鞍部、善六ノタワから南東に向きを変えて西沢に降りていきます。





標高950まで下りてきたベンチで一休み、檜にカケスが2羽いるようですが、隠れ上手のカケスさん、とうとう見つけることができませんでした。
本棚沢が新緑の梢に見え隠れするのを眺めながら西沢に降りていきますが、この辺りは地形図が実際の登山道と違っているようです。





沢の上部に首を廻らすと一面若葉の林が頭上を覆います。ケヤマハンノキの2次林でしょうか。

本棚分岐・下棚分岐を分けながら、嫌になるほど木橋を渡り、石を伝って15:30,
箒沢権現岳分岐のベンチの広場まで下りてきました。
ここまで下れば後は40分ほど西沢を辿れば西丹沢登山基地、西丹沢自然教室のバス停です。





2015年4月19日日曜日

大杉山と弥七沢ノ頭

2015年04月18日(土)のち曇り

【山名】 大杉山(標高860.8m) 小割沢ノ頭(標高845m) 弥七沢ノ頭(標高955m)

【山域】 西丹沢

【ルート】 新松田駅バス停7:15=中川…登山口8:22…8:53踏跡のある尾根に合流
      …9:05杉林平坦地9:16…9:23馬草山分岐…9:44ザレ斜面の登り
      …10:00尾根の急登…10:17大杉山10:30…10:40小割り沢ノ頭10:42
      …アセビのピーク10:47…10:53危険なトラバース11:00...11:27仲ノ俣乗越
      …11:34標高900m(昼食)11:55…12:03橅ノ平…12:13弥七沢ノ頭…12:25橅ノ平12:36
      …日向沢ノ頭(ヒガタサワノアタマ)…14:25湯ノ沢下流堰堤14:31…中川温泉バス停14:54=新松田駅

 
ミツバツツジは咲いたでしょうか。西丹沢、湯ノ沢をとり巻く尾根を周回してきました。
大杉山は3度目ですが、今日のルートは初めてです。
         



登山口

登山口が旅館の裏手にあり、多くに登られているルートからは旅館の施設を見下ろすらしいので
影響のない別尾根に取り付いたのですが、急峻な尾根の直登に大汗をかいてしまいました。



雑木の森が植林地に変わる手前の標高470m辺りで左からトラバースしてくる踏跡に出合って一段落、
30分のアルバイトでした。



直に植林地に入ってひとしきりジグザグに登ると杉林の平坦地に出てヤレヤレの一服です。



馬草山の雑木の北東斜面をトラバースして行くと再び杉林になってコルに下ります。
右側は杉林で左側が急峻な湯ノ沢(十一ノ沢)がぱっくりと口を開ける崖、
平地に張り出した細長い小さな尾根筋を緩やかに上って行きます。




前方に現れたザレの急斜面(補助ロープあり)を上って、
湯ノ沢源頭を左にトラバースした地点から大杉山から西に出る尾根に登りあげます。

トラバース地点から手前に馬草山、奥に世附権現山を望みます。


尾根には仕事道の名残りがありました。


その前に、ザレ斜面の下を巻くしっかりした踏跡があったので進んでみると深く落ち込んだ沢に寸断されて終わっていました。見上げると斜面の右側、沢に落ちる面に危険防止の綱が張ってありました。
過去に事故のあった所のようです。沢と尾根が入り組んだ複雑な地形は要注意です。




左が雑木の斜面、右が植林の尾根を息を切らして上るとやがて全方位が杉の植林になり踏跡が消えました。
代わりに右方向からしっかりした踏跡が現れてそちらに誘います。
地形図で確認すると、右の踏跡は大杉山と戸沢ノ頭の稜線に出るようです。大杉山は直進です。




名のごとし杉に囲まれた大杉山です。
薄暗い平坦な山頂らしくない地味な山頂に、三等三角点と風化して読み取れない山名を記した棒杭が鹿柵の傍らに2つ並んでありました。




大杉山頂を北に少し歩くと柔かい陽光が抜ける自然林に変わって木の間に西丹沢の主峰檜洞丸や同角ノ頭を仰ぎます。




同角ノ頭が見える急坂を下ると、これから向かう弥七ノ頭も展望できます。

穏やかな上り下りの橅の道を小割沢ノ頭に向かいます。




小割沢ノ頭から左右に延びた尾根は右を下って白ザレの鞍部からアセビのピークに登り返しました。
右に小割沢に下る尾根を見送り、前方の白ザレのアセビのトンネルに入るとミヤマシキミの群生を見て鞍部(湯ノ沢乗越?)に下ります。




湯ノ沢の垂崖にしだれるミツバツツジの幽玄さ…山にある幸せをかみしめるひと刻です。



巻道の入り口
ところが、この鞍部からの登り返しでルートミスをしました。
眼の前の2mほどの岩付きの崖は厄介そうですが、白ザレの左の巻道もいい気持ちはしません。
先を行く相棒は既に巻道に入っていて大丈夫そうです。
それではと私も入ってはみたものの、やっぱり止せばよかったでした。
途中から二人して尾根筋に逃げる今日2度目のアルバイトでした。

巻道に入りかけた後続の男性に、尾根筋を上った方が良いですよと、思わずお節介をやいてしまいました。






山を仰ぎ、トウゴクミツバツツジを愛でる長閑な稜線漫歩です。





2つ目のピークから急な北西の尾根を鞍部に下ると、白ザレの上り返しで、
橅ノ平の南尾根に乗り替えました。

我慢の登りは最初の数分だけでピークを2つ踏むと仲ノ俣乗越の鞍部に降り立ちました。
登り返す尾根筋は厄介そうですが、左にロープが見えて、迂回路ができていました。

傾斜が緩んだ標高900mで東斜面に風をよけて昼食にします。
その間に大杉山からずっと後ろについていた単独の登山者二人が先行していきました。






    そして弥七ノ頭
変化に富んだ稜線歩きの終点はブナの大木が取り囲む広くて気持ちの良い橅ノ平。
橅ノ平から白ザレと苔と馬酔木の稜線を10分歩くと、そこは勿体ないほどの静寂のブナの頂、弥七沢ノ頭。
橅ノ平と弥七沢ノ頭の両方とも に山名も三角点もない山頂です。
 ひと刻、緊張から解放されます。




下山は湯ノ沢下流堰堤です。
橅ノ平に予定の尾根の(西南西尾根)下降点を示す目印のようなものは何もありません。
下る方向と現在地確認を把握しながらの慎重なルーファイが求められます。
単独の男性一人は先行して、残った単独男性が一緒に下ることになりました。
地形図で方角を確認して急な広尾根を下りはじめてしばらくすると尾根が2つに分岐します。
ここは右の尾根を選択して下って行くと次第に尾根が狭まり傾斜も増してきました。
標高820mで西に50m程トラバースして痩せ尾根に乗ります。





途中こんな処や、こんな場面があって楽しめました。。




そのまま痩せ尾根を下り続けて標高700mで日向沢ノ頭の鞍部に出ました。(振り返って撮影)


ここからは突然整備された丸太の階段が現れました。






標高762mのヒガタ沢ノ頭には南面に鹿柵が張り巡らされているので下降尾根の取付き地点を探して、
山頂を南の端から北の端まで往復しました。

箒沢の集落を望む北東斜面にトウゴクミツバツツジが春を告げていました。




結局、2つ目の脚立のある鹿柵が始まる手前から入って、右にトラバースしながら目的の尾根に乗りました。





日向沢右岸尾根は踏跡も確かで紛れなく湯ノ沢下流堰堤に導かれました。

トウゴクミツバツツジが見ごろを迎えています。
朝の西丹沢自然教室行きのバスは臨時便が出る混雑でした。
檜洞丸や丹沢の峰々がシロヤシオノで華やぐ日も近いです。