山のリスト

2014年7月26日土曜日

田代山(標高1971m)と帝釈山(標高2060m)



田代山は花の百名山、帝釈山は二百名山。

二つの山は阿賀野川水系~利根川水系の中央分水嶺の山でもあります。

季節は盛夏、田中澄江さんが愛でたキンコウカが湿原一面を金黄色に染めていました。

これほどたくさんのキンコウカの原に出会ったのは初めてです。

会津駒ヶ岳を望む湿原には、ほかにも普段見るより小ぶりなイワショウブが清楚に咲いてトキソウやタテヤマリンドウも見つけました。

時期を追って色々な花が咲くようで、チングルマやキスゲは種を宿しヒメシャクナゲは花が終わって常緑の枝を伸ばして元気そう。

木道の周回コースは反時計回りの一方通行です。雨模様の湿原にいるのは私達だけでした。

譲る間合いを気にせずゆっくり花を楽しむ事ができました。

尾根続きに帝釈山に向かいます。

田代山の弘法大師避難小屋から下って針葉樹の森に分け入ると登山道の両側にオサバグサの特徴ある濃い緑の葉をたくさん見かけましたが花はすでに終わっていました。

6月に帝釈山オサバグサ祭りが開催されるそうです。

帝釈山山頂直下のチョットした岩場の上りで雨が降り出しました。

ザアーッと雨音を立てて合羽を着ていても濡れてしまいそうな勢いです。

展望の良い山だそうですが、折角の展望が瞬く間にガスに包まれてしまいました。

田代山、帝釈山は時期を変えて登ってみたい山です。

アプローチがもう少し近ければと思いますが、また訪ねる機会もあるでしょう。

下山後はお風呂に直行しました。

老人福祉センターの日帰り温泉は源泉かけ流しのまろやか湯、とても気持ちがよかったです。

高速道路はお盆の渋滞に巻き込まれて、往復20時間の長時間ドライブになりました。

運転していただきました皆様、お疲れさま、そしてありがとうございました。

 

08/08渋沢5:20―15:30館岩村白樺の森キャンプ場(泊)

/09キャンプ場5:50-登山口6:15…田代山山頂7:50…帝釈山

…登山口12:50=自宅23:00

 
二百名山 帝釈山100/28座


2009-08-09 登山




乾徳山(標高2031m) 奥秩父



晴れ男と晴れ女が揃うとホンマにきょうはいい天気です。
車も快調に走って8:00には徳和スポーツ公園駐車場に到着しました。

乾徳山登山口へ分岐を左にリーダーに続きます。
徳和川の堰堤に出て前には進めないので橋を渡って右岸の樹林帯に入ります。
しかし登山口は発見できません。分岐まで戻ることにします。
途中で二人連れの釣り人に出会ったので、乾徳山の登山口はどこですかと尋ねると、
「この道ですよ。皆さん、そこの駐車場に車を置いて歩いて行きますよ」と答が返ってきました。
半信半疑で再び右岸の樹林に戻ってみたもののやっぱり変です。
多くの人が通っているにしては踏跡が薄い、地図では登山道は徳和川左岸側にあることになっている。
しかしGPSは「こちらで間違いない」という。
GPSが明確に判断できるポイントまであと300m、先に進むことにします。
結果、今度こそ分岐に戻ろうということになりました。
分岐に戻って最初とは逆の右に進みむとⅠ0分で、大きな標識のある登山口に着きました。

この登山口探しの道草はGPSに頼る以前に地図を読めるようになることが大切と気づかされたのでした。

小さな鳥居をくぐって、オソバ沢沿いにのぼって行くと、徳和林道を横切り急登が続きます。
大汗をかいて苦しかったのですが、銀晶水の冷たい水を飲むと汗が引いて元気がもどってきました。
急登の駒止を過ぎ、明るく開けたカラマツ林の中に水音が聞こえてくると心待ちにしていた錦晶水に着きました。
沢のどこかで蛙がいい声で鳴いていました。
ここから登り一辺倒の登山道がなだらかな登山道へと変わって大助かりです。

カラマツ林からカヤトの原に変わるころ国師ケ原の十字路に着き、右に大平牧場へ左に乾徳山下山路を分け、まっすぐに山頂へ通じる道はまた急になりました。
小石がゴロゴロして歩きにくいのでゆっくり進むと、たおやかに気持ちのいい扇平草原に着きました。


噂のクサリ場が現れました。そのクサリ場周辺に初めて見るクモイコザクラ咲いていました。
ハクサンコザクラに似たピンクの可憐な花です。

クサリ場は、なかなか手ごわくてやっとの思いでずり上がりました。

岩が累々、高度感のある山頂は圧巻でした。
いつものことながら、ああ!来てよかったと幸せな気持ちになりました。

乾徳山は信仰の山で高僧が修行をした山でありその古跡が残っていました。

登山者が込み合っていなかったので帰りも扇平までは往路を戻り、その先から道満尾根を下ったのですが、道満尾根にはミツバツツジや山ツツジがたくさん、時季にはツツジのトンネルが楽しめそうです。

森と草原と岩と美味しい清水と変化に富んだ乾徳山を余すところなく楽しめた山旅でした。
山梨市三富の笛吹温泉、笛吹の湯でゆっくり疲れを癒ました。



平塚5:20=須御坂越え=140号経由徳和スポーツ公園駐車場8:05
8:20林道分岐…ルートファインディング…9:40乾徳山登山口…10:05銀晶水10:10
…10:25駒10:50ニシキ晶水10:55…11:25月見石11:35
…12:15岩稜帯…12:30乾徳山山頂12:3513:30月見石…道満尾根
15:10徳和スポーツ公園駐車場=15:20笛吹の湯16:30

140号経由一宮御坂IC=河口湖IC=東冨士自動車道路=御殿場IC=秦野中井IC19:00平塚



二百名山 乾徳山100/12座


2007-07-06 登山




 

2014年7月24日木曜日

旭岳(2290m)表大雪 と ニペソツ山(2012.7m) 東大雪

登山に3日必要なカムエク(日高山脈)は肝心のアタック日に晴天が見込めないので諦めました。
なかなか登らせてもらえない山があるかと思えば、何度も上ることができる山もあります。

カムエクの替りに大雪山とニペソツ山に上ることにしました。
大雪山は「何度でも上りたい山」、ニペソツ山は「もう1度上りたい」と思っていた山でした。


姿見の池は姿なく、ガスをついて上ります。
15日は大雪山です。
生憎の雨もよい、旭岳へ4つある登山口の中からロープウエイで手軽に日帰ができる旭岳登山口を選びました。
旭岳から間宮岳、中岳、裾合平と周回できれば雄大な表大雪山を味わえると思ったのでしたが、
ガスに包まれ、強風に吹かれては仕方がありません。
またの機会に譲って、旭岳山頂をピストンしただけで下山しました。


午後はニペソツ山の登山口糠平温泉の国設野営場にテントを張ってのんびりしました。

       国設野営場の入り口にある
      「ひがし大雪自然観」で
      や山の展示を楽しみました。

      スクリーンに映し出されたニペ
      ソ山の映像に心躍りました。

       明日は晴れの予報です。
 
 
 

16日 ニペソツ山に上る朝は期待にたがわぬ晴天になりました。

ニペソは「シナノキの樹皮」、オツは「多い」という意味です。
アイヌの人々はシナノキの樹皮で布を織っていました。
ニペソツ山はアイヌの人々の生活圏だったようです。

野営場を4:00出発、杉沢出合の登山口を4:35分スタート、十六の沢にかかる丸太を渡って尾根に取り付きます。
標高1484mの小尾根までは展望の利かない樹林帯を、エゾマツの巨木を見ながらなだらかに淡々と辿ります。


下山時に撮影のピリベツ岳(1602m)と西クネマシリ岳(1635m)
小尾根から通称オッパイ山と呼ばれる西クネマシリ岳が望め、小天狗までは急登が続きます。
小天狗の大岩を乗り越し、所々水溜りのできた登山道を*天狗のコルへと緩く下ります。
(水場表記のあるテント場=水場は余り当てにはできない、テントと2張分のスペース)


ハイマツやハンノキのトンネルを抜けると右手に石狩連山があらわれ、双耳峰の石狩岳を望みます。


ザレ場に出ると忠別岳や五色ヶ原、トムラウシも姿を現します。

ハイマツ帯を過ぎると登山道は前天狗のゴーロ帯を行くようになります。
高山植物の種類も量も増えてルンルンで飛び石伝いに上って行きます。



突然ニペソツ山が姿を現します。
ここへ来るまで1度も姿を見せなかったニペソツ山、自然の演出に微笑む瞬間です。

前天狗岳鞍部にゴーロを下りで始めるとナキウサギの声が聞こえます。
一目姿をみたいと視線をめぐらしますが残念、見つけるることはできませんでした。


上り返した天狗平から天狗岳の奥にニペソツ山の鋭鋒を望みます。
アップダウンを繰り返して、まだ2時間はかかるでしょう。


トムラウシが目の前に望まれ、表大雪と十勝連峰、石狩連峰を一望します。



天狗岳から吊尾根のニペソツ山が雄大です。
トンガリ山頂に吊尾根、恰好いい山です。



遮るもののない360度の展望。
深い森を見下ろして、「熊がいるのが自然だね」と仲間がつぶやきます。


 
山頂の展望は天下一品、旭岳からトムラウシ、オプタテシケ山、十勝岳、富良野岳、石狩岳など
大雪国立公園の主稜の山々が展望されます。


辿ってきた前天狗、天狗平方面を望む。


 
 ウペペサンケ山
糠平湖の西方にある標高1848mの山、山名は「ウペペ=春の雪解け水」というそうです。
いつかは登ってみたい山です。


シコタンソウ(ユキノシタ科)花びらの斑点が特徴です。


ミヤマアズマギク(キク科)とエゾルリソウ(ムラサキ科)
オプタテシケ山で初めて見てから長い間名前の判らなかった、憧れのエゾルリソウが咲いていました。


トカチフウロ(フウロソウ科)とフタマタタンポポ(キク科)、エゾルリソウが一緒に咲いていました。


イワブクロ(オオバコ科)は今が旬、今回訪れたどの山にも群生していました。


イワウメ(イワウメ科)は花は散って実を結び始めていましたが、、このマットはまだ花が残っていました。


リンネソウは(スイカズラ科)、リンネ博士にちなんだ命名とか、暑寒別岳で初めて見て、気に入りました。



イワヒゲ(ツツジ科)も私の好きな花、これでだとは驚き、白い釣鐘状の花を下向きにつける姿が素敵。


カラフトゲンゲ(マメ科)
一瞬レブンソウかと思いましたが、礼文島にしかない固有種が変だなと思ってよく見ると、花が下向きに咲いている。
崖下には仲間のリシリゲンゲも咲いてたような、とにかく花の種類が多い山です。

他に、ウサギギク・ウメバチソウ・チシマキンレイカ・チシマキキョウ・ゴゼンタチバナ・シナノキンバイ・オダマキ・エゾツツジ・コケモモ・ジムカデ、アオノツガザクラ・エゾツガザクラなどが咲いていました。


クモマユキノシタ(ユキノシタ科)
クモマユキノシタは赤茶色の茎と白い花の対比を印象的に覚えていたので、最初は名を知らぬ初見の花と思いました。
全体に色が淡いのは登山道のハイマツの陰の湿った土手に生えていた為なのかなぁ?


山と展望と花を楽しんだら下山します。
ニペソツ山はここで見納め、また会えるかな。


2014-07-15 旭岳

大雪山旭岳ロープウエイ駅6:30=6:40姿見6:50…石室7:20…9:00旭岳山頂9:10
…地獄谷10:00…石室10:10…姿見駅=大雪山旭岳ロープウエイ駅


2014-07-16 ニペソツ山

国設糠平野営場4:00=十六の沢コース登山口4:35…1P6:00/6:07(C.1445m)
…2P7:40(C1720m)…3P8:20(C 1830m)…10:35ニペソツ山頂11:00
…4P12:16(C1795m)…5P13:13(C1745m)6P14:30(C1440m)
…十六の沢登山口15:00下山=国設糠平野営場



2014年7月23日水曜日

羅臼岳~硫黄山縦走 知床 ②

 

隣のテントの物音で目覚めるとまだ3:00、3:30までまんじりします。
お隣さんは4:00に出発して行き、私たちは5:00を過ぎました。
晴天のはずだったのに…濡れごろのこぬか雨に今日も合羽を着てのスタートです。



最初のピーク南岳(1459m)は根張りとハイマツがうるさい稜線に強風が吹き付け、気が抜けませんでした。



南岳山頂を過ぎ、砂礫地に入るとお目当ての「シレトコスミレ」が咲いていました。
時期的に遅いので出会えないかもしれないと半分諦めていたので、ひとしおに嬉しい出会いです!



知円別平のチングルマロードはふわふわと夢心地。
立ち止まらずこののままずっと歩き続けたい、写真を一枚だけとって、すぐに歩き始めます。
心にしみる遊歩道です。



 ここが中の廊下でしょうか、ガスのオブラートで怖さ知らずに。
コマクサが一輪だけ咲いていました。

尾根から雪渓に出たところで、ホワイトアウトも重なって第二前衛峰の肩への道を見失い、ルートファインディング。
ガスの間隙をぬって、雪渓の傾斜の緩いところを選んで横切った対岸には道が見当たりません。
そのまま雪渓の縁の草付きを這い上ると、夏道が見つかりました。
雪渓は斜上しながら対岸に渡るが正解のようですが、斜度がきついのでこの時期はアイゼンがあると安全でしょう。



短い雪渓を渡ると、いよいよ硫黄山本峰の基部に出ました。






前衛峰に四ツの火口と外輪山、雪渓、高山植物と多様な自然に富む硫黄山です。
硫黄山本峰は岩塊が積み重なった野性味にあふれた荒々しい風貌をしていました。
岩塊の縁や窪地には美しい高山植物が咲いて華やかな優しさもありました。




硫黄沢のルートはワイルドでした。


これはもしかして?


硫黄沢を距離にして10m弱下りすぎた地点。
尾根の取り付き(C.970m)には、それ以上下らないように沢にロープが渡してあると、
山頂にいた男性から聞いたにもかかわらず、見過ごしてしまいました。
疲労が集中力を散漫にします。
取り付き地点に戻って大休止、温かい雑炊をいただきました。



すっかり天気が回復して、眼下にマリンブルーのオホーツク海が望めました。
漁船でしょうか、白い航跡をひいて行きます。



新噴火口付近ではかつてイオウの採掘が行われていたとのことで、いまもいたるところから活火山の証の蒸気が吹き出しています。



ヒグマの恐怖を抱きながらのタフな縦走でした。

カムイワッカの滝ゲートに出迎えの人影を見つけた瞬間、疲労がすーっと解けていきました。
昨年西別小屋で懇意になったTさんが、駐車地の木ノ下小屋へ回送の為に中標津から駆けつけて呉れたのです。



2014-07-13

二ツ池5:08…6:08南岳山頂…知円別平7:10…7:37中の廊下…8:38第2前衛峰鞍部
…9:35硫黄山山頂9:45…10:17硫黄沢源頭…11:11尾根取り付き11;30
…オホーツク海展望12:15…12:56新火口…硫黄山登山口13:45
…カムイワッカの滝ゲート14:00=木ノ下小屋駐車場=知床自然センター(熊スプレー返却)