山のリスト

2014年3月8日土曜日

涌蓋山(九重山群標高1500m)


テレビを見ている夫が「ここに行こう」と言っています。
山峡のあちらこちらからもうもうと立ち上る湯けむりの情景が画面に映っていました。
大分と県境を接する熊本県阿蘇郡小国町、涌蓋山西麓の標高760mに独自の温泉景観を見せるわいた温泉郷の「はげの湯」です。


林道から登山道がつけられた放牧場と涌蓋山を望む

はげの湯には温泉に加えて、涌蓋山の牧野登山口があります。
涌蓋山は九重連山の西北端に位置し九重の他の山に比べると登山口へのアプローチが難点のようです。
適度な傾斜の上り一辺倒、はげの湯からは山頂まで2時間ほど、学校登山も行われる安全な山なのだとか、
姿の良さから小国富士との別名があるようです。
11月の山の事故からそろそろ4ヶ月、リハビリトレーニングの仕上げに涌蓋山に上ることにしました。


JR日田彦山線のローカル線で小倉まで。彦山駅では雪が舞いました。(3/6)
夫と私の思いが重なり、いささか遠い九州へと出かけることになりました。
鉄道の旅がしたいという夫の希望を半分だけ入れて復路を鉄道にしましたがやっぱり遠い。

旅行出発の日、私の涌蓋山登山予定日の3月5日は雨予報になりましたが、登山靴は持って出ました。


宿の露天風呂から涌蓋山を展望


「はげの湯」は、看板に偽りなし、
涌蓋山の展望と湯けむりの風情、自然の懐にすっぽり包まれて静かな湯あみを堪能しました。


3月4日
15時ころ宿に着くとすぐに、明日雨で登山できないならと宿から一時間ほどの登山口まで散歩に出ました。

第1登山口(標高900m)
 
牧草地から振り返る万年山
はげの湯の湯けむり
 
放牧地上端の登山指標と有刺鉄線
 
第2登山口、治山事業の看板が建っている
 
3月5日

昼頃には雨が上がって時折青空ものぞくようになり、涌蓋山が顔をのぞかせるまでに天候が回復しました。
すわ鎌倉!じゃなかった涌蓋山!13時に宿を飛び出して昨日歩いた第1登山口へ一目散に向かいました。

第1登山口から第2登山口までは登山道と林道歩き10分で40分程ですが、地形図を見ると1101ピーク東鞍部の第2登山口へは林道を歩かなくても1101ピークへ直登して行けそうです。


ここから右の山腹に取り付く、この涸れ沢の上部は治山事業の崩壊地
第1登山口を見送って林道を奥に進んだ沢(涸沢)から1101Pの山腹に取り付きます。


第2登山口は草原斜面の左上に見える残雪の治山事業の崩壊地の右手下方になります。
カヤトの牧草地を急登して登山道のある隣りの尾根を左下に林道終点を右下方に望む1060m地点まで登って時計を見ると1時間が経過していました。
予定以上に時間がかかっています。
宿には17:30迄に戻ると伝えてあるのでこのまま続けても大丈夫だとは思いましたが、
牧草地上部に張ってあるだろう有刺鉄線のこととか気になりだして、一方林道終点のあるものにも
興味をひかれたので、見切りをつけて林道終点まで一旦下ることにしました。



牛さんの何かをするのに使うのでしょうが???


振り返り見ると傾斜はさほどきつそうには見えませんね。雨裂や牛さんの落とし物など障害物がありました。右の尾根筋を行った方が傾斜は楽ですね。

涌蓋山下方緑に囲まれた尾根に登山道が拓かれている。正面の牧草地は1101ピーク。
第2登山口はこのピークの裏側にあるのです。

林道終点から400mほど戻った第1登山口から14:25仕切り直して登山道を行きます。



第2登山口の丸太の階段を登るとミヤコザサの下草が覆うカラマツ林が続きます。
途中登山口に看板の説明があった崩壊地の真上を通りましたがそのあたりから残雪が出てきました。




崩壊地を過ぎると植生はカラマツに変わってノリウツギやアセビなど灌木が混じるようになり次第に灌木だけになって視界が利くようになりました。




灌木もやがてキリシマツツジやカヤトに変わって、束の間青空が広がって行きました。

山頂が間近になると雪解けの黒土が滑ること、靴の汚れを気にする余裕を与えてくれません。



最初に現れたのは石造りの社でした。



その次が山頂標。



九重の展望は、残念ガスに包まれていました。
天気予報通り、じっとしていると震えがくる寒さです。



長居は無用と、最後に2等3角点を眺めて下山にかかりました。
霧氷も結び始めたようです。



かとおもうとこの青空。


黒土は獲物を待伏せるようにスリップの罠を仕掛けてきました。
気遣いなく汚れるに任せるしかなかった靴を雪だまりの雪で洗ってあげます。



牧草地とはげの湯の景色が美しい尾根を下って約束の17時半にはお宿に帰りつきました。

2014-03-05 登山


2014年3月7日金曜日

浅草岳(標高1585.5m) ヒメサユリ咲く


前岳雪渓にて

五味沢のネズモチ平登山口を6:00にスタートします。
雪椿やタニウツギが咲く林道からぬかるんだ湿地帯を抜け2度沢を渉って
標高1000mを過ぎたところで尾根にとりつきます。
ブナの原生林を見上げ、時に触れながら、また花を楽しむ。

岩稜の急登を標高1350mまでこらえるといくらか傾斜が緩んできました。

稜線の前岳まではまだまだ苦しい上りが続きます。
 

カタクリ・ツバメオモト・キクバオウレン・コイワカガミ・ゴゼンタチバナ・マイズルソウ・

ウラジロヨウラク・ツマトリソウ・シロバナハンショウヅル・ベニドウダンツツヂ・オカメノキ・

ナナカマド・アカモノ・チゴユリ・ミツバオウレンなど高山植物が数え切れません。
 
しかしお目当てのヒメサユリはどこでしょう。
 

足元の悪い樹林帯で休憩となり、ふと見あげた頭の上に、ヒメサユリが一輪咲いていました。
初対面のヒメサユリはササユリより小振りで色も濃いピンク色でした。


山頂から眺める守門岳
 
山頂直下ののぼりから、鬼ヶ面山を見る。
 
その後もぽつんと何本かは咲いていましたが、こんなもんじゃないでしょうと内心思いながら、前岳の雪渓を過ぎ、池塘を過ぎ、とうとう山頂についてしまいました。
  平ヶ岳、会津駒ヶ岳、燧ヶ岳など望まれ、鬼が面の岩壁や守門岳もすぐそばに見えます。地元の人が「今年は雪解けが一ヶ月程早かった割には、花が遅いなあ」といって毎年よく咲く避難小屋の方まで見に行かれたが「咲いていなかった」といって間もなく戻ってこられました。
私たちは半ば諦め気味に頂上を後にします。

 
キスゲと一緒のヒメサユリ

ところが下山にとった桜曽根登山道で数本が一ヶ所にまとまって咲いていました。
やっぱり華やかでこれぞ期待したヒメサユリに出会った思いでした。
傍らの雪の残る斜面にはシラネアオイやカタクリも咲いていました。
往路のネズモチ平登山道に比べると段差が緩く滑る心配がないので歩きやすい桜曽根登山道のおかげでお昼前には出発点に下山することができました。

時間に余裕ができた私たちは、近くの自然体験舘エコミュウージアムに立ち寄りました。 そこで、「自然不思議大発見の面白体験講座」を受講したのですが、めちゃくちゃ楽しくて大当たりでした。
おちゃめな大島ガイドの巧みな観察指導で、自然のマジックにすっかり魅了されたのでした。
ちなみにツルアリドオシは別々に咲かせた雌花と雄花が赤い実になる際にくっついて、
ひょうたんの形になるそうですよ。

その後寿和温泉で汗を流して、明日に備えて守門岳二口登山口駐車場にテントを張りました。

平塚20:00=あきる野IC=関越道小出IC0:40=入広瀬道の駅1:00(テント泊)

浅草岳ネズモチ平登山口6:007:45前岳…8:00浅草岳9:00…前岳…(桜曽根登山道)嘉平与ボッチ10:30
…桜ゾネ広場…11:15ネズモチ平登山口=11:30浅草岳山麓エコミュージアム14:30
15:00寿和温泉=16:30守門岳二口登山口(テント泊)

三百名山 浅草岳100/8座

2007-06-22~23





守門岳(標高1537.2m) ヒメサユリの山



5:40今日もいい天気です。登山道はブナの樹林を辿ります。

気分が清々と急登がさほど気になりません。護人清水の冷たい水はなによりの御馳走です。
891mピークを過ぎると気持ちのよい稜線歩きです。
中間点の標高1000mは眺望がよく、対面の滝が涼しげです。
しかしこの先大岳分岐までの40分は樹林帯の急登に苦しみました。


ハート形が人気

途中シラネアオイやミツバオウレンなど咲いていましたが、ヒメサユリは見当りません。
池塘にイワイチョウが咲いていましたが、草原の花の多くはこれからのようです。
青雲岳山頂の木道は多くの人で行列ができていました。
:50守門岳に到着です。登山者が着くたびに鳴らす、鐘の音が響きます。
みなさんヒメサユリ見たさに上ってきたのでしょうか、山頂は大賑わいでした。
ゆっくり40分ほど休んで大岳分岐まで来た道を戻ります。

陽射しを強く感じるようになりだいぶ暑くなってきました。
分岐からは一旦下って、上り返す大岳への急登です。
暑くてしんどい登りの連続に嫌気がさしてきたころ、咲いているよ!の声がかかって救われます。




可憐に咲いていました。イメージ通りです。
降りてくる人・上る人みなカメラマンになって混みあいます。

日当たりのよい登山道はヒメサユリをはじめキスゲ・タニウツギ・コバイケイソウ・ゴゼンタチバナ・ヤグルマソウなど花の道です。    

守門岳の展望が素晴らしかった。
青雲岳や袴腰岳の美しい残雪の光景が広がります。私たちも周りの人にならって腰を下ろして眺めます。
越後の山は大好きですが、残雪のころはまた格別です。

下山はキビタキ清水で喉を潤し、保久礼小屋脇に流れる清水で備え付けの靴洗いブラシを借りて悪路の泥を落とし、1320にスタート地点の二口登山口に戻りました。

神湯温泉で汗を流して、守門・浅草岳にヒメサユリを訪ねた感動の山旅を終えました。

 
守門岳二口登山口5:40…6:05護人清水→6:45ピーク891m7:25中間点
…8:35青雲岳…8:50守門9:30…10:50大岳…11:5不動平
11:40キビタキ清水…12:20保久礼小屋…12:50駐車場…13:20守門岳二口登山口
=神湯温泉=関越道小出IC=関越あきる野IC=平塚20:30


二百名山 100/15座
 
2007-06-22~23 登山