山のリスト

2013年2月10日日曜日

後立山縦走{白馬岳・鑓ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳・杓子岳・小蓮華山・唐松岳・爺ヶ岳}


一日目 
栂池ビジターセンターから登山道に入る。
天狗原まで一時間。安山岩の大石をヨイコラ乗り越えて、
ハイマツが生い茂る真平らな乗鞍岳山頂に登る。
迷いやすい地形を遭難碑やケルンに導かれ白馬大池東岸にでる。
初めて訪ねる山上の大池。まっ赤なナナカマドに黄色のダケカンバ、
緑のハイマツ、青い空に青い池、自然が織りなす景観に息をのむ。
サンショウウオがいるという池の北側を廻り込んで
冬じまいを終えた白馬大池山荘に着く。


山荘から分岐する蓮華温泉への登山道を分けて雷鳥坂から主稜線にでる。
小蓮華山を過ぎると肌を刺す冷たい風に雨具を重ねる。
そういえば去年の今頃三国境で低体温の遭難事故があったことを思い出す。
ヘッドランプの電池を詰め替えようとすると電池が一本足りない。
そんなばかな!昨日新しい電池を三本確かに補給したのに、
青くなって探すといつの間に落ちたのだろう…ポロンと地面に転がっていた。
動揺したつもりはないのに急に疲れを感じて一歩が苦しい。
砂礫の急登をあえぎ喘ぎやっと馬ノ背を上る。
あぁ、紅に雲を染める太陽が沈んでいく…狭い岩の間を抜ける。
ついたぁ!白馬岳山頂についた。

二日目
寒い朝、ストーブに15人の人垣ができた。
丸山の上り途中で先行の4人パーティに道を譲ってもらう。
同じルートの人に会うと心強いねと話す。
幾つかの小さなピークを越えて縦走路の分岐から20分、
急なガレの上りで杓子岳山頂に着く。
杓子岳のコルで再び縦走路に戻り急なザレ場や岩場を
一旦偽ピークに乗るとすぐに白馬鑓ヶ岳山頂だった。
初めての白馬二山は霧の中だった。この日は1日中ガスが晴れなかった。
そしてあの4人組は白馬鑓ヶ岳の上り以降姿を見ることはなかった。
最初のエスケープ候補、鑓温泉への道を見送る。
その登山道を単独者がガスをついて登ってきた。
天狗山荘で風をよけながら暖かいコーヒーとパウンドケーキを食べ、
後立山の稜線で最も岩稜らしい風貌を見せる不帰嶮に向かう。



穏やかな道から岩稜のガレの縁を行くようになり、
標高差300mを一気に下る天狗の大下りで不帰キレットに降立った。
キレットの底から一峰、核心部の二峰には長い鎖場や梯子が連続、
Ⅲ峰まで三点支持を守って慎重に越えた。
砂地の斜面をゆっくりと登り、唐松岳山頂に13:55到着。
大黒岳と白岳の鞍部で霧が動いて霧と紅葉と岩峰が織りなすファンタステイックな情景に出会う。
霧に呑まれたり放たれたり、異次元の旅人気分で幻想的な空間を歩いた。



三日目 
放射冷却の朝、これ以上ない青い空が広がった。
五竜岳がスッキリと見えている。
山頂へG0ノ頭とG2ノ頭の2つの岩のピークをトラバースして行く。
G2ノ頭のシラタケ沢側の岩壁が五竜岳の山名の語源とも言われる
「割菱紋」だそう。
東西に長い五竜岳の西奥に三角点があった。
眺める鹿島槍ヶ岳の双耳峰が比べようもなく美しい。

東面岩場から、これから歩く稜線にダイナミックに岩稜が突き上げている。
山頂から急なザレ場を鎖で下るとジグを切ってなおも下り比較的緩やかな稜線に出る。
G4から黒部側を巻きながら鞍部に下る。
鞍部からG5の上り返しは切り立った岩場を梯子や鎖に頼る悪場。
G5の下りも同様ザレた岩場を赤坂で再び黒部側に出てまた上り返して
五竜岳も鹿島槍ヶ岳もアルプスもすこぶる展望のいい北尾根の頭に乗る。
緩い斜面を下っていくと待望の口ノ沢のコルに到着する。
テントが張れる広さ(テントは禁止)ずっと緊張して来た気持ちがホット休まる。
口の沢のコルから3段上り2段鎖場上りなど、黒部側に鎖を回して切られた登山道を上下して、
最後に垂直な梯子を上りまた下るとキレット小屋が現れた。
前後に断崖左右が岩壁、吹き抜ける風はお湯を沸かす間さえ凍える冷たさ。

小屋上の小ピークを乗り越し垂直の鉄梯子で下ると、
右側の頑丈な鎖を掴んで急斜面をトラバースしながら黒部側に回り込む。
左側はカクネ里へスッパリ切れ落ち、岩の間から地の底を覗いて鳥肌が起つ。
最低鞍部は右側が切れ落ち、頭上に小ピークがハングしているので、
恐ろしくなるほどの高度感に震える。

小さな桟道を渡り梯子を上るとキレット越えが終了。
ハイマツと岩稜の稜線をひたすら上ると最初に鹿島槍ヶ岳北峰に乗り、
吊尾根の稜線に出る。
展望は南峰がよい。
北に歩いてきた白馬三山・唐松岳・五竜岳。
南は爺ヶ岳・針ノ木岳へ延びている。



圧巻は剣岳。
きょうは一日中見えていたような気がするが、鹿島槍ヶ岳から眺める剣岳は特別に素晴らしい。



四日目
朝日に耀く爺ヶ岳標高2670m、美しい!
展望の良さも抜群、槍ヶ岳や穂高岳もみずみずしく輝き
だがなんといっても鹿島槍ヶ岳の洗練された双耳峰は天下一品、
うっとりと心奪われる。

満たされた思いで広々としたハイマツ帯を種池山荘に向かう。



赤いお屋根の種池山荘と雄大な立山連峰の眺めは、ここはヨーロッパアルプス?ダイナミックな展望に感動!
この旅の有終の美を飾るにとっておきの景色だった。

10/11 松本10:00=栂池12:45…ライチョウ坂16:00…18:20白馬山荘
10/12 山荘6:55…杓子岳…鑓ヶ岳…天狗山荘10:20…11:35不帰嶮…13:55唐松岳山頂
     …1,450ピーク15:43…16:30五つ竜山荘
10/13 山荘6:15…7:10五竜岳山頂…9:15口の沢残る…10:20期レット小屋10:47
     …11:53鹿島槍ヶ岳北嶺…12:45南峰13:15…14:30冷池山荘
10/14 山荘6:45…矢賀岳北嶺…中身ね…南峯…8:34種池山荘…10:30扇沢登山口

2007-10-11~14 登山

標高順位 26位白馬岳2932m/32位鑓ヶ岳2903m/36位鹿島槍ヶ岳2889m

       57位五竜岳2814m/60位杓子岳2812m/71位小蓮華山2769m

       92位唐松岳2696m/99位爺ヶ岳2670m

百名山   白馬岳100/17座 /五竜岳38座/鹿島槍ヶ岳39座

三百名山  唐松岳10座  , 爺ヶ岳11座






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