2014年11月5日水曜日

丹沢 山神峠から伊勢沢ノ頭・檜岳

 同角山稜・石棚山を正面に眺めながら玄倉林道を一時間で最初のトンネル境ずい道までやって来ました。
6名の仲間と北の玄倉から山神峠・伊勢沢ノ頭・檜岳を経て南の寄に抜けます。



トンネルの出口を左に、玄倉川側の山腹を巻いてトンネルの上に出ます。
伊勢沢ノ頭北西尾根の出だしは痩せて急ですが、C750mまで乗り上げると傾斜は落ち着きます。



檜の植林地が広がる大撫丸の954mピークを踏んで南東に下ると、朽ちかけた社が建つ山神峠です。

かつて往来の多かった蕗平橋から大撫丸の南西山腹を巻いてくる山神峠へのルートは、現在は落石や崩落で通行が困難になっています。





峠から更に南東に伊勢沢ノ頭に登り返す標高1040m辺りから山林用の軌道に出会います。
標高1100mの展望地での昼食休憩は吹き上げるガスが冷気を運んで予定を早く切り上げます。
南の秦野峠から上ってくる登山道に出会うとすぐ右に伊勢沢ノ頭(1177m)です。
天気が良ければ富士山も南アルプスも眺望できるのですが、きょうは遠目がききません。


ヤマボウシの実のたわわに。


檜岳(1166.8m)へ北東に進みます。
ただでさえ気持ちの良い自然林の続く稜線を、ガスに霞んで淡い優しい色の紅葉に浸りながら歩きます。
檜岳山頂が近づくと明るい赤褐色のつるつるした樹皮のヒメシャラに目を奪われます。
こんなにかたまって生えているのは丹沢では珍しい気がします。



檜岳の誰もいない静かな山頂です。
秦野峠方面に少し戻って、檜岳南東尾根を下ります。
株立ちのヒメシャラの木を目印に登山道から左に入ると左手の植林帯の上に切られた径路を下り、753mピークを巻くとそこからは仕事道の九十九折の歩きやすい道で秦野峠林道に降り立ちました。

寄大橋を渡って寄バス停までの30分、私はのろのろ歩きでバス出発にぎりぎり間に合いました。



10/26 新松田(バス)7:30=8:30玄倉8:45…玄倉林道…9:50境隧道9:55…伊勢沢ノ頭北西尾根
     …P954(大撫丸)…11:38山神峠11:40…展望地(C.1100m)休憩12:40…13:05伊勢沢ノ頭(C.1177m
     …檜岳山稜…13:40檜岳(c.1166.8m)…檜岳南東尾根…寄大橋15:10…寄バス停15:44=新松田

2014-10-26
 
 
 
 


2014年11月4日火曜日

丹沢 霧の日


三日振りに晴れ予報が出たので、ぶらり塔ノ岳に上りました。







登るにつれてガスがかかりはじめます。

 
 
 
やがて紅葉の中に





 
 
 
2014-10-24
 
 
 

2014年10月15日水曜日

金時山(標高1212m) 箱根カルデラ外輪山




静岡と神奈川の県境にはいくつかの金太郎伝説が語り継がれています。
中でも足柄山で熊と相撲を取った昔話は有名ですが、これらは江戸時代には浮世絵や歌舞伎に登場し、
既に猪鼻嶽と呼ばれていた箱根外輪山を改に「金時山」と命名するほど金太郎伝説はもてはやされたそうです。
今回はマサカリ担いだ金太郎が闊歩したであろう足柄を起点に【金時山】に上ります。
スタートは南足柄市の道了尊(曹洞宗、大雄山最乗寺)です。
久しぶりに訪ねた道了尊は、“こんなにいいところだったかしら”と懐かしい気持ちがしました。




樹齢500年とも聞く、杉の参道を辿り碧落門から道了尊境内に入ります。



正面の石段を上がると、開け放たれた本堂の天井から吊り下げられた天蓋に、目を奪われました。



鐘楼は彫刻が施されて凝った造りです。
辺りの景色と相まって、紅葉の頃は一段と趣深いことでしょう。



 多宝塔や不動堂を過ぎ行き、山水庭園の赤い橋を渡ると、左右に烏天狗と天狗が安置された結界門が現れました。



雰囲気のある結界門をくぐると、道了尊の真骨頂、長い石段(350段程)連続して御真殿、奥之院に導かれます。
御真殿は最乗寺が道了尊と呼ばれる本丸、天狗の高下駄が小から極超大まで境内に奉納されています。
ここからも明神ヶ岳に上る登山道がありますが、きょうは奥の院から出ている破線の登山道を行きます。



こちらの方がいかにも結界門らしい門をくぐると、石段は奥の院へと上り詰めます。
石段の途中、ここにも天狗さまが両脇に安置されています。



奥ノ院を過ぎると漸く登山口に到着です。
金時山は矢倉沢峠からさらに45分ですから、4時間以上かかります。


最初は檜の植林地を行きますがやがて雑木林になります。
紅葉にはまだ間のある林にはトリカブトが群生しています。
毒草と知ってか鹿が食べないトリカブトは、この先もっと増えるのかもしれません。



トリカブトに負けないくらいサラシナショウマも咲いています。
サラシナショウマとトリカブトの白と紫の花色だけではどこか淋しくて、
足元のヤマボウシの赤い実は貴重な山の賑わいです。



9:30、2時間半かかって稜線に出ました。
分岐から左に10分で明神ヶ岳ですが、寄り道せず右に金時山に向かいます。
苅川峠へ抜ける稜線はウメバチソウやセンブリ、マツムシソウ、シオガマギクなど秋の花がたくさん咲いていました。


ノコンギク                             コウゾリナ


アケビの谷を抜け、ハコネタケの一本道から矢倉沢峠に下りはじめると金時山が大きく展望されるようになります。
見えている急登も45分我慢すれば山頂です。




1m低くなった標高は訂正されて1212mになっていました。
連休の中日、たくさんの登山者です。
大きな山頂標の前では横断幕を広げて登頂400回の記念撮影中でした。



展望ははっきりしませんが、大涌谷や芦ノ湖が何とか確認できます。



お隣のパーティはシャンパンでお誕生祝いです。




山頂を北に、金属製の梯子がかかる登山道を足柄峠方面に下山します。



きょう初めて富士山が見えました。
この展望所から直進すると足柄峠ですが、私たちは右折して「金太郎コース」に入り、夕日の滝に下山しました。



夕日の滝にあった案内板です。
地蔵堂と呼ばれる地名のこの辺りも金太郎伝説の里です。
「金太郎の生家跡」があります。



夕日の滝
1月中旬、夕日が滝壺を照らす日がたった一日だけあるそうです。


2014‐10‐12登山


6:26(電車・車)=大雄山最乗寺境内7:05…本堂…鐘楼…結界門…御真殿…奥ノ院…7:30明星ケ岳登山口…明星・明神ヶ岳分岐9:30…火打石岳…11:20矢倉沢峠…うぐいす茶屋11:40…12:20金時山頂上13:07…13:31夕日の滝分岐…丸鉢山…14:45夕日の滝15:05…15:20地蔵堂15:25(バス)…関本16:03道了尊(大雄山最乗寺)16:15(車・電車)=自宅17:30





2014年9月29日月曜日

安達太良山 (標高1699m) 磐梯朝日国立公園

薬師岳から望む安達太良の山並み
16号台風一過の9月26日、安達太良山に出かけました。
奥岳登山口~くろがね小屋~峰の辻~牛の背~安達太良山~薬師岳~五葉松平~奥岳登山口と歩きました。



くろがね小屋までは旧道と馬車道の2つのルートから馬車道を選んでのんびり歩くことにします。
路面をところどころ埋れ木で均した広い道には、轍も見られました。

彩づき始めた森、秋の花、苔の生えた石垣から湧き出す金明水に喉を潤し、虫眼鏡で見る苔の神秘に驚いたり、
直登の旧道と度々交差しますが、仲間の誰も旧道に入ろうとは言い出しません。



突然前方に現れた鉄山に仰天します。
岩壁は錦絵の屏風、山腹は金襴緞子の花嫁衣裳をまとったよう、鮮やかに彩づいていました。



視界一面の天然色パノラマに歩みも滞ります。



くろがね小屋は紅葉にすっぽり包まれていました。
馬車道の途中で二人連れのご老人に出会い、「お泊りでしたか?」
「良かったよ!」とお二人揃っていいお顔をされていましたが、
この景色に送り出されたのでしたか!



くろがね小屋を後にすると山登りの領域に入って、紅葉も一段と赤率が高まります。



紅葉の左に矢筈森、右に鉄山、繋ぐ稜線の錦秋の火口は、青空につるされた天蓋のよう。

火口をを横断して馬ノ背からくろがね小屋に通づる登山道は、現在は有毒ガスにより閉鎖されています。



峰の辻へ赤く染まった山腹を上って行きます。

A    「いやぁ~安達太良山っていい山なのね!みなおしたわぁ~」
雨男  「晴れればみんないい山さ!」
     

C          「。。。。。。(ー_ー)!!」



峰の辻 から安達太良山を望みます。



牛の背の稜線まで15分の上りです。
春は残雪が、秋は紅葉が柿色の山肌に絢を添えます。



鉄山と舟明神山に囲まれた爆裂火口の沼の平
こんな殺伐とした光景を目にすると安達太良山が、活火山であることを認識させられます。
千恵子抄からイメージする儚げさとは大違い、火口の荒々しさや柿色の無毛の山肌に恐れさえ抱きます。



山頂標識のある頂稜部から10メートルほどの岩塊が立ちあがるドーム型山頂の安達太良山です。
三角点のある「乳首」と呼ばれる岩塊ドームには簡単に登れますが、すごい人気で行列待ちです。



岩塊の頂稜からは磐梯山・飯豊連峰・吾妻連峰など360度の展望です。
風がでてきて気温が下がり一枚羽織ります。



押すな押すなの岩塊を降りて和尚山が見える岩陰で小腹休憩です。
リーダーが煙草を吸いに行ったので、未踏の和尚山を眺めるにはもっていこいの大岩に移って、
山に心を預けます。



見上げる岩塊ドームに登山者の姿があります。



下山は五葉松ルートで、奥岳登山口に戻ります。
紅葉の進み具合は往路に比べてこちらの方が早いようです。
火山表土帯を下って灌木帯に入ると凄いことに、振りかえって、この景色のなかを歩いてきたのかと高揚します。



薬師岳は初め登りましたが、素晴らしい展望でした。

安達太良山は別名「乳首山」と呼ばれているそうです。

“季節を変えて山を楽しむ”その通りですね。
期せずして素晴らしい紅葉の安達太良山に上ることができました。


2014-09-27 登山
09/26最寄駅8:00=圏央道・東北自動車道=14:00あだたら野営場(泊)
09/27あだたら野営場6:30=あだたらスキー場駐車場7:00…あだたら渓谷自然遊歩道7:28…馬車道…8:55金明水9:05…9:07鉄山垂壁…9:18くろがね小屋9:35…9:40火口伽藍…10:00峰の辻10:15…10:29牛の背…10:50乳首・標識山頂11:26…12:35薬師岳12:41…12:54五葉松平…13:35奥岳登山口14:00=東北高速自動車道・県央道=19:00自宅