山のリスト

2016年10月22日土曜日

西丹沢 弥七沢左岸尾根~大杉山

2016年10月16日(日)

【山名】弥七沢ノ頭標高955m 橅ノ平標高956m  小割沢ノ頭標高845m
       大杉山標高860.8m 遠見山標高880m

【山域】西丹沢

【コースタイム】 行程 ; 駅より記入(-電車バス等 =車・タクシー ・・・歩行)
                新松田7:20(バス)-8:10玄倉8:20…玄倉林道…小川谷出合8:55…中ノ沢林道
                …弥七沢左岸尾根取り付き9:47…標高600m10:29…標高683標高点10:51
                …10:55標高710m鹿柵…11:14標高810~820m11:18
                …11:40弥七沢ノ頭11:43…11:53橅ノ平12:25…中ノ俣乗越12:45
                …13:17湯ノ沢乗越…13:38小割沢ノ頭13:40…13:48大杉山13:55
                …14:16戸沢ノ頭(遠見山)14:20…15:05P540…中川橋15:28



玄倉でバスを降りると北へ、玄倉林道に入ります。
相方がいつの間にか単独の女性に声をかけたよう、同行することになります。
話題の「ユーシンブルー」に誘われ、横須賀から始発電車で来たのだそうです。
いつの頃からでしょうか、ユーシン渓谷の神秘的なまでに青く染まった水の色が「ユーシンブルー」と騒がれ始めたのは?
もはや無料の駐車場まで出来て、ユーシン渓谷に繰り出すハイカーで、
玄倉は活気づいています。

     参考; 2014年11月24日撮影のユーシン渓谷



ボルダリングが趣味だという彼女、小川山や夏に上った仙丈岳の話を聞きながら、
極力ゆっくり歩きますが、話が弾んだ所為か、あっという間に小川谷出合です。
ここでお別れ、彼女は直進、私たちは左手の仲ノ沢林道に入ります。

ラッコ水を過ぎ、小割沢を過ぎ、堰堤が見える沢を過ぎて…実はこの堰堤の沢が弥七沢でした…行き過ぎに気づいたのは、取り付き地点から13分程歩いた標高570m地点、源頭に崩壊地マークのある沢地形まで進んでからでした。
念のため標高470mまで林道を戻って堰堤の沢が弥七沢であることを確かめます。
 堰堤の文字は小さくて二人とも読み取ることができませんが、地図に堰堤マークがあり、林道の屈曲具合も合致します。
ここで狂っていた高度計を合わせます。




弥七沢左岸尾根の林道側法面には擁壁が築かれていて容易には取り付けません。
標高500m辺りに一ヶ所だけ擁壁が低くなったところから這い上がれそうです。
しかし待てよ。
先ほどの行き過ぎは無駄ではなかったかも、なぜならばこの先に(標高510m)黄色いリング階段が付けてあるのを目撃したので、使えるかもです。




リングに足を掛けて上り、左に踏み跡らしきを見つけ辿ります。
結構な傾斜を少々右往左往して、標高600mの尾根の出っ張に登り上げます。
一服後、地図にある683mの標高点の境界杭と境界見出標を見て進みます。






683の標高点過ぎから尾根は広がりをもってなだらかになり、ラクチンです。
標高700mあたりで右に作業道を分けると、わずかの上りで標高710m地点。
北東側に鹿柵のある瘤尾根に乗ります。
鹿柵左側を高度差10m内を急降下、急な登りに転ずればザレた足元が厄介です。

鹿柵が終わる770m植林地の切り開きに展望が開けて、
南西の方角に下山に辿る大杉山と稜線を望みます。





続いて右手崩壊地越しに、北に藪沢ノ頭・石棚山。
北北東の同角ノ頭を展望します。





雰囲気的に肩状の810m地点に立った瞬間、この景色に見覚えがあると感じます。
確か右手に出る尾根に付けられた仕事道を仲ノ沢林道に下った事を思い出します。
 

 
 
玄倉林道や仲ノ沢林道にはたくさん咲いていたのに、
弥七沢左岸尾根に上った途端に姿を消したイワシャジンでしたが、
弥七沢ノ頭近くまで上って来て再び出会えました。
谷間から上げる風に揺らいで、青紫の釣鐘状の花は、たおやかに。
風雅な日本固有種です。






弥七沢ノ頭山頂に着きました。
弥七沢左岸尾根には境界と境界見出標が、目立って多く感じたのは、西丹沢県民の森の境界尾根だからでしょうか。
山頂のこのブナの木と境界杭が弥七沢左岸尾根下降点の目印です。
取り付き時点の急傾斜が厄介以外、弥七沢左岸尾根は素直な美尾根と感じました。
下る場合は標高670mで左の尾根、弥七沢側に踏み込まない注意と、ガスで視界が利かない場合、山頂から850mの間で弥七沢の界尾根に入らない注意が大事ではないでしょうか。





弥七沢ノ頭と橅ノ平とその稜線は好きなところです。
弥七沢ノ頭と橅ノ平2つのピークは、揃って広々とのびやかな山頂を持ち、
ブナを育んでいます。
三つの峰を渡る尾根は、痩せていながら穏やかで尾根を覆う苔が美しく、

大きくて見事なブナやアセビが豊な森の証です。








標高955mの橅ノ平で大休止です。
キッコウハグマが辺り一面に咲いて、ダイモンジソウは崩壊地の縁に、
リンドウとアミガサタケに混じってたくさん咲いていました。

玄倉以来出会う登山者が、私たちが腰を上げかけたたところに上って来ました。
話を聞くと、私たちの下山路を上って来た由、彼もまた橅ノ平が大好きとのこと。
お気をつけてごきげんよう!







かつて幾度も通ったピークと油断しました。
山頂から尾根なりに直進してしまい、おかしいよ?
標高さ10m戻ってコンパスを当てると、進路は左、南南東に出る尾根です。
危なかった~・です。
その後は面倒がらずにコンパスを当てて、仲ノ俣乗越と湯ノ沢乗越をクリヤして、
小割沢ノ頭に到着です。
ヤマボウシの実を美味しそうに口に運ぶ相方です。





大杉山の山頂標が衣替え。
注意して探さないと見過ごしてしまう860.8mの山頂です。




手沢左岸尾根から眺めたとおりの薄暗い杉の植林地を進路を西南にとります。
 
やがて876峰の手前、ミツマタが群生するこじんまりとした凹地状の一角にでます。




途中倒木の影響で雑草が茂り踏み分けが錯綜していましたが、特徴のない地形の膨らみのような、戸沢ノ頭(遠見山)に到着します。




ただここからの下りは急です。
時折枝尾根も出てきますからルートファインディングも必要です。
広い尾根が狭まるとやがて590m峰に乗り、更に急に下って尾根が緩んでくると7本株立ちの桜の木がある540m峰です。
ピーク北西端にビニールの袋を巻きつけた木から北西に出る急な尾根を下ります。




途中で九十九折の仕事道に出合い、辿ると階段で中川橋の駐車場に着地しました。
バスの時間まで、また太ちゃと心配しつつ残った食料を片付けながら、きょうも楽しかったと、お山に感謝の心です。



2016年10月19日水曜日

大室山南面 手沢左岸尾根

2016年10月10日(月)☁のちガス

【山名】大室山南面標高1350m

【山域】西丹沢

【コースタイム】 行程 ; 駅より記入(-電車バス等 ・・・歩行
           新松田7:20(バス)…西丹沢自然教室8:25…8:55用木沢出合9:10
               …標高800mギャップ…標高1000m地点…標高1350m登山道
               …12:45犬越路避難小屋13:00…用木沢出合14:26…西丹沢自然教室15:10(バス)


終点の西丹沢自然教室でバスを降り、車道を北に山の奥へと入って行きます。

ウエルキャンプ西丹沢と白石オートキャンプ場の2つのキャンプ場を過ぎて道幅が狭まる辺りに、「私有地です。通行禁止」の看板がありますが、気にせず先に進みます。
車止ゲートが見えると、案内図と駐車スペース(7台)のある用木沢出合に到着です。
西丹沢自然教室からゆっくり歩いて30分の距離です。

手沢左岸尾根の取り付きは、駐車スペース裏手の檜の植林です。
手沢右岸尾根同様、初めは立木に掴まる急場しのぎで尾根筋に這い上がります。
標高差50mを登ると傾斜が落ち着いて、広がりを持ち始めた尾根は、
樅の大木が点在する自然林へと変わります。
細尾根で沢の源頭部を横切ると明瞭な踏み跡が現れてゆるゆる辿ると
樅の木の大木が目を引く812mピークに乗ります。
双耳峰様の810mピークから西丹沢に特徴的な白ザレに苔と木の根の
ちょっといい雰囲気の背を20m急下降します。




ここが手沢左岸尾根を上る場合に地図上も危険度からも要注意地点です。
右に90度曲がっての《ギャップ越え》です。
立木を頼りに足場を確保して慎重に鞍部に降りて、ヤレヤレです。





木の根の張り出した急な登りが、標高850mまで続きます。




左手に眺める尾根は、手沢右岸尾根のようです。






南東に延びる尾根が出る850mで尾根は一旦平坦になり一息つけます。
北に向きを変えた尾根を10mあまり緩く辿って、チェックポイントの1000mへ。
それなりに傾斜がついてきたところで繰り出す足がなんだか苦しい。
ふくらはぎがガチガチに強張って1歩がまことに重いのです。
周りの景色を眺める余裕もなく、こんなに急だったかしら?
確かめる等高線はさ程とも思えない…この苦しさは《絶不調》。

だましだまし足を運んでやっとこ990m地点。
右手は南東に張り出す大きな枝尾根です。
等高線はというと、今登っている本尾根の方がはるかに混んで背後に落ちています。
地形図ではここで緩るく左に曲がるようですが、実際はTの字に曲がる印象です。

下降してきた場合、1000m地点では手沢左岸尾根は傾斜でややブラインドになっている為に左手の枝尾根の方が目に入り易く、うっかりするとそのまま下ってしまう場面かもしれません。



990m過ぎの穏やかなのぼりに救われて、なんとか1050mまで登ってきました。
辺りはすっかり霧に包まれて、私の心身模様と同じグレートンの世界です。
 




等高線が混でくる1150mからの登りは、気を抜くと足が攣りそうです。
枯れたスズタケとマツカゼソウの叢を倒木を避け、土壁に足を取られながら、
ふためと見られない必死の形相で登っていた筈です。
その甲斐あって!
取り付きから2時間20分もかかって登山道に合流しました。





あぁ~、ひとまず解放されたこの安堵感、気持ちいいい。
この安堵感を得るために私は山に上るというのも一理でしょう。





大室山まで登る予定でしたが、心は下山に傾いています。

気を取り直して大室山へ向かったのですが、ものの10分と歩かないうちに、
左足臀部に痛みを感じて、清く?リタイアします。
古傷の腰痛から来る痛みだったようで、後日針治療を受け回復しました。





ツキヨタケは、月の光で緑色に光るのだとか。
この写真を見た友人が、テントを背負って夜の撮影行をしたいといいます。
御勘弁願いたい。





2016年10月5日水曜日

姫神山

雲海に浮かぶ岩手山


2016年09月27日(火)

【山名】姫神山標高1123.6m

【山域】北上山地

【コースタイム】 行程 ; =車・タクシー ・・・歩行
               姫神山田代登山口9:48…9:57ヤマナシの実と茸
               ...頂上まで1000mの標識10:09…400m標識10:25
               …10:35姫神山山頂11:30…8合目11:50…6合目11:59
               …常連さんに遭遇12:11……5合目12:13…一本杉12:21
               …12:30一本杉登山口


姫神山に上る朝、起きるとすっぽりと霧に包まれていました。
朝霧は晴れるといいますので、いつもの山行よりは時間を遅らせて、
宿の朝食をいただいてから登山口に向かいます。
麓から望む姫神山にたなびくガスは、濃くなったり薄くなったり。




4つある登山口の中から上りは最短の田代口を、
下山はメジャーな1本杉口を選びます。

山麓の舗装道路を西側から
1本杉とこわ坂の2つの登山口を過ぎて東側に回り込むと、
数台分の駐車場を備えた田代口の登山口があります。





綺麗に仮払いされた登山道、道幅は広々として3~5メートル程あります。
茸が顔を出す傍に落ちていた直径2.5㌢ほどの小さい実は、ヤマナシ
芳しい香り…5個拾ってザックに入れます。








ガスはいつの間にか切れて薄陽が差してきました。
清涼な秋の空気を胸いっぱい吸って、やや急な登りをゆっくり進みます。
1008m地点まで上って初めて姫神山の姿が見えますが、
初めて岩手山から眺めた折の印象からはだいぶ違って見えます。
あの時は、とにかく端正な山が東の空にポッカリと浮かんでいました。
姫神山と教えて貰って、いつか上ろうと思ったのでした。
今日、やっと上れます。




白樺林を抜けると、こわ坂口からのコースに合流して一等三角点の山頂が直ぐです。




山頂には保育園の園児たちの賑やかな姿がありました。




雲海に浮かぶ岩手山。
あの日岩手山から見た姫神山とよく似た光景に出会いいます。
巡り合わせの妙に感動します。

地元の登山者から「いやぁ~めったにない景色だよ」「写真いっぱい撮って行ってください」と声をかけられます。



下で待っている夫が気になり下山にかかると、第2・第3グループの園児達と出会います。
「もう10年になります」と言われる、同じ系列三園合同の姫神山登山だそうです。
園児の健脚ぶりは大人も置いて行かれる程とか、大人が逡巡する山頂直下の岩場を苦も無く登って来ます。





園児達が去って、さてさて、少し急ぎ足に下ります。
1本杉コースの雑木の樹林がいい雰囲気ですが、
表土が滑りやすいので足元要注意です。
できれば上りに採りたいルートです。



6合目を過ぎた辺りで本日2回目登山中の、
姫神山登山3361回の常連さんに出会います。
「山頂にいた人だね」と声をかけられて?立ち話。

現在御年77歳。
80歳までに4000回上ることを目標に、
1日に4回上られることもあると伺って、驚きます。
上には上がいるもので、もう一人5000回登られている方も
おいでのよう、ご両人に頭が下がります。

 
帰ってから写真を確かめると、確かに山頂でお会いしていました。



コースの由来になっている1本杉です。

 
 

ウメバチソウの咲く野原に出ると登山終了です。
長年登りたいと思っていた姫神山に上って、印象的な出会いがありました。
気持のよい登山ができました。