山のリスト

2013年12月27日金曜日

米子沢 巻機山(標高1967m)


“巻機山米子沢は素敵よ”うわさに聞いていました。

北海道山旅の仲間が計画してくれた私には久しぶりの沢遡行で、身が引き締まります。

巻機山登山口の第二駐車場から出発して、米子沢の左岸林道から左に沢に入ります。

ルートポントの真中が大きく開いた堰堤を抜け、20分の河原歩きでナメ滝がみえてきました。

続く三段40mの幅広の滝、何となくいやらしい滝相をしています。

リーダーは右から巻き始めます。後からやってきた二人組は左側を巻いていきました。

どうやらルートは左だったようで、右の巻は滑りやすい草付きの結構きびしいものでした。
 
 



小滝が連続します。

1箇所、リーダーの肩を借りて片足を乗せる場面があり、交錯する思いで中々決心がつきませんでしたが、お借りしました。

ロープは出すまでもなく初めの滝以外はすべて上って大滝まで進んできました。

落ち口の上の平坦な広い岩に先行していた二人連れが腰を下ろしていました。

顔を見合わせて互いににっこり、それで十分、言葉はいりません。
 
 

草紅葉の中に見えるのは白く輝きながら滑り落ちてくる水と真っ青な空だけです。
 
 

天の川より降り注ぐシャワーを浴びながら桃源郷への川床をゆったりと踏んでゆきます。
 
 

谷が狭まって詰めが近いようです。

二俣を左に入り20分辿ると沢はいよいよ細くなり、踏み跡が右に出てきました。


沢シューズを登山靴に履き替えて、黄金色に染まった草原を上って行きます。

巻機山の避難小屋まで藪こぎなしの快適な踏み分けがついていました。

 

巻機山山頂へ足を延ばします。

贅沢に!リーダーにコーヒーを入れて貰って、秋の気配漂う360度の展望を楽しみました。

この6月仲間5人で登りに来たものの雨で断念。登山口も踏まないで宴会だけして帰ったことがありました。

うわさに聞いていた通りの、いや想像以上に素晴らしい沢でした。ありがとう!
 
 


/25 渋沢⇒吉井町⇒巻機山登山口(桜坂)
/26 桜坂5:55…最終堰堤6:10…10:001400m地点…11:15二股
…12:40巻機山13:35→16:20桜坂⇒自宅

2010-09-25~26 登山
 
百名山 100/78座
 
 
 
 
 
 

2013年12月22日日曜日

苗場山(標高2145m)


10/3 自宅6:00-11:00駐車場11:15

   …11:30和田小屋11:50…下の芝12:45

   …中の芝13:20…15:15山頂…15:30山頂ヒュッテ泊

 

秋雨前線にやきもきしながら当日を迎える。


和田小屋登山口で早昼を済ませ1200に出発。

雨は免れたものの苗場山はガスの中。

登山道はぐちゃぐちゃの石ゴロゴロ、なんとも始末が悪い。

小屋は登山者であふれていました。

 


10/4 山頂ヒュッテ6:30…散策

…8:00山葡萄取りしつつ下山

…駐車場12:00…自宅19:00

 

念願かない見事に晴れたね。

展望台でコーヒーブレイク。 

岩菅山にアクセント付けの雲がかかっていい感じ。

好みの一枚が撮れた。

赤湯方面へ散策。池塘に敷かれた木道をのんびり歩いて行く。

きのう辛い登りをジョークに紛らせてくれたSさん、きょうは淡々と先を行く。

「帰ろう」の声に誰もが沈黙…()我に返って…元来た道を展望台まで戻る。

三角点のある苗場山山頂(現在休業中の遊仙閣の奥)に立ち寄り山にさよなら。

 

百名山 100/63座


2009-10-03~04 登山

2013年12月19日木曜日

平ヶ岳(標高2141m) 


越後三山只見国定公園にある一峰、平ヶ岳は遠い山です。
20:00仕事を終えた山の会の仲間の車に便乗させてもらって出発します。
鷹ノ巣登山口に到着しのは日付けが変わった2時ころ、大急ぎでテントを設営して仮眠します。

5時出発、すぐに林道を横切る下台倉沢を渉り、スタートから15分で下台倉山の尾根道に入りました。
痩尾根に切られた登山道は急坂で補助ロープも見えますが、岩と松の日本庭園風ロケーションに救われます。
前坂を登り下台倉山の最後の急坂を越えるとなだらかな尾根道になりました。




延々と続く尾根道から平ヶ岳と池の岳が並んで見えますがまだまだ遠そおぉ~です。

台倉清水はオホコ沢源頭の湧水ですが、水量が少なく口を湿らす程度にしか汲めませんでした。
この辺りから白沢清水のあたりまではぬかるみがひどいようで木道が敷かれていました。




山頂部に岩場のあるピークは池の岳でしょうか、シラビソの回廊を上り詰めると姫ノ池の広い湿原に出ました。
湿原の奥に水盤を伏せたような平ヶ岳が来いよ~と呼んでいます。
やっぱり遠いなぁ。




姫ノ池から湿原を保護するための木道が山頂まで敷き詰められていました。
鷹ノ巣登山口から6時間歩いてようやく平ヶ岳山頂に着きました。
広々と草原が広がる山頂で昼食をとり、一段落してから卵石に行ってみることにします。

台上の池塘から流れる水が刻んだ窪地にハクサンコザクラが点々と咲いていました。
ハクサンコザクラから目を離さないで上って行くと天上の楽園、たまご石の湿原に着きました。
裏側に回った誰かが、丸じゃないッ(?_?)と言うのが聞こえ、一歩進めた足を戻します。
たまご石と土台石は一続きになった花崗岩で、割れ目に含まれた水分が凍ったり融けたりを繰り返して風化が進み、
割れ目に囲まれた芯の部分が丸く残ったようです。たまごのようだからたまご石。
計り知れない自然の不思議、山登りの楽しさにますますひきつけられます。

ゆっくりしたいのはやまやまですが、帰宅を考えるとそうそうゆっくりもしていられません。
下山の道々もっぱらの話題は「次回登るときは皇太子さまルートで登りましょう」でした。


鷹巣駐車場5:05下台倉山7:25台倉山8:30台倉清水8:40白沢清水9:20…池の岳姫の池11:10平ヶ岳11:30
 …12:20玉子石12:25池の岳12:50白沢清水13:4514:30台倉山14:4015:23下台倉山15:3017:15鷹巣駐車場


2006-08-26 登山

百名山19座



2013年12月18日水曜日

会津磐梯山(標高1816.29m)と雄国沼


/28 雄国沼


東名、首都高、東北道と走って福島県磐梯町の雄国沼登山道に9:40到着します。

雄国沼せせらぎ探勝路のブナの小路は柔らかい日の光、小鳥のさえずり、気節の花々に優しく包まれ、

私たちをおおらかに解放してくれました。

雄国沼の水辺を飾るリュウキンカの鮮やかな黄色い花、ニリンソウ、アズマイチゲのはかなげなようす、
ルイヨウボタンの大人のたたずまい、そしてネマガリタケの子も顔を出していました。

 

盛夏にはニッコウキスゲで一面が黄色野になると聞く雄国沼、
木道をそぞろ歩いてゆったりとした時間が流れました。

今宵のお宿、リーダーお勧めのペンションパレットに向かいます。

 


/29会津磐梯山

朝起きると雨が降っていました。

宿の前のジュンサイ池に雨粒が落ちるのを眺めてため息をついていると、決行の号令がかかります。
 
一行6人、悲喜こもごも。私は雨の登山は苦手な方です。

磐梯山ゴールドライン八方台登山口へ車で移動、雨具を着て出発です。

なだらかなブナ林を気持ちよくたどるとダケカンバに囲まれた磐梯温泉中ノ湯跡に出ました。

廃虚にちかい荒れた建物に降る雨、淋しい情景ですね。

ガスにけむる櫛ヶ峰
左から裏磐梯登山口からのルートが合わさって湿地帯を越えると急坂を登って行きます。

ヤシオツツジのピンクの花びらが初々しく、足元を賑わすツバメオモトは清楚な小花を伸ばす茎を緑の大葉がつつんで初夏の風情あふれる登山道です。

暫くで急登になり、左側が切れ落ちた開けた場所に出ました。

天気が良ければ山頂も見えるのでしょうが、断崖の怖いところのようです。

細雨は登るに従いガスで何も見えなくなり傾斜のついた樹林を黙々と上るだけになります。

傾斜が緩んできたころお花畑の分岐に出ますが、お花畑は帰りに回ることにして直進します。

弘法清水が湧きだす4合目山小屋につきました。

美味しいお水を頂いてもうひと踏ん張り、山頂への急な登山道を上り出します。

残念ながら無彩色のガスの山頂です。

ミネザクラがたくさん蕾をつけていました。山頂桜を見にまた上ってみたい磐梯山です。


5/28自宅6:00…雄国沼登山口10:57…12:16雄国沼避難小屋12:46
…雄国沼散策…15:30雄国沼避難小屋14:23…15:48雄国沼雄小沢登山口=パレット(泊)

 

5/29岩梯山

パレット=八方台登山口8:159:49弘法清水…10:25磐梯山10:4111:04弘法清水…12:40八方台登山口=休暇村(入浴@500円)=猪苗代磐梯高原IC=磐越道・東北道・首都高・東名=2100自宅


百名山 100/82座

2011-05-29 登山




2013年12月17日火曜日

西吾妻山(標高2035m)


ロープウエイには乗らないよ、歩き歩き。

そんなことあっていいの?ブツブツむにゃむにゃ。

白布湯元駅を通り過ぎて吾妻屋ホテルの手前から尾根にとりつきアルブ天元台ホテルへ。
そこからスキー場のゲレンデの中の作業道をリフト終点の北望台に上り登山道に出ました。

 
分岐を右にかもしか展望台に立ちますが辺りはガスに包まれた白い世界が広がります。



右に下ってお花畑へ、この時期植物は冬の装い、枯葉色に代わって荒涼感が漂います。

大凹(おおくぼ)の水場を過ぎると登りになり、池塘が点在する草原に出ました。

梵天岩の間をすり抜けてオオシラビソの樹林帯にある天狗岩へ、岩塊の台状に吾妻神社の立派な社がありました。

西吾妻山へは社から南側に下って標高差40mを上ったところに山頂がありました。
 
 
 

寒いので山頂を下った西吾妻小屋に入って食事をとることにします。

湿原の木道を辿っていくと2階建ての西吾妻小屋が湿原のはずれに立っていました。

小屋からはUターン、元来た道を戻りました。


百名山 100/66座

2009-11-11 登山





2013年12月16日月曜日

妙高山(標高2454m)


頸城山群最高峰の火打山と頸城山群の主峰妙高山が仲良く並んで見えます。


たおやかで女性的な火打山に対してたけだけしく男性的な妙高山。

こんかいは男性的な妙高山の方に登ります。

前日は高床山キャンプ場でオートキャンプ。

リーダーがビーフステーキを用意してくれ、登るぞ~の闘志満々です。

 
燕温泉街を抜けて北地獄谷にかかる吊り橋をわたったあたりから登山らしくなります。

雪国の過酷な自然環境が生み出す紅葉は鮮やかです。澄んだ空気が紅葉を一層引き立てます。

隆起してできた火打山に対して複式火山の妙高山は外輪山越えの複数の尾根を辿るので時間がかかりました。

傾斜もきつく頂上周辺は岩場の急登で鎖場もありました。

豪雪地帯らしく登山道には湧水が豊富でしたが、飲めない沢水もありました。

 
そんな中長助池は池塘化して水はほとんど干上がって草原のようでした。

長助池の光景から外輪山に囲まれたカルデラであることがよく理解できました。

外輪山内壁に火打山の縦走路が走って、そこを歩く登山者の姿がありました。

いよいよ妙高山への急登が始まります。

ダケカンバなど低木の林を抜けると岩まじりの急斜面になり大きなダケカンバを見ながら息を切らします。

 
長助池から2時間近くかかって山頂に出ました。

一等三角点にタッチして南北に長い山頂を南峰へと進みます。

苗場山、越後三山、浅間山が望まれ、野尻湖も見えました。

 
祠の後ろから岩の斜面を下って、潅木帯を抜けると鎖場に出ました。

岩に刻まれた足場を拾ってくだります。

 
光善寺の辺りの紅葉は素晴らしく、振り返る登山道の晴れがましい装いに景色を見る余裕がなかったことを悟ります。

天狗堂で道悪だった下りに1服ついて左に、燕登山道に入ります。

胸突き八丁の急坂を下り北地獄谷に出会います。

一服口に含みたいところですが、ここの水は飲めないそうです。

広葉樹の切れ間から称名滝が見えるところがありました。

麻平の分岐で朝通った燕新道に入って林を下り、露天風呂に人が入っているのを見ながら燕温泉に戻ってきました。

 
10/4自宅8:30=東富士自動車道=一宮三坂IC=中里IC=高床山キャンプ場

10/5キャンプ場=燕温泉登山口6:35…麻平…沢登商7:44

       妙高山遠謀8:00…9:00黄金清水9:10…展望地9:30

       長助池9:55…11:51山頂12:25…飯綱・黒姫12:36

       12:55鎖場広葉展望12:58…13:14広葉隊13:37

       13:41光善寺池…火山ザレの山肌の紅葉14:07

       光明滝14:58…16:00燕温泉登山口

       =赤倉温泉入浴=妙高IC=一宮御坂IC

       =東富士自動車道=自宅24:00

百名山100/48座

2008―10-04~05 登山
 
 
 
 
 
 

2013年12月12日木曜日

至仏山(標高2228m)


あすは至仏山・笠ヶ岳へ、キャンプファイヤーの夜は童心にかえって熱唱しました。

九州育ちの私には尾瀬は遠い憧れの地でした。
熊谷出身の学友と2人、夜行バスが大清水に着き、巡った尾瀬沼と尾瀬ヶ原。
初めてみる水芭蕉。
今は疎遠になってしまった友。お元気ですか?

懐かしい青春の日を思い出していました。





6月東電小屋近く至仏山を眺める



鳩待峠の休憩所の賑わいを背にブナ林に分け入ります。
登山道はやがて木道になりオヤマ沢田代の湿原が広がります。
見てみたかった植物を探します。
ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ミツバオウレン、ツマトリソウ、ワタスゲ
おなじみの花が咲いていますが見つかりません。


ピンボケになってしまった オゼソウ

湿原を過ぎると森林限界になりお花畑が広がります。
ハクサンイチゲ、ジョウエツキバナノコマノツメ、チングルマ
そして、お目当ての花がありました。
地味な花ですが、尾瀬の名をほしいままに、オゼソウです。


蛇紋岩が目立つようになり、ホソバヒナウスユキソウが咲いています。
稜線のピーク小至仏山(標高2162m)に到着して一服します。

至仏山の花園は聞きしに勝ります。
タカネシオガマ、ヨツバシオガマ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、
じっくり花散策でなかなか山頂に着けません。


オヤマ沢田代まで下ると笠ヶ岳分岐を右に入ります。
ぬかるんだ足元がわずらわしいのですが、気持ちのよい稜線歩きです。


ミヤマムラサキ

星形の花びらをパット開いたタテヤマリンドウが可憐でした。
山頂岩場にミヤマムラサキが咲いていました。初めての出会いでした。



山頂から眺める尾瀬ヶ原と燧ケ岳は空中散歩をしているよう、実におおらかな景色が俯瞰できました。


笠が岳の鞍部から枝尾根にある片藤沼に寄り道しました。

燧ケ岳を望む湖畔にたたずむと水面も雲も動きを止めてのどかです。

私もこのままここにじっとしていたい、時間よ止まれ。

山っていいなぁ!


2008-07-12~13 登山

百名山 100/46座









2013年12月11日水曜日

会津駒ケ岳(標高2133m)



盛夏、山の仲間と会津駒ヶ岳に上りました。
前日から桧枝岐の林間キャンプ場でテント泊して備えました。

登山口からカラマツ林の中へ急坂の登りが続きます。
ミズナラの落葉広葉樹林を過ぎると傾斜がいくらか緩んで植生がブナに変わります。
幹に落書きが刻まれた痛々しいブナを何本も見ました。


エゾスズラン(カキランの仲間で別名アオスズラン)
落書きから目を離して下を向いた視線に花が入りました。カキラン?
急坂を水場標識(1670m)まで登ったところでずいぶん傾斜が緩んできました。ここまで2時間。
ブナの広葉樹林にダケカンバや針葉樹が混じってまばらな林になり徐々に視界が開けていきます。
登山道に木道が敷かれて、湿原へ入っていきます。
湿原に咲くイワショウブやキンコウカを愛で、池塘を眺め、駒ノ小屋を眺めます。


濃い紫の花を付けたミヤマリンドウが点々と一塊りになって降り注ぐ日の光を浴びていました。

たおやかな女性的山容の駒ケ岳、駒ノ小屋を見上げる草原の風景、アルプスの少女ハイジが駆け下りてきそうネ。
花を探して写真を撮ってゆっくりと駒ノ大池につきました。
やぁ~や~一息入れましょう。
ところがハクサンコザクラを見つけた誰かさん、休憩どころではありません。

駒ノ大池から山頂の間に広がる高層湿原は高山植物の宝庫、立入りが制限されています。
ロープの内側にハクサンコザクラが群生して可憐なこと、
遠くから見るとピンクの絨毯を敷き詰めたようなあでやかさです。




駒ケ岳山頂で写真に収まると中門岳へ。
池塘と木道が遠くへと延びて誘われるままに高層湿原を緑の風に吹かれて辿ります。
キンコウカやイワショウブやハクサンコザクラの花邑をを歩いていきます。


中門池にはあんな形やこんな形のワタスゲが咲いていました。


08/02自宅7:30 ⇒東北自動車道西那須野IC⇒塩原⇒桧枝岐村キャンプ場()

08/03キャンプ場⇒会津駒登山口6:001P7:10~7:152p8:00水場8:123P9:10~9:15
          10:45中門岳(池塘)11:15…駒の小屋…14:00登山口窓明りの湯
          ⇒西那須野(食事)⇒東北自動車道=大泉⇒環八⇒東名⇒22:00自宅


2008-08-02~03 登山

百名山100/47



 

2013年12月10日火曜日

鳥海山(標高2236m)


万助ルートで、万助小屋に泊まる一泊2日の行程、鳥海山の魅力を堪能できた素晴らしいルートでした。

7/11 月山を下山後、二ノ滝口ルートの登山口に向かいました。
狭霧橋を渡り右に渡戸へ、渡戸は二ノ滝口・万助・長坂の鳥海山南西面の3つのルートを繋ぐ十字路です。
渡戸で長坂道を分け右に万助道に入ってブナ林の中を快適に上っていきます。
尾根に取り付く手前で標識に従って碇(沢ルート)に入ります。
所要3時間弱の18時、まだ明るいうちに万助小屋に着くことができました。
赤い屋根のかわいい小屋は湧水の流れる段丘の左岸に忽然と現れ、私たちを驚かせました。
絵本の白雪姫の挿絵に描かれたているような小屋のたたずまい、私は小屋がほほ笑んでいるような幸福感に包まれました。
わくわくしながら小屋の戸を開けると、目の前の一畳くらいの靴脱場の奥は板の間になっていて、
右側の壁に流し台(冬でも凍らない湧水から引いた水が蛇口から流れます)、真中左に暖炉がありました。
左の壁には窓が切ってあって、部屋中に明るい光がさしていました。
板の間に上がると靴脱ぎ場の壁隣は一段高くなってもう一部屋ありました。
毛布が何枚も重ねておかれていました。清潔な室内からはお世話する人々の小屋への慈しみが伝わります。
酒田の山の有志、高校山生やOBの尽力でまもられてきているそうです。
居心地の良い小屋の使用料は150円か200円だったと思います。




7/12 快適な一夜を過ごさせてもらった朝でしたが、濃いガスに包まれています。
よく踏まれた小屋までに比べると小屋から先の登山道は深くえぐれて滑り易いので足元を確かめながらの歩きでしたが、ルート的には要所要所に赤布があり迷うことはありませんでした。

ドッタリ、仙人平まで来ると本来ならば視界が開けるはずですが、無情のガスはまだ晴れてくれません。
蛇石流沢の右岸を辿ると二ノ滝コースとの分岐地点を→印で示す標識が現れ、気を付けて対岸を見るとおそらく分岐地点であろう標識がぼんやりと見えました。
千畳ヶ原の大草原、この辺りは残雪の時期はなかなか地図読みが難しいところでした。
地形図と標識との照合判断をしっかりする必要がありました。

目前に横たわる雪渓の末端は蛇石流沢になだれ込んで立派なスノーブリッジを架けています。
雪渓をトラバースしなければならないのですが、みるところ先で急傾斜になっているようです。
アイゼンなしで歩くには厄介なので雪渓のトラバースに比べるといくらかましな傾斜に見えたスノーブリッジで
一旦左岸に渉り、沢の浅瀬を渉り返して右岸台上の雪渓に戻りました。

ここまでは、《晴れてください》と拝みながらも、花々に彩られた雪田や池塘が視界の範囲を超えて広がる光景に
“山に来た”実感を震えるほどに味わいます。

 



新山へは外輪山コースを行きます。ガスが晴れて後方に鳥海湖、左手前方に岩塊の新山が望まれます。
見下ろす千蛇の谷は豊かに残る雪渓が御室小屋の上方まで続いています。

七高山まで足を延ばして外輪山を下り、ガイドロープが張られた雪渓を渡っていよいよ新山に向います。

どこを登ってもいいような悪いような、よく見ると白ペンキでルートが記されていました。

「胎内くぐり」を通り新山山頂に立つと岩むき出しの特徴的な外輪山が望まれ、いま居る場所が火口内にできた「新山」であることを実感します。

帰りは大雪渓、小雪渓、河原宿から幸次郎沢を経てニノ滝駐車場に戻るルートを予定していたのですが、小屋でルート状況を聞くとやはり幸次郎沢が薦められないということなので千蛇谷の雪渓を下リ御浜分岐から来た道を戻ることにしました。


万助小屋に16:17到着。
この素敵な小屋にもう一泊、考えなくもなかったのですが、明日は天気が崩れる予報が出ています。
上りに見た檜ノ沢の濁りも気になるし、二つある沢の徒渉も考えて下山を決めました。


皆でがんばった甲斐があり、ヘッドランプの用もなく、途中から降り出した雨も豊かなブナの森のお陰でカッパを着るまでもなく19:10ニノ滝登山口駐車場に無事下山したのでした。
酒田でお風呂に入ってっている間に土砂降りに見舞われました。
あのまま山にいたら沢は増水して渉れなかったかもしれない、下山して良かったと胸をなでおろしたのでした。


見かけた高山植物

チョウカイフスマ・チョウカイアザミ・アリドウシ・ハクサンフーロ・タツナミソウ・ハクサンシャクナゲ・

カメノキ・オオバキスミレ・コイワカガミ・ミツガシワ・イワウチワ・ハクサンチドリ・キスゲ・ハクサンイチゲ・イワブクロ・ホソバイワベンケイ・ヨツバシオガマ・イワギキョウ・ウサギギク・ウスユキソウ・ネバリノギラン・ホツツジ・イワヒゲ・エゾツガザクラ・イワシモツケ・ゴゼンタチバナ・ツガザクラ・アオノツガザクラ・ミヤマキンバイ・コケモモ・イワウメ・チングルマ・ナンブイヌナズナ・コメバツガザクラ・シラネニンジン・コバイケイソウ・ヤマガラシ・ハリブキ・ミヤマカラマツ・モミジカラマツ・ショウキラン・イワハゼ・ミヤマキンポウゲ・ノウゴウイチゴ・ベニバナイチゴ


7/11 蓋ノ滝口コース登山口15:2516:10分岐16:1518:07万助小屋

7/12 万助小屋4:251P5:15607蛇石流分岐…鳥海湖7:30…御浜分岐8:10
     …七五三掛8:25…七高山分岐…11:50七高山…11:34島海山山頂…御室小屋12:30
     …千蛇谷13:0513:30七五三掛…14:00御浜分岐…14:20鳥海湖分岐
     …16:17万助小屋17:00…19:10二ノ滝口コース駐車場
 

2009-07-11~12 登山

百名山100/60座