山のリスト

2013年9月26日木曜日

奥三界岳


岐阜県中津川に奥三界岳を訪ねました。



かつては木曽檜を産し、尾張藩の御料林として領民の立ち入りが禁止された「お止め山」でした。
しかし伐り出された後の再生が行われなかった為に現在は熊笹が生い茂る山になっています。

登山道は夕森一般キャンプ場から車止めを越えて舗装道路を進むと「銅穴の滝」が見えてきます。
やがて林道を離れて沢へと下り、吊り橋で川上川を渡ります。
山腹の急登で夕森ふれあいキャンプ場からの別の林道に出会います。



車の走行不能な荒れた林道を落石に気を配って歩くと、年代物の木橋が見えてきます。
登山道は夕森山直下に通じる林道から離れて180度折り返えすようにしてその木橋へ向かいます。


昇竜の滝
木橋からは林道から見えていた昇竜の滝が目の前に眺められます。




山裾をたどる林道は落石累々、恐ろしげな状況ですが道形はしっかりしています。
標高1450m辺りに古い造林小屋が建っていて、ここで林道は終わります。
林道から木製の梯子で尾根に取り付くと低木と笹の中を分けていきます。
標高1550mで尾根を離れてトラバースすると先で沢を登るようになります。
水の流れは少なく転がる石伝いに靴をぬらさずに登っていけます。
1708mピーク手前で沢を離れて1708ピークの稜線にでてなだらかに辿り、
標高差50mをやや息を切らすと湿地帯に出ます。
梅雨の時期は難儀でしょうね。
丸太や板がそこここに転がって、この時期でもうっかりすると泥沼に足をとられそうです。



1810.5m、三等三角点のある山頂に、展望櫓が組まれていました。
御嶽山や白山が見えるそうですが、雲が出て確認できませんでした。
右奥の山は小秀山のようです。


この味のある標識は国土地理院の表記と違っていますが、古来より地元の人には
「おくさんがいさん」と呼ばれて親しまれてきたようです。


アケボノソウ


ヨメナ

復路は往路を戻りました。

岐阜の山々は奥深く、水は豊かに、変化に富んだ地形は上って楽しい山々でした。


09/23 夕森一般キャンプ場登山口5:00…5:37吊橋…7:31昇竜の滝…7:40造林小屋
      …8:30沢地形…9:25奥三界岳山頂9:45…10:30沢地形…11:00造林小屋
      …11:21昇竜の滝…11:30ヨメナの路…12:45吊橋…13:00銅穴の滝…13:15登山口

2013-09-23 登山

三百名山100/39座






位山から川上岳(かおれ岳)縦走

苅安峠の「モンデウス飛騨位山スノーパーク」のカリヤスならぬススキ茂るゲレンデ上りから登山が始まります。



乗鞍岳を写真に納める人
リフト終点の登山口は乗鞍岳や御嶽山の展望が朝もやの中に浮かびます。
登山道はダケカンバやミズナラの広葉樹とモミ・オオシラビソの針葉樹の混生樹林をたどります。
この日は心地いい風が通り抜け、門立岩など6つを数える巨岩が点在する緑の回廊歩きは爽やかでした。



朝廷に献上したこの山のイチイの木が一位の官位を賜ったことから位山(くらいやま)と呼ばれるようになったという説もあるそうです。
平らな山頂付近は湿地や「天ノ泉」の水場があり、回遊散策路が敷かれています。

「天の岩戸」は、巨岩と針葉樹の自然の造形に酔う処です。



トイレがハイテクでした!
太陽熱を利用した水洗式、手洗水も天水タンクの蛇口をひねると出てきました。



展望のない山頂を後に川上岳への縦走路に入ります。
人呼んで「天空の遊歩道」、分岐に川上岳山頂(1625.9m)まで7キロとありました。
1443.7の三角点ピークとほかに4つ峰を越えていきます。
尾根は広く危険な個所はありません。
ところどころ開けますが、混成林の樹林帯をたどる径です。
気の早いナナカマドやツタウルシなどが色付きはじめていました。


サルが食べたのでしょうか野生のリンゴが登山道にたくさん落ちていました。
こちらはヤマナシと栃の実。


川上岳(かおれだけ)山頂が近づくと3組の登山者とすれ違い、山頂で憩う登山者にも会いました。
人気の山のようです。高い木がなく笹原が広がる山頂は360度展望が利きます。
青空の下、御嶽山や乗鞍岳、白山を展望しながら心和む山の空気を満喫します。


下山、大足谷の水場から尾根に乗り、標高1400mから急な降下はジグを切って、山之口登山口まで続きました。


09/22 モンデウススノーパークゲレンデ入口6:09…6:50最終リフト登山口6:57
      …7:00六両鏡岩…7:17御手洗岩…7:26畳岩…7:54門立岩…7:58尻立岩
      …8:00御神楽岩…8:07鏡岩…8:08天の岩戸8:13…8:16御魂岩
      …8:20御嶽山展望地…8:21乗鞍岳展望地…8:25ハイテクトイレ…水場
      …サラサドウダン群生地…8:44位岳山頂…12:00川上岳山頂12:15
      …14:45山之口登山口下山

2013-09-22 登山

二百名山 位山100/68座

三百名山 川上岳(かおれだけ)100/38座




2013年9月25日水曜日

小秀山

 
渓谷美と御嶽山の展望が二大看板の小秀山ですが、
台風18号の倒木による被害で木道が崩落し、二ノ谷ルートは通行止めになっていました。
渓谷美が探勝できないなんて看板落ちとがっかりしたのでしたが、尾根ルートの三ノ谷ルートで
兜岩まで登っていくと、驚くばかりに見事な御嶽山の展望が広がっていました。



今年は雨に降られることが多かったので、こんな素晴らしい展望を目にするのはずいぶん久し振りです。
右の尾根筋に小秀山避難小屋がチョコンと乗っかっています。




七重八重、巡らす山垣、白山も確認できましたが…


登山口から兜岩が鎮座する標高1880mまでは渓谷と急な尾根を行き、標高1900mからは第一高原から第三高原までの緩やかなアップダウン。



山頂下の30メートルほどを息を切らすと、標高1981m小秀山山頂に到着しました。
御嶽山がほぼ北方にド~ンと展望されました。

谷ルートと尾根ルート変化に富んだ山登りが楽しめる小秀山です。
御嶽山の展望は圧巻でした。



09/21管理棟横二ノ谷登山口5:00…5:20崩落地点から戻る5:25…5:41水場5:45
    …6:00三ノ谷登山口…8:00鶏(にわとり)岩展望地…8:36鎧岩…9:04第一高原
    …第二高原9:17…第三高原9:38…9:50小秀山山頂10:00…避難小屋
    …11:28兜岩…13:29三ノ谷登山口下山…小秀山管理棟

2013-09-21 登山

二百名山100/67座









2013年9月5日木曜日

雄阿寒岳(道東・釧路)

雌阿寒岳から眺めた阿寒湖と雄阿寒岳の端正な景色が忘れられなくて雄阿寒岳を訪ねます。
      (2009-06-27雌阿寒岳山頂より撮影)




しかし今回の北海道は雨にたたられ展望はことごとく望むべくもありません。
西別小屋でお会いしたリスケさんやTさんにはパンケトー・ぺンケトーを展望できない雄阿寒岳は厳しさばかりの登山で勧められないと言われました。
そうかもしれないと半ば諦めの境地で登山口に架る橋を渡ります。




しかし山に入ってみると、そぼ降る雨に打たれる静かな原始の針葉樹森に心が落ち着きます。

ミヤマウズラ(ラン科・シュンラン属)
苔むした足元を飾るのはミヤマウズラやもう種になっていたけれどエゾスズランなど初見の花花。



イワキキョウ(キキョウ科・ホタルブクロ属)

キノコも真紅から濃紫色までとりどりの色彩に包まれていました。



八合目で稜線に出ますが、沸き立つガスの流れがあるばかりで灰色の世界に包まれます。



 
山頂のガスの中、三角点にタッチして、風の強い山頂を離れ、9合目の岩陰で食事を済ませると下山します。




帰りは流石に、どこまでも続く針葉樹の森に、早く登山口につかないかと思いながら足を運びました。


西別山小屋5:00=雄阿寒岳登山口6:15…6:30太郎湖岸登山道…10:20八合目
…10:40雄阿寒岳山頂…雄阿寒岳登山口14:00=阿寒湖温泉入浴=17:40帯広空港19:10


2013-09-03  登山

百名山100/56座



西別岳から摩周岳 (道東 中標津)

 
摩周ブルーを期待して計画しましたが、今日も雨は止みません。



6:15 西別岳避難小屋の駐車場から笹や下草が刈り取られて整備の行き届いた登山道を行きます。



がまん坂を越えて最初のピーク リスケ山。
西別岳と西別小屋を長年に渡って管理されている加藤利助氏の名前から命名されました。

晴れていれば、摩周岳や摩周湖をはじめ展望も素晴らしいそうです。
このガスはとても残念です。


リスケ山斜面に広がるお花畑。

チシマワレモコウ(バラ科・ワレモコウ属)
そっくりなナガボノシロワレモコウは長い穂が垂れ下がるそうなので、こちらはチシマワレモコウかしら。
チシマセンブリ(リンドウ科・センブリ属)
直径1センチに満たない小さい小さい花。草むらに埋もれるように咲いていました。
モイワシャジン(キキョウ科・ツリガネニンジン属)
花が大きくて、葉の出方が互生している点がツリガネニンジンと目立った違いのようです。

これらの花たちには初めて出会いました。
西別岳が、アポイ岳に並び称される花の名山であることを実感しました。


ごくらく平

ここからの摩周岳と摩周湖の展望と一面の花園はすばらしいでしょうね
・・・目を閉じてイメージします。



西別岳山頂



さて摩周岳に向かいましょう!
 白樺の散歩道が続いて“北海道情緒に浸ります。
しかし摩周岳直下200mは息せき切る急登でした。
登山道整備用の資材が荷揚げされていて、これから順次整備されるようです。


霧の摩周岳!


 イワブクロ(オオバコ科・イワブクロ属)



ウメバチソウ(ユキノシタ科・ウメバチソウ属)

エゾオヤマリンドウ(リンドウ科・リンドウ属)

エゾリンドウ
オヤマリンドウとの違いは花は平開し茎頂以外にかなり下の葉腋まで花をつけるとあります。
雨で花が閉じていたので平開は確認できませんが、葉の付け根の三段にわったって花がついている点は上の写真の個体と違いがあります。


西別小屋

下山すると、昨日お世話になったTさんとリスケ山のリスケさんが待っていてくださいました。
今日は阿寒湖畔のキャンプ場に移動する予定でしたが、リスケさんに勧めて貰い、もう1泊することになりました。
リスケさんは空になった4リットルペットボトル水容器を何本も手に抱えて帰って行かれました。

天候には見放された2013年の北海道山旅でしたが、温かい出会いが2013年北海道山旅を豊かにしてくれました。


2013-09-02 登山